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投票権は当たり前ではない

期日前投票に行ってきた。国民主権などという言葉が形骸化しているのは、誰もが気づいている。入れたい議員などいなくて、まともな政策を立てている政党などないかもしれない。それでも一応、法治国家と民主主義という枠組みの中で国民が唯一行使できる権利が投票だ。

多くの人は選挙権や投票権は当たり前にあるものだと思っている。だが僕自身は20代半ばまで投票権などなかった。日本に生まれ、日本で育ち、普通に税金を納めていても、自分の自由に関わる法律を定める代表を選出する権利などなかった。つまり国民ではなかったのだ。

三権分立の中で我々が唯一行使できる権利が「立法府」である国会議員を選出することだ。今回は「司法府」の最高裁判官の国民審査権を行使できるが、「行政府」は我々に決めることは出来ない。立法府の第一政党から行政府の長である内閣が、なぜか自動的に決まる仕組みがとられており、実質は二権分立となっている。

それに加えて、昨日の「まなざしの革命放送」でも話したが、このパンデミックで世界は「例外状態」へ移行し、通常のガバナンスが機能しない状況に入っている。この選挙の結果も、その後に何が起こるかも筋書き通りに進んでいく算段が見え隠れする。本当に投票だけで我々が国民としての主権を行使できるとは思えないが、国民とは誰で主権とは何かを考える時間として投票という行為は有効なのではないか。

まなざしの革命放送
Vol.004
パンデミックと民主主義

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