社員が買ってくるお土産に「味噌汁」が多い理由を考察してみた
株式会社Flucle CCOの本田です。
ある日、会社のキッチンに「味噌汁&味噌汁関連食品」が積み上がっていました。すべて誰かのお土産です。ひとりではなく複数人からです。爆笑です。「いや、美味しいけど、なんで被る!?」
なぜ?海鮮問屋の息子がいるの?塩分不足なの?
なかなか珍しい現象だと思うため、ちょっと理由を考察してみたいと思います。
考察その1 オフィス環境
前提として、弊社のマンションタイプのオフィスにはキッチンが備わっており、社員なら自由に使える。キッチン設備はお土産に直接的な関係がなさそうだが、言及を避けられない特徴であるため、一章を使って解説する。
社内にキッチンがあることで発生する3つの現象
◆オフィスで料理をする心理ハードルが下がる
Flucleで開催される「社内飲み会」は、基本的に居酒屋ではなくオフィス内で行われる。キッチンを活用して燻製や、その他メニューを作成する機会も多い。そのためキッチンがキッチンとして高頻度で活用されている。なお、その際に余った酒類などは自由に飲んでよい。
◆各種調味料、食器が完備された状態が続く
飲み会が定期開催されることで、醤油やマヨネーズなどの基本調味料だけではなく、ゆず胡椒やヒマラヤ岩塩などのこだわり調味料が常にストックされている。また20人程度までの飲み会に耐えられるグラスやカトラリー、使い捨ての皿などもふんだんにストックがあり自由に使える。鍋釜はもちろん、カセットコンロ、ホットプレート、たこ焼き器もある。
◆偶発的な飲み会が発生しやすい
「もう20:30か…お腹すいたね」
「帰りに飲みに寄ってもいいけど、オフィスでなんかする?」
「スーパーで肉と野菜を買ってこようか」
「ホットプレート出しておくね」
「飲み会の余りのビールとワインもあるよ」
という流れが発生しやすい。さっと調理してさっと飲み食いし、さっとゴミをまとめて帰るスキルを持つメンバーが多い。
上記から、設備面およびソフト面で「オフィス内で飲み食いすることへの心理ハードルが相当低い」ことがわかる。
考察その2 リモートワーク
キッチンを使った飲み会などは決して日常ではない。リモートワーカーが多いためオフィスに誰もいない日も多く、だからこそ「たまにオフィスで会ったら一緒に何かをする」という意識が働きやすいことも推測される。
そんな環境で、Flucleに何かお土産を購入するとき一番気になるのは賞味期限であることは間違いない。いつ誰がオフィスにいるか分からないし、そもそも持参時に誰もいない可能性が高い。またフリーアドレスのため、デスクに配ることは不可能である。
実際に以下のようなことが起こり得る
①和菓子を購入して出社するも、誰もいない
②誰が買ってくれたか分からないお土産がキッチンに積み上がる
解決策として以下が自然発生している
①今すぐ食べてほしいお土産を買う人は、「今オフィスに誰かいる?何人いる?」とSlackで聞いてから購入する
②たまたま受け取った人は「〇〇さんが買ってきてくれました!」をSlackで社内周知する
上記を知る以上、買う側としても「賞味期限が短い生菓子系」は選択肢から外れる。ただし人がいると分かっている日はその限りではない。実際、会議で全メンバーが集まる日などは、生菓子や果物などもオフィスに集まってくる。
考察3 平等性の欠落
考察2からも分かるように、平均的な組織でありがちな「帰省したので全員に小分けパッケージのお菓子を配布する」などの文化は発生し得ない。
お土産配布に対する平等性が著しく欠落したカルチャーであるといって過言ではない。
実際に以下のようなことが起こり得る
・〇〇さんが買ってきてくれたマドレーヌ、5個しか入ってないから今日出社の3人で食べてしまおう(来週まで誰も来なさそうなので…!)
・これめっちゃ好きだし、誰も食べなさそうなので全部食べるね…最後の一個は家に持って帰るね…。
一般的に、組織に対してのお土産は「皆さんへ同じものを、ご挨拶として」という社会性を多分にはらむものであるが、Flucleにおいては一切関与しない。渡しても渡さなくてもよいし、食べても食べなくてもよい。そしてもちろん、帰省時や出張時に必ずお土産を買う必要もない。
考察その4 乾物の有用性
では購入者は、「遠くまで来たし、ちょうど駅ビルにいるし、何かオフィスに買って帰ろう」という自らの好意をどのような物品に込めるべきか。
メンバーの手間をかけずに、賞味期限を気にせずに、オフィスで有効活用できる食品はないだろうか。
その答えのひとつが「乾物」である。条件を満たした上に、「皆に配らなくてもよい」というアドバンテージも活かせる。
そこに「社内で飲み食いをするシーン」を思い浮かべることで、乾物の中でも味噌汁・スープ系が急浮上する。
・お弁当を買ってきてデスクで食べるときにあると嬉しい!
・小腹がすいたときにあると嬉しい!
・飲み会の最後にあると嬉しい!
紙コップ、割箸、電気ケトルなどがすぐに使える環境であることも相まって、買い手の心理として「誰に渡せるか分からずドキドキするお菓子」よりも、「数ヶ月は放置でき、利用シーンを想定できる、あってよかったを実現できる乾物」に軍配が上がるのは、想像しやすい。
さらに「軽い」「カバンに突っ込みやすい」という購入側の利便性も無視できない。このようなメリットが複合的に絡み合えば、たまたま「海のある県」に出かけたメンバーが多い時期に味噌汁がオフィスに溜まるのは、決しておかしいことではない。
また最後に「お菓子ではない変化球のお土産を買ってきても、誰もおかしいと思わず受け入れる」という文化も、記載に値する特徴であろう。
ここまで、一般的にはお土産にチョイスされにくい「味噌汁」が選ばれる理由を考察してみた。今後「小分けのお菓子を、平等に配る文化」が自然発生するのか、その分水嶺となるのはどのような要素が生まれたときなのかを見守りたい。
考察以上。
お菓子も嬉しいけど、お味噌汁もかなり嬉しい!
というわけで、Flucleのキッチンは今日も大活躍。
誰かが買ってきた市販の味噌汁にこのお土産をパッと入れるだけで、ランチタイムが急に充実します。あたたかい飲み物は、午後の活力をつくり出します。
スタイリッシュで都会的なオフィスにも憧れますが、気軽に味噌汁を飲みながら仕事ができる環境もなかなか悪くない、と思っています。
オフィスでちょっとした調理ができることは、出社時の食生活レベルを上げますし、コミュニケーションの場としての機能も果たします。「ちょっと飲もうか」の機会に並ぶのがスナック菓子やコンビニメニューばかりでは、大人の夕食としてもどうかと思いますしね。
いつかもっと大きなオフィスに引っ越す日が来ても、社内でワイワイと飲み食いができる環境はキープしたいな、と考えるところです。
今回のテーマは、社内メンバーでオープン社内報のネタ探しをしているときに出てきたものです。当たり前に思っていたことも、考察をしてみると実に「うちの会社らしい」カルチャーが詰まっていました。
特に平等性の欠落の部分は、「有給で旅行に行ったら必ずお菓子を買い、上席から順に配布すべし」という文化を経験してきた身としては改めて特異なことだな、と気付かされました。
会社の文化って、本当にさまざまで面白いですね!
お読みいただいた社外の皆さま、ありがとうございました。株式会社Flucle時代を経て、今どのような会社になっているかは、株式会社HRbaseのコーポレートサイトで確認ください!