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#シロクマ文芸部

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シロクマ文芸部のお題で書いた詩や小説をまとめています。
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#ショートショート

駄洒落小説 『咳をしても金魚』 #シロクマ文芸部

「咳をしても金魚」 という言葉を小学生の僕に教えてくれたのはじーちゃんだ。 日曜日の昼下…

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1年前
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140字小説 『好きな色の紫陽花を』 #シロクマ文芸部【花咲く一週遅れ】

紫陽花を植え咲いた花を見た娘が思っていた色と違う!と憤る。 「土壌によって色が変わるのよ…

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3か月前
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54字の物語 『赤い傘』 #シロクマ文芸部【一週遅れ①】

 別のものを書いていたため、参加できなかった先週のお題をお借りしております🙇 怖そうで怖…

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3か月前
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20字小説 『こしょこしょ話』 #シロクマ文芸部

春と風の内緒話。明日は暖かく?寒くする?  シロクマ文芸部さんのお題は、スピッツが思い…

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6か月前
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『54字の閏年物語』 #シロクマ文芸部

 閏年をお題に54字物語を作ってみました👏 よーいスタート🏃💨  もうちょい書けそうだった…

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7か月前
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20字小説 『究極の選択』 #シロクマ文芸部

布団から出て寝間着にコート、ごみ出しに。  今は土曜日が空き缶の日なのですが、自分が出し…

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8か月前
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ラブコメ風7分小説 『みにくい争い』 #シロクマ文芸部

 十二月某日。水曜日。時刻は22:42。 3分後に幕開けとなるであろう絶対に負けられない戦いに備え、最も大切なテレビのリモコンを右手でぎゅっと握りしめる。 これだけは絶対に奪われてはならない。たとえこの身にどんなことが降りかかろうとも。  ドラマは終盤に差しかかっている。私は毎週、栄子が心配でならない。どうしてこうも栄子ばかり苦労せねばならぬのか。 そして栄子のファッションチェックも欠かせない。ワンナイのコントの時から見てきたけれど、衰えぬ体型に見惚れてしまう。どんな

20字小説 『意気込み』 #シロクマ文芸部

十二月も十二分楽しもう!駆け抜けよ師走。 (※20字小説と書いていますが、こちらは文学賞に…

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9か月前
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140字駄洒落小説 『詩と暮らす』 #シロクマ文芸部

 と書き置きを残し  相棒が消えた。  寂しいが  もうここにはいない。  私のせっかちな…

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10か月前
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1分小説 『無敵な連携プレイ』 #シロクマ文芸部

「走らないで!」 という悲痛な叫びに団地内の公園にいた大人達が一斉に振り返る。 「どうし…

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11か月前
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2分小説 『月めくりのうら』 #シロクマ文芸部

「月めくりをしたら、そのうらには何があるの?」  来年には小学生になる娘が私を見上げて、…

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1年前
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140字小説 『意外と真面目な部員たち』 #シロクマ文芸部

「文芸部はなぜ過疎るのか…」 「帰宅部との掛け持ちだからよ」 部長と副部長は話す。 「氷…

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1年前
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詩小説 『カメレオンが書く時間』 #シロクマ文芸部【線】

 こちらのつづきとなっています。  書く時間  俺は緑色のアプリをタップする。    『先…

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1年前
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短編小説 『舞うイチゴ』 #シロクマ文芸部【三粒目】

「舞うイチゴかい?」  道端でたたずんでいたわたしに、知らないおじさんが変なことを聞いてきた。 「家に帰れなくなったのかい?」 とおじさんが言い直したことで、迷子と聞き間違えたことに気づいたわたしは、こくりとうなずく。 「そうか、そりゃ困ったな。ま、イチゴでも食っていくか?」 おじさんはすぐそばのビニールハウスにわたしを誘う。見知らぬおじさんに着いていっていいものか、と一瞬悩んだものの、魅惑的な言葉に惹かれて後を追う。  中に入ると、緑の葉の隙間から見え隠れする赤