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ショートストーリー

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オリジナルのテーマで書いた短編小説をゆるゆる更新。ごゆるりとお楽しみください。(読める時間は概ねです。)
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#短編小説

4分小説 『天使だって梯子を使う』 【A面】

 我ながらどうしてこうも荷物が多いんだ、と毎度愚痴りたくなるほど重たいトートバッグを肩に…

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2週間前
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オマージュ恋愛小説 『remembrance』 後編

 こちらのつづきとなっております。  ずっと好きだった。きっかけというきっかけは覚えてい…

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2か月前
7

オマージュ恋愛小説 『remembrance』 前編

 ジリリリ……というベルの音に、脳を揺さぶられるようにして目を覚ます。 開ききっていない…

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2か月前
5

5分小説 『お待ちかねハロウィン』

「ただいま」  返事はないだろうとわかっていながらも、暗い家の奥へ声をかける。 もしかし…

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7か月前
12

3分小説 『新しい朝が来る』

「くっそー! またいちばん取られた!」  先に集会場についていたわたしを見て、駆は首にか…

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9か月前
15

5分小説 『よい心地』

 賑やかな披露宴会場から抜け出し、パウダールームの鏡に映る自分とにらめっこして、崩れてし…

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10か月前
10

オマージュ小説 『きみと、わたしと、にわか雨』

「昼食べてすぐに、よく運動できるよな」  昼休みを過ごした屋上でそのまま五時間目を迎える。フェンスの隙間から見下ろしたグラウンドではクラスメイトたちが準備体操をしていた。 「いつだって、あんたは運動なんかしないじゃない」 「常に眠いんだから仕方ねぇだろ」 そうはいうけれど、今の彼は全く眠そうじゃない。 「あ! ひこうき雲!」 くるりと反転しフェンスに背を預け、空を見上げる。釣られて彼女も彼の指差す先に目を向けた。 「ひこうき雲がなかなか消えないときは、次の日に雨が

7分私小説 『寄り道の流儀』

 私とみーちゃんには、学校帰りにいろんな寄り道スポットがある。 青々とした田んぼでスイス…

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1年前
9

5分小説 『買われてたら兄妹』

「おかあさ~ん!」  デパートのお土産売場を歩いていたら三歳くらいの女の子が泣き叫んでい…

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1年前
9

8分小説 『君とデートするために生きている』

 白衣を翻しながら、待ち合いのベンチで目を閉じ俯いている男性にそっと近づく。 「こんにち…

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1年前
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3分小説 『雨降り仲直り』

 くだらないことで彼女と喧嘩した。 俺がただあげたいから指輪を買おうとしただけなのに、そ…

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1年前
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5分小説 『そのままの、きみがすき』

 初めて会ったときから笑顔がかわいい人だな、と思っていた。その印象は今でもずっと変わらな…

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1年前
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5分小説 『どうしようもないふたり』

「結局ふつーの恋愛ができるのは、ふつーの家庭で育った人だけなんだろうな」  部活終わりに…

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1年前
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13分小説 『れいわらしべ長者』

 お昼休み、親友のふーちゃんとお弁当を食べていたら、小学生の時の話になった。 「ねーねー、むぎのとこの小学校では給食の時間に変な音楽流れてなかった?」 「んーうちの学校は、やたら昔話が流れてたなあ……」 「え、どんなの?」 「わらしべ長者とか? それも毎日毎日。今思うと、ある種の刷り込みだったんじゃないかってくらい聞かされたわ……」 「なにそれ! 君たちもがんばって、わらしべ長者になれよ! ってか?」 「そのわりにどんなストーリーだったのか、ほっとんど覚えてないんだけどねぇ