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【レビュー】『ピクミン4』はダンドリがとにかく楽しい

 我が家では2、3年前に前作の移植版『ピクミン3デラックス』をプレイしていまして、当時も主人と2人で遊びました。それ以前からピクミンのことは知っていましたがプレイ自体は2人とも初めてで、作業ゲーがおそらく合っていたのもあってとても楽しめたと思います。めったに同じゲームを一緒にすることもないこともあり、本作の発売は情報が出たときから首を長くして待っていました。

 移植版からは3年ぶり、ナンバリングからは10年ぶりと待望の発売であった『ピクミン4』を今回はレビューします。※2人プレイです。


良かったところ

グラフィックがとても綺麗

 ピクミンシリーズはこれまでもとても綺麗なグラフィックが好評でした。草や花、木漏れ日、水、人間の道具をピクミンたちの目線で見た時の質感など、どれをとってもとてもリアルなんです。だからこそ、その中にいるピクミンたちもまるで本当に存在しているかのようなリアル感があります。

 今作は最新ハードでの最新作ということでこれまで以上に高いクオリティのグラフィックを楽しむことができました。特に、これまでは青ピクミンがいないと作業をすることのできなかった水中での行動がおっちんのおかげで以前よりも増えているように感じ、それもあってか水の描写はかなり気合が入っているように感じました。

 さらに、今回は今までの俯瞰視点ばかりでなく、結構カメラがピクミンに寄ることもあります。そのため物の質感がより間近で見られたり、水中も見ることができたりします。本当に目が楽しい。

今までは俯瞰視点だったので
あまり空は見えなかったかも
今回はこんな深いところでの作業もある
実は水中描写は『Hey!ピクミン』で
先に登場している

歴代ピクミン総集結

 プロモーションビデオでも出てきていますが、今回は歴代のピクミン7種類に加え、新種のピクミン2種の計9種という豪華な布陣で探検することができます。パッと聞くと、例えば力持ちで投げた時の威力が強い紫や、潰されや刺されに耐性のある岩ピクミンが沢山いれば最強じゃんなど思いますが、そこはちゃんと調整がされていて、『地上に出すことのできるピクミンは3種まで』とか『序盤は赤青黄色以外のオニヨンは出てこない(=特殊なピクミンは自由に増やせない)』など、バランスが壊れないような程よい制限があります。個人的に岩と紫が好きなので一緒に再登場してくれたのは嬉しかったです。

ヒーロー着地!

オッチンが可愛すぎる

 今作のメインマスコットキャラである宇宙犬のオッチン。1番最初にプロモーションビデオで見た時は「変な犬いる!」と若干不気味にすら感じていましたが、予想通り最高に愛おしくなってしまった。仕草が完全に犬でしかも主人公にめちゃくちゃ懐いているんです。愛でないわけがない。しかもオッチン、可愛いだけじゃないんです。最強に可愛くて最強に強いんです。強化要素があるのですが、しっかりと強化していけば様々な属性に耐性を持ち、1匹で100人力の力を持ち、掘るのも早く、泳ぐこともでき、ピクミンを運んだりオタカラを探したりと万能ワンコなんです!!ピクミン4の自由で快適な探索はオッチンのおかげで実現していると言っても過言ではないくらいです!グッズ展開待ってます!

愛くるしい

ストーリー内でもメリハリがある

 こちらのサイトに書いてあったのですが、ピクミン4はピクミン1とピクミン2のいいとこ取りをしているそうです。『いいとこ』というか特徴として、ピクミン1には時間制限がありその中でやりくりしていく楽しさ、ピクミン2には時間制限がない代わりにいろんなピクミンを用いてやりくりしていく楽しさがあったそうです。(実際にプレイしていないので実況動画での知識しかありませんが…)それら両方の要素が本作には含まれています。

 ピクミン3にはストーリーモードの他に、時間制限の中でどれだけオタカラを集めるかというモードや、他プレイヤーと集めたオタカラの量を競うモードもありました。それらが4ではストーリーモード内に組み込まれています。4にはピクミン2にはあった地下ダンジョンが復活しているのですが、この地下の入り口が3種ありまして、従来の地下ダンジョンとあと2つが前述の別モードの入り口となっています。なので、フィールドを探索して見つけた入り口に入ったらダンドリゲームが始まる、ということもあります。このようにこれまでのようなただオタカラを夜までひたすら集めるといった一辺倒なゲームではなくなっています。そして、これらの地下に入る際は一度ピクミンを再編成するため入る前に「よし!やるぞ!」と改めて気合いを入れ直して臨むことができます。私は地下ダンジョンは初めてだったのですが、限られたピクミンでやりくりしていくのはパズルのようでとても面白かったです。

