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「佐久間宜行のずるい仕事術」ホンカツ前の中間報告

 次のホンカツ(読書会)に「佐久間宜行のずるい仕事術」を使おうと思い、二週目を読んで印象に残った部分にふせんを貼るという作業をやった。その結果がサムネイル画像の状態である。

 120枚入りのふせんシートを丸々一つ使い切ってしまった。ふせんを貼ってないページがほとんどない。「勉強できない人がテキストにマーカーを引き過ぎた悪い例」みたいだ。それほど素晴らしい本だった。


「佐久間宜行のずるい仕事術」と愛用のふせん(ストックしてある新品)

 まず表紙が素晴らしい。ワクワクしている素敵な表情だ。こんな顔で仕事がしたい、いや、生きていきたい。こんな表情で仕事をする人と一緒に働きたい。

 私は書店で「はじめに」を立ち読みして即買った。Amazonの試し読みページにその素晴らしい前書きと目次が載っているのでスマホで無料で読める。

まだハラスメントの空気が多分に残る
2000年代のテレビ業界はとてもハードなものでした。
そしてそれ以上に絶望したのは、
サラリーマンも得意じゃないとわかったことです。
納得できるまで行動できない性格で、
先輩の頭ごなしの指示をすんなりとは聞けず、
その分初動が遅くなる。
大声で怒られる。
その言い方に意見するとまた怒られる……。
その繰り返しですり減っていく。

当時のテレビ業界に必要だったのは頑強な兵隊であって、
その都度疑問を持ってしまう僕のようなタイプは
求められていませんでした。

「佐久間宜行のずるい仕事術」2-3ページ

 私かよ。
 ここで私と声を揃えて同じツッコミをした人、買おう。

「その都度疑問を持ってしまうタイプ」の佐久間さんが「自分の大事なものは渡さずに、潰されず、認めてもらう方法。周囲と戦わずに、自分のやりたいことを実現する方法」(5ページ)を探そうと決意するストーリーと、その「ずるい仕事術」を本にして届けることへの想いが「はじめに」に書いてある。全文引用してしまいそうな程良いので、まだ読んでいない人は是非Amazonの試し読みページを読んで欲しい(2回目)。読んで「これは」と思った人、買おう。

 これを読むとピリつく打ち合わせやめんどくさい案件にちょっとワクワクしてしまう。効果が絶大だ。先生かつお守り。

 noteを始めたのとこの本を読み始めたのがほぼ同時だった。
 自分の好きなものや伝えたいことを掘り下げる作業、そして実名で情報発信をして個性をアピールするという活動にはまると、今やっている貿易実務という仕事から興味が離れてしまうんじゃないかと危惧していた。でも、同時期に大きくてややこしい組織や古い体質の残る働き方の攻略法を学べたのはとてもラッキーだと思う。

 特にホンカツの参加メンバーに、「同年代(28歳付近)で、自分の本当にやりたいことのために何度も転職している人」が多い。同年代で起業している人も結構いる。
 私は新卒から6年間同じ企業で働いている。歴史の長い会社で、恐らく安定はしているが体質が古いと感じることも、そこそこある。今働いている部署に大きな不満はない。とても恵まれていると思う。上手くいけば2年後から子供が欲しいので、そのタイミングも考えると転職する理由は今のところない。
 そのようにちゃんと理由付けしているつもりなのだが、「自分の人生を生きている」と胸を張って言えそう(と勝手に私が思っている)な彼らを見ると、「もっといい環境を求めて転職をしたことがない自分は逃げているのだろうか」と、正直ずっと思っていた。

 でもこの本を読んで、ちょっと救われた。この本には、テレビ東京という巨大な組織、絶対の上下関係が敷かれたテレビ業界でも佐久間さんが自分らしさを失わずに20年以上働き続けたコツが書いてある。特に好きなのは「第1章 仕事術編」が「01『楽しそう』を最強のアピールにする」で始まっているところだ。

 笑顔でも、大きな声でも、でっかいリアクションでもなんでもいい。
 とにかく楽しそうに働く。その姿を、まわりや上司にアピールする。
「やりたい仕事をやると、こんなにご機嫌に働くのか!」
 そう思ってもらえると、楽しい仕事を振られたり、任せてもらえるようになる。
(中略)
「ご機嫌にみせる」メリットは、計り知れないのだ。
 逆に、やりたい仕事をやっているはずなのに言い訳ばかりしたり、いつも不機嫌だったりすると、まわりのテンションは下がる。
 次の仕事がなかなか回ってこなくなる。
 組織にいるうえで、不機嫌でいるメリットなど一つもないのだ。

「佐久間宜行のずるい仕事術」16-17ページ

 もちろん、楽しく働くための環境づくりについてもこの後たっぷり教えてくれる。

「組織で働く」と「楽しく働く」は両立が困難だと思っていた。でも、必ずしもそうじゃない。どうしようもなく病んだ組織だって存在するしそれなら逃げた方が良いけれど、組織を居心地よくする方法、又は組織のめんどくささを良い感じに回避する方法がたくさんあることをこの本が教えてくれる。

「一人では何も出来ないから、他人と良い形で協力し合って良い仕事をしたい」と、この本を読む前から思っていた。その考えをこの本が後押ししてくれた。(新人時代は「一人で何でも出来るようになりたいし、自分ならそうなれる」と勘違いしていた。それによる多くの失敗への反省からこの考えに変わった。)
 今いる場所を居心地よく変えていけるなら、「転職していない」だけで劣等感を感じることはなくなるだろう。「理由が出来たら転職する」で、取り敢えず良いとする。

 あ、そういえば!営業時代、「貿易関連の電話してる時、すごい楽しそうだし急に声デカくなるよね」と先輩から言われた。
 自分には「売る能力」は無かったが、海外・国内メーカーとの製造スケジュール調整、輸入・輸出に必要な手続きやスケジュール感の把握、輸入・輸出後の商品の流れまでを一続きに追うことが好きだった。サプライチェーンが一本の線で繋がることが快感だった(繋がって当たり前なんだけど)。その線の途中に良く分からない場所があることが気持ち悪かった。
 ああ、自分はやりたいことに近づいた時、無意識に楽しそうに仕事をしていたのか。
 3年前に私は「化粧品原料の営業から貿易実務に異動したい」と人事へ話し、異動した。なんだ、楽しく働くための環境づくり、ちゃんとやってたじゃん。逃げてないじゃん。

「佐久間宜行のずるい仕事術」の紹介になっただろうか?
 私は何かを紹介することが、特に本を紹介することが苦手だ。すぐに自分の話をしたくなってしまうからだ。でも、自分の話は自分しかしてくれない。紹介(布教)が得意な人は他にいくらでもいる。というか、さっきのAmazonのリンクがもうやってくれている。え?まだクリックしてない?まだ試し読みしてない?こちらですどうぞ(3回目)。

 これはホンカツの前の中間報告。本番はこれからだ。
 ホンカツという場で、まだまだこの本をきっかけとした自分語りは広がっていく。「これからどのように働いていきたいか」という切り口を想定しているが、もしかしたら20分間一切関係ない話をし続けるかもしれない。参加メンバーからの質問によってどんな方向にも脱線していけるからだ。
 まとめるのに苦労しそうだが、それもちゃんと記事にしようと思う。

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