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詩小説 『海砂糖』 #シロクマ文芸部


 海砂糖は太陽を燦々さんさんと浴びた
 海面のように光を反射して煌めく。

 砂浜に流れ着いたシーグラスのような
 カラフルな色をした海砂糖。

 ポン! と口に放り込めば
 甘じょっぱい不思議なお味。

 どこからか聴こえてくる
 海のさざめきが耳朶じだを打ち
 
 日焼けするなんて気にすることなく
 泳ぎ回ったり砂の山を作ったりする
 幼き日の私がすぐそこにいるかのように
 目に浮かぶ。

 海の家で買ったかき氷を食べ
 お互いの舌を見せ合って
 ケラケラと笑う私と兄と従兄妹いとこたち。

 帰りの車はいつも砂でザラザラで
 よく叱られていた気もするけれど

 遊び疲れた身体が睡魔を誘い
 その声すらも心地いい子守唄のようで。

 夜になる頃にはもう
 鼻の頭の皮が剥け始めてたっけ?
 ゆで卵の薄皮みたいに。


 そんな一瞬にして童心に帰れる
 魔法のような海砂糖が

 今年はちょっぴり
 しょっぱく感じられるのはきっと。

 穴に塩をピュッとかけると
 ひょこっとを飛び出すマテ貝採りの達人で

 見知らぬ人からも声をかけられるような
 自慢のじーちゃんが

 私の口にもわざと
 塩を振りかけたに違いない。


 そんな悪戯しなくたって
 お盆にはちゃんと帰るよ。

 じーちゃんの曾孫を連れてね。


 気の赴くまま書いていたところ、昨年亡くなった母方の祖父のことをふと思い出しました。(法事に参加できなくてごめんね😢)

毎日じーちゃんのミニ遺影をチェックしているのですが、この作品を書いた時は満面の笑みでした😊✌️(あくまでも私の直感ではあるのだけども、写真越しでもじーちゃんが心配そうな顔をしてるように見える日もあるんですよね……)

 マテ貝(※人によってはグロテスクに感じるかもしれないので調べる時には要注意⚠️)が採れる時期はだいたいGW頃で、私はたまたま父と採りに行き、人集りが出来ていて「なんだろう?」と思ったら、その輪の中心にいたのがじーちゃんで(笑)

「私のじーちゃんすごいでしょ?!」って自慢したくなったのが今でも心に残ってます。
それ以外にもたくさん思い出はありますが、まだ寂しさが込み上げてくるので、このくらいにしときます。

 みなさんの作品も見に行きマッスル🏃💨

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