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よいしょ(自選詩)

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#現代詩

詩| 衣替え

詩| 衣替え

厚着明けは首周りが心許なくて、忘れ物の予感と似ていたから、振り返れば春だった。
建設現場のフェンスから漏れ出すノスタルジア。愛しい轍は霞んでいく。
スカーレットの鈍行列車。秘色の膝の裏。おやすみのベルガマスク。
質量を失くしても背負い続けて、土踏まずを凹ませた。
あれから何も出来ないままで、湿っぽくなった風が吹く。

トーキョータワーのアンテナが、脳漿に放つ微弱な電流。目まぐるしいこの街で、立って

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詩| 日傘

詩| 日傘

くよくよくよと鳴る言葉を、毎日いくつも飲み込んで、アセトアルデヒドは乱痴気。今日を終わるのが苦手みたい。

直線道路を一人ゆく、あの人はまだ日傘を差している。

叫んでしまえば簡単に世界は壊れる。そんな緊張感でコンクリートは地球に根を張る。冷ややかな輪郭に、触れようとは誰も思わない。

遮る物は無くなって、日傘は吸い切れない光を浴びる。

蟠りに覆われた都市、メランコリック・ワンダーランド。抜け穴

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