ラブコメ風7分小説 『みにくい争い』 #シロクマ文芸部
十二月某日。水曜日。時刻は22:42。
3分後に幕開けとなるであろう絶対に負けられない戦いに備え、最も大切なテレビのリモコンを右手でぎゅっと握りしめる。
これだけは絶対に奪われてはならない。たとえこの身にどんなことが降りかかろうとも。
ドラマは終盤に差しかかっている。私は毎週、栄子が心配でならない。どうしてこうも栄子ばかり苦労せねばならぬのか。
そして栄子のファッションチェックも欠かせない。ワンナイのコントの時から見てきたけれど、衰えぬ体型に見惚れてしまう。どんな