note用フォント02

僕らのまわりには、空気の次くらいにフォントが存在しているのではないか。

いきなりですが、自分は最近フォントにドハマりしています。
皆さんもご存知のゴシック体とか明朝体とかのアレです。

というのも、以前から導入したいなーと思ってたPhotoshopをこないだついに導入したんですね。月1000円ぐらいのフォトプランに加入すれば利用できる。
そのついでに色々なサービスが付随するんですが、その中にAdobeFontというものがありまして。
15,000を超えるフォントを、プランに加入している間、サブスクリプション的に全て使い放題というすさまじい内容。
とは言え和文フォントはその中のごく一部ではありますが、それでもかなりの量。

一例?として、AdobeFont収録の極太フォント(VDL ロゴJrブラック)を使ったコレジャナイキルラキルサブタイロゴ。形状ちょっといじってますが。

こっちは昔のスパロボのステージタイトルをガンダムXのサブタイトル風にしてみた、わかる人にはわかるやつ。

これは一昨年あたりに作ったオフ会用の名刺。
もうAdobeFont関係ないですが一応貼っときたかった。
基本的にこういうしょーもないものばっかり作ってます。こういうしょーもないことが超お手軽にできる世の中はとても素晴らしいと思う。オタクにとっての潤い。

元々趣味でこういう名刺とか動画とかちょいちょい作ってたので、フォントを触る機会自体は結構あったんですが、それも入手のハードルが低いフリーフォントやデザイン性の強いフォントが中心。
スタンダードであるゴシックとか明朝とかについては色々有名どころの名前を聞くぐらいであんまり意識してなかったんですね。

そこでAdobeFontが使えるようになって色々見てみたらおいおいリュウミンあるやんけ!と。名前ぐらいは知ってた!
他にもモリサワのフォントが色々ある!フォントワークスのも!ウワーッマジかよ!普通に買おうと思ったらいくらするんだこういうの!!
と大変衝撃を受けました。それぐらい有名メーカーの有料フォントはお高くて当たり前という認識だったのです。いやマジで。
もちろんフォントが持つ力というものの大きさを考えると、そりゃそれぐらいはするわなという感じでもあるのですが。
だのにそれらが月1000円で使える! Photoshopのオマケ感覚で!

※最近はフォントワークス提供のmojimo-manga(年間4000円弱でラグランパンチが使えるというインパクトたるや!)のような個人ユーザー向けのお求めやすいフォントパックも増えてきているようです。やっぱりすごい時代。

というわけで、完成度の高いフォント群に触れる機会を得て熱がガンガンに高まった自分は、上の画像のようなフォント・タイポグラフィ遊びをしていくとともに、これまであまり具体的に意識することのなかったフォントごとの特色に大きく興味を惹かれることとなります。

それは、ゴシック体であれば「パッと見での視認性の高さ」や「形状のクセの少なさに由来する汎用性の高さ」
明朝体であれば「長文にも耐えうる可読性の高さ」や「筆文字の要素を色濃く残したお堅めな雰囲気」
……といった感じの、字体そのものから受ける印象の差。デザインの力。
誰しもが日常的に触れ、その影響を身を持って実感させられているはずのものではありますが、明確に意識することはほとんどないと言っていいんではないでしょうか。

改めて見回してみると、自分たちが生きる日常空間というものはそれはもう文字でいっぱいなわけです。
本、ゲーム、アニメ、番組、看板、掲示物……枚挙には暇がありません。
もう空気の次ぐらいに多いんじゃないかこれってぐらいに。
そしてそれらの文字は、ほぼ確実に何かしらの意図を持って何かしらのフォントの使用ないしは文字ベースのデザインがなされている。
そう考えると面白くて仕方がないのです。
パッと見で自分が受けた印象、読みやすさ、目へのとまりやすさ、そういったものが全て計算によってなされている。
これはもう一つ一つがコンテンツのようなものと言っても過言ではないのでは!?というのが今現在の自分の正直な気持ちなのです。コスパ最強かよ。
いや本当に色々見てると楽しい。

ちょっと出かけるだけでも「ゴシック体めっちゃ多いなー」とか、「涼しげなイメージを出すために明朝体使ってるんだなー」とか、さらに書体のみならず色や大きさ、レイアウトとかまで含めた観点からも見ていくともう止まらