見出し画像

「日本昔話再生機構」ものがたり


#創作大賞2022  応募作品

「日本昔話再生機構」に所属し「むかし、むかし、あるところの日本」に時空ジャンプして日本昔話を再生するクローン・キャストたち。彼女ら/彼らは、昔話再生の道具として扱われる理不尽と過酷な労働環境にもかかわらず、「機構」が強制する道具としての価値とは別なところに自らの存在価値を見出し、日々、昔話再生に務めていた。この物語は、そんなクローン・キャストたちと、彼ら/彼女ら に関わる人間たちの生きざまを描いた #お仕事小説  である。

1.作品の構造=独立したマガジンのハイパーリンク結合

 
 この作品は、「日本昔話再生機構」という架空の組織を舞台に、そこに関わる人々の生きざまと結びつきを描く群像劇です。
 独立した作品同士をハイパーリンクで結びつけることができるnoteは、群像劇に最も適した媒体であると私は考えています。
 私はnoteのこの特性を活かして、個人の生き様を描くマガジン(短編の集成)同士をハイパーリンクで連携させる構造を採用しました。

「日本昔話再生機構」ものがたり


2.作品の物語世界

『「日本昔話再生機構」ものがたり』の物語世界を、以下に図解で紹介いたします。『第3話 産業医の闘い 2. 』で、この図解に文章を加えて再度、紹介しています。

画像10

画像10

画像10

画像10

画像10

画像10

画像10

画像10

画像10

 物語は「日本昔話成立機構」の活動開始から70年後のラムネ星と地球、そして「むかし、むかし、あるところの日本」を舞台に展開します。


4.この作品を構成するマガジン集


『「日本昔話再生機構」ものがたり』は、次の7つのマガジンで構成されています。各マガジンは、「日本昔話再生機構」に関わるひとりの人物の生き様を描いてますが、マガジン相互がハイパーリンクで結合され、群像劇としてお楽しみいただくことができます。










5.作者の個人的な思い


 最後に、私がこの『「日本昔話再生機構」ものがたり』に託した個人的な思いに触れさせていただきます。

 私は新卒後に重厚長大系のメーカーに入社し、工場勤務を経て企業派遣でアメリカのビジネススクールでMBAを取得、帰国後は人事部門で人事考課・人事異動・昇給昇格の調整を経験しました。
 この企業に19年間勤務したのち研修企業に転職し、今日まで21年間、企業人向け研修に携わってきました。通算で企業人生活40年になります。
 
 メーカー人事の時代に心身不調となり、研修企業へ転職後に双極性障害を発症、1年間休職しています。双極性障害は現在も寛解していませんが、会社の理解があり定年後も雇用延長してもらい現役で働いています。

 このような職業人生から、私は、《働くこと》と《個人と組織の葛藤》について考え続けてきました。退職が近づき、まだ現役で働いている間に自分が考え続けてきたことを形にして残したい。そう思うようになりました。
 
 しかし、体験談は生々しすぎて、筆(キーを叩く指)が進みません。私小説仕立ても試しましたが、書いていて昔の辛い気持ちがよみがえり、まったく楽しくない。書いていて楽しくなければ、続かないのは明らかです。
 
 そこで思いついたのが、SFファンタジー仕立ての「お仕事小説」に託して私が思い、考えてきたことを表現することでした。この発想で描いたのが、この『「日本昔話再生機構」ものがたり』です。
 
 一人でも多くの方にこの物語を楽しんでいただけることを、祈ってやみません。

〈おわり〉