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クロールキックのスプリント力を上げる段階的トレーニング法

まず始めに、キックのスプリント力をどのような方法で評価するかを決めておきましょう。おすすめは12.5mのタイム測定です(併せてスイムも測定)。キックのタイムが上がってもスイムが落ちてしまうこともありますので、その場合はキックとプルと推進力バランスやタイミングが合っていないことを想定します。

ステップ①股関節伸展筋を優位に
前回ご紹介した首の姿勢反射からすると、顔上げは太ももの前側に力が入りやすく、顔つけは太ももの裏側へ力が入りやすくなります。スプリントにおいては伸展筋がいかに動員されるかが重要なので、積極的に顔つけでのトレーニングを行っていきましょう。同様の目的として背泳ぎキックもおすすめです。ちなみに、小学生4年生ぐらいまでは顔上げの方が速かったり、バタフライの選手は顔つけの方が速かったりする傾向があります。体組成や骨格などの特性も影響していると考えられます。最終的にはそれらの特性も考慮してスイムのレース戦略を考えなければなりません。キックのスプリント力を上げるためには顔つけが有効でも、本番のスイムのレースでは異なる場合があることを想定しておく必要があります。

ステップ②左右バランス
左右の足で、蹴り幅や力を入れるタイミングに差があるとパフォーマンスを落とします。これを修正するためには片足ドルフィンキックがおすすめ。ボードを持って右で蹴るときは右半身を少し沈めます。これにより右の腹とお尻を優位に使用します。同じテンポ設定で、25mを右は20回に対して左は22回となれば左に何らかの問題があることが示唆されます。多くの場合「力を入れるタイミングが遅くうねりが不必要に大きい」「同側のお腹の力が抜けやすく体幹の剛性が保たれにくく抵抗を増やしている」などがあります。

ステップ③フィンで負荷をかける
フィンを装着すると自然とスピードが上がりますが、フィンなしと同じか少し速いスピードになるようテンポを調節します。「フィンなしのときよりもテンポを落としても、丁寧に動きを確認することで速いスピードが出せている」ことが重要です。フィンで闇雲に速いスピード出しても、フィンなしに戻ったときにフォームが崩れては意味がありません。

今回は3ステップでご紹介しましたが、これとは別にアップキックで気をつけておくべき大前提があります。次回はこれについてご紹介したいと思います。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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