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ペンちゃんとタンポポの約束🐧

「ペンちゃんの星空」の続編として書いた物語です。
丘や動物達とのエピソードについても知りたい方はこちら👇をどうぞ。


パタパタパタパタ・・・どしん。
大きな岩から飛ぼうとしたペンちゃんは、
空を飛べずにしりもちをつきました。

「う~ん、どうすれば飛べるようになるのかなぁ。」
毎日練習しているけれど、いつも地面に落ちてしまいます。

「毎日よく頑張ってるね。」
誰かの声が聞こえてきました。
でも、辺りを見回しても誰もいません。

「ここ、ここだよ!」
声がした方をよく見てみると、タンポポが微笑みかけていました。
「どうしてそんなに空を飛びたいの?」
そう聞かれたペンちゃんは、
「僕、丘に来れないみんなにも元気や勇気をお届けしたいんだ!」
と、目を輝かせて話し始めました。

「この前ね、カラスさんやスズメさんとお話してたの。
 カラスさんもスズメさんもいろんな町に飛んで行ってるから、
 そこでのお話を聞かせてくれたんだ。
 それで、遠くの町にも元気や勇気が欲しいと思っている子がいるよって
 教えてくれたの。
 だから、その子達に会いに行くために、飛ぶ練習をしているんだよ。」「それで毎日頑張ってたんだね。
 でも、ペンちゃんが空を飛ぶのは、なんだか大変そうだね。」
「毎日練習してもダメなのかなぁ。」
タンポポの言葉を聞いて、ペンちゃんはしょんぼりしました。


次の日も、ペンちゃんは飛ぶ練習を続けていました。
それでもやっぱり飛べません。

「ペンちゃん、大丈夫?」
タンポポが心配して声をかけました。
「うん、大丈夫だよ。ありがとう。
 ちょっと休んでから、また頑張ってみるね。」
すると、
「あのね、一つ聞きたいことがあるんだけど…。」
とタンポポは話し始めました。

「ペンちゃんの願いは空を飛ぶことなの?
 それとも、元気や勇気を届けることなの?」
「えっ?どっちもだよ?」
「そうなの?ペンちゃんの願いは一つのように思えるけど。」
「どういうこと?」
不思議そうに尋ねるペンちゃんを見て、タンポポは優しく微笑みました。

「ペンちゃんの本当の願いは、元気や勇気を届けることなんじゃないかな。
 空を飛ぶことはその願いを叶えるための方法で、
 願いではない気がするよ。」
「願いじゃなくて方法!」
タンポポの言葉は、
ペンちゃんにとってなんだか素敵なものに思えたのでした。


「願いじゃなくて方法なら、他にもいろいろあるんじゃないかな?
 それに、ペンちゃんは空をうまく飛べなくても、
 水の中はとても上手に泳げるんだよね?
 そのための素敵な羽なんじゃないのかな。」
タンポポの言葉を聞いたペンちゃんは、
嬉しそうに羽をパタパタさせました。
「僕、鳥の仲間だから飛べるようになろうと頑張ってたんだ。
 でも、僕にとって大事なのは、元気や勇気を届けることだよね。
 タンポポさん、ありがとう!」

すると、タンポポから思いもよらない言葉が飛び出したのです。
「そうだ!ペンちゃんの代わりに、
 私たちが元気や勇気を届けるっていうのはどう?」
「そんなこと、できるの?!」
ペンちゃんはびっくりしてタンポポをじっと見つめました。

「私達、もう少ししたら綿毛になるの。
 綿毛になるとね、風に乗って遠くまで飛んでいけるんだよ。
 だから、みんなに元気や勇気が届きますようにって願いながら、
 綿毛を飛ばしてみたらどうかな。
 そうすれば、私達がいろんな所に飛んで行って届けるから。
 今こうしてペンちゃんとお話しているみたいにね。」
タンポポの話を聞いて、ペンちゃんはとびきりの笑顔になりました。
「タンポポさん、ありがとう!
 空を飛べなくても、僕の願いは叶えられるんだね!」


次の日、ペンちゃんは丘に集まってきた動物達にタンポポの話をしました。
すると、話を聞いた動物達は
「じゃあ、みんなで一緒に綿毛を飛ばそうよ!
 そうすれば、たくさんの所に届いて、
 いろんな子に元気や勇気が届くでしょ?」
と言ってくれたのです。

「みんな、ありがとう!そうだね。
 みんなで一緒に飛ばしたら、きっと幸せもいっぱい広がっていくよね。」
ペンちゃんと動物達のそんな話を、
タンポポは嬉しそうに聞いていたのでした。

それからしばらくして、ついに綿毛が飛びたつ日がやってきました。
いろんな動物達が次々に集まってきます。
そんな中、ペンちゃんは綿毛になったタンポポをじっと見つめながら、
これまでのことを思い出していました。

「タンポポさん、今まで本当にありがとう。
 新しい町に行っても元気でね。
 タンポポさんのこと、ずっと忘れないよ。」
「私達もペンちゃんから元気や勇気をもらったよ。
 だから、飛んでいくのも怖くないよ。ありがとう。
 ペンちゃんの気持ちと一緒に、元気や勇気を届けてくるね。」

「せーの!ふーーっ。」
ペンちゃん達が一斉に息を吹きかけると、
たくさんの綿毛が青空に舞い上がりました。
お日さまの光を浴びてきらきら輝きながら、
綿毛は春風に乗ってどんどん飛んでいきます。

「遠くの町のみんなもタンポポさんも、幸せでありますように。」
飛んでいく綿毛を見送りながら、ペンちゃんはそうつぶやいたのでした。
あなたの住んでいるところにも、
ペンちゃん達が飛ばした綿毛が、届いているかもしれませんね。

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①~④まで音声配信したのですが、
④では繋がりのある配信者さんの音源をBGMとしてお借りしました。
曲を作った方とアレンジ・演奏された方のコラボ音源です。
お話のイメージにピッタリで、BGMの素晴らしさを改めて感じています。

この物語は、
いろんな状況の人達のことを思い浮かべながら書きました。
その中の一人がumi no otoさんです。

わたしの想い願いは、苦しい日々を
頑張って生きている方々に
関心を持ってくださる方々に
同じ今日を出来ることなら
支え合いながら笑顔で生きたい
そしてそれが誰かの笑顔に繋がって
笑顔の花を一輪でも多く咲かせたい
そんな居場所を皆さんとつくりたい
そんな想いでSMILEのホームページを
作りました。

SMILE noteより

活動の内容を説明することは私には難しくて、ここでは書けなかったので、
umiさんの記事を読んでいただけると嬉しいです🍀
umiさんの想いがたんぽぽの綿毛のように、
いろんな人のところに届くことを心から願っています🌈✨
そして、ペンちゃん達のように、
umiさんの活動をいろんな方々と一緒に
応援していけたらいいなと思っています🐧🌻

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