 他にも今回初めて夜時間の活動があるのですが、こちらも全く異なるモードでタワーディフェンス風のモードとなります。新種のヒカリピクミンはなんとも不気味な見た目(絶対これまでに死んだピクミンの魂とかだと思う)ですがあらゆる属性に耐性を持ち、しかも必殺技も持っているし、勝手にプレイヤーの元に集合してくれるという非常に頼もしいピクミンで、夜モードの強い味方となってくれます。夜は敵が怖いけど慣れれば楽しいです。

絶対幽霊

細めなミッションでやりがいを感じた

 今回は『自分の所属するレスキュー隊のメンバーをレスキューする』や『オリマーをレスキューする』のようなメインミッションの他に『ピクミンの花をたくさん咲かせる』や『ピクミンをたくさん増やす』のような小さなミッションがいっぱいあります。各ミッションには目標数がその都度設定され、達成するたびにシザイというご褒美が貰えます。これまでは橋のような建造物の材料はフィールドにありましたが、本作ではこちらがシザイで建造しますし、オッチンや自分の強化やバクダン等のアイテムも全てシザイで賄います。そのためこのミッションも非常に重要な要素となっており、これらをこなすことでやりがいを感じることもできます。

エンディング後ももうちっとだけ続くんじゃ

 しっかりやり込みながらでもエンディングには30時間ほどで到達できます(※2人プレイでしたが)。おや?結構あっさり終わったな?と感じましたが、いくつか伏線を残していたり、エンディングムービーで出てくる『ヤツ』を見ればまだまだ終わらないことは一目瞭然。まだこの世界でやることがあるということにとてもワクワクしました。今はそのエンディング後のお話を進めているところです。

気になったところ

2人プレイ仕様の変更

 雑記の方でも何度か書いたのですが、今回は2人プレイに大きく変更がありました。ピクミン3では画面を分割して各々が隊員を操作し、ピクミンを引き連れ、時には分担して、時には協力して進めることができました。「ちょっとピクミン足りないから10匹貸して〜!」「今日は私が川の向こう側を進めるからこっち側はよろしく!」「この敵は私が囮になるからその隙に後ろからピクミン投げて!」などなど……夫婦で相談しながら進めていくのが好きでした。今回は2人プレイと言いつつ2Pのキャラクターは画面内に出てきません。画面外から石やアイテムを投げられます、それだけです。なんでこんなことになったんだ、これなら買わなくて良かったかも!?と最初はたくさん不満を漏らしました。前作の作業量と比較してしまうと2Pが無茶苦茶暇に感じたからです。実際にプレイ当初は2人ともテンションが急降下してしまいました。

 しかし、プレイを続けていると段々と面白くなってきました。ただ物を投げるしかできないですし、威力が強化できるような要素もありません。しかしそれでも様々なサポートができます。投げた石は敵にダメージを与えることができます。子チャッピーくらいなら2発で倒せます。水や火を吹くギミックを壊すこともできますし(ただしエイムが激ムズ)、壁を壊したり、石を当てることで埋まったオタカラを掘り返す手伝いもできます。これらをこなすと2Pの貢献度ゲージが上昇し、定期的に投げられるアイテムをゲットできるのですが、1Pだとシザイで買わないといけないようなアイテムが手に入ったりしますし、事前に1Pに警告してバクダン岩などを投げることでピクミンが巻き込まれるようなミスもありません。わりと2Pの貢献度は高く、なんなら難易度が下がるくらいの存在感がありました。ピクミンを管理するような楽しさを味わうことはできなくなり、そこは確実に残念だった要素なのですが、それでも別の楽しさはあったのかなと最終的には思いました。

左側に浮いている的が本作の2P
石の他に様々なアイテムを投げられる
画面に依存するので奥行きが少し分かりづらい

総合評価
★★★★☆(4.8)

 星4つと表記しましたが、最終的には残念だった要素も楽しめたので実際は星4.8ぐらいです!ゲームはナンバリングが進むほど新しい要素やシステムの変更があるものです。前作との2Pの扱いの違いに最初は不満もありつつも最終的には全てを楽しく感じることができたのでほぼ文句なしに面白かったと言えます。このコツコツとダンドリ良く物事を進めていくということがクセになる程楽しい。今回は種類や数の管理でいろいろ考えなければいけないことが多く、大変であればあるほどこなしている時の気持ちよさもひとしおです。

 3には追加コンテンツがあったようで、それが含まれていたのが3デラックスだったそうですね。ということは4にも追加コンテンツが来る可能性があるのかも?と勝手に期待しています。まだやり込み終えてはいませんが、それが終わってもおそらく遊び足りないとは思うので、続報を楽しみに待ちたいと思います。

 (レビュー方法をこれまでと変えてみましたがどうでしたでしょうか…?また気になる点があれば少しずつ手を加えていこうと思いますので、引き続きよろしくお願いします!)


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