Audibleで本を選ぶときの基準
Audibleサービス概要
AudibleとはAmazonが提供しているオーディオブックサービスである。
・月額1500円で1コインが利用可能になり、そのコインでどの本でも購入できる(3000円~4000円の価格帯の本が多いので、かなりのお得だなという気がしてしまう)。
・他の本を購入したい場合、定価の30%引きで買うことができる。
・毎月一冊のボーナスタイトルがあり、無料で聴ける(欲しい本だったり、思いがけなく聴きたかった本だったりするとラッキー)。
・会員は無料のポッドキャスト番組を聴ける(おもしろいものがいくつかある)。
さらに、これを書いている今日初めて知ったのだが、
・追加コイン購入を1200円×3枚=3600円で購入でき、1コインで1冊、好きな本を購入できる(そうと知らずに先月、30%引きで買ってしまったのを後悔している……)。
私はまだ利用歴が浅く、申し込んだのは昨年の10月。ウォーキングのときやキッチンで家事をしているときに聴こうと思ったのだ。
最初に申し込んだときは、3か月間490円というプランだった。月会費が1500円だから、3か月で3,000円得だというのもあるが、500円で本を1冊分聴けるのがお得だと思ったからだ。当初は3か月でやめるつもりで申し込んだ。
※ちなみに今は2か月(2冊)を無料体験できるキャンペーンをやっている模様(2月24日まで)。
購入履歴
自分が最初に利用開始をした日、私の場合は毎月14日に1コインがもらえる。
最初に購入したのは『哲学と宗教全史』(出口治明著)
書籍をパラパラと読んだことがあっただけだったので、通してきいたことで目で読むのとはまた違う通史的な骨組みが自分のなかにできたように思う。
次に『21 Lessons』(ユヴァル・ノア・ハラリ著)
これは上記リンクをクリックしてサンプル音声を聞いてもらえるとわかると思うが、ナレーションのイガイガ声が時間がたてばたつほどどうにも聴き心地が悪く、途中で返品した(返品交換を受け付けてくれるのだ)。そのときは『いっきに学びなおす日本史』という本と取り換えたが、それはまったく聞いていない。
その次は『夏目漱石名作集』を購入した。「吾輩は猫である」から絶筆の「明暗」までの14作品が発表順に収録されているが、「吾輩は~」が相当長く、まだ聴き途中だ。
次はユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・サピエンス』に行こうと思っていたが、この頃病気が発覚して何かを学ぶ気力がぐんと低下してしまい、どちらかというと大きな物語の中に身を浸したいと思っていた。ミヒャエル・エンデの『モモ』はサンプルを聴いて、某有名声優さんの声がなんだかイメージと合わない気がしてやめておき、しばらくコインを保有したままでいた。
そんなころボーナスタイトルで又吉直樹さんの『劇場』が配信された。朗読は豊原功補さん。
『劇場』は小説を読んで、配信サービスで映画も観たが、オーディオブックでも聴いてみたら、また違う味があってよかった。物語が自分のなかで3次元になって、映画とも舞台とも違う感じの動きと奥行きのあるイメージが膨らんだ。もちろん映画映像に影響されているのだが、本を先に読んでいるので、そこは良い感じでミックスされていた。豊原さんの声もじっとりとした『劇場』の世界観を表現されていたように思う。
物語を聴くのはいいね、と思いその後いろいろ探して評価が高かった『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア オーエンズ 著)を、こちらもサンプル音声の声がよかったので購入した。
結果、物語も声も、とてもよかった。おそらくこの本は、文字で読んでも非常に深く豊かな本なのだろうけれど、音声で先に出会うというのも新鮮な体験だった。
その後また深い物語体験をしたいと、日本の作家さんの小説のサンプルをいくつか聞いてみたが、よいなと思う作品のナレーションの声がいまいちだったり、俳優さんなどで活舌がちょっと…と思うようなものもあって、なかなか決まらなかった。
結局、今月はレイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ』(村上春樹 訳)を購入した。春樹さんの翻訳だから文章のリズムがよいのは保証されているし、音でそのリズムを味わうのもおもしろいと思った。俳優の早乙女太一さんのナレーションも、低めのさわやかな声でずっと聞けそうだ。
選ぶときの基準
こうして振り返ってみると、オーディオブックを選ぶときの基準というのは、内容に興味があることは大前提だが、ナレーションの声質と活舌、物語の場合はさらに演技力(引き込む力というか)が、重要な基準になっている。「ずっと聴けそうな声で、本を選ぶ」というのは、新しい体験だが、結構な時間耳にするわけだから大切なことだ。
上記に書いたように返品した本もあるし、ポッドキャストの無料の朗読でひどいものがあって、すぐに削除したものもある。一時期ラジオドラマや朗読をyoutubeでよく聞いていたが、そのときも同様だった。それだけ目で読むとき違って、耳だけで聴く作品は生理的な好き嫌いがダイレクトに出るものなのかもしれない。それは人それぞれ異なる嗜好だろうけれども。
もうしばらくオーディオブック体験を重ねて、さらに「目で読む」と「耳で聴く」の違いを観察していきたいと思う。
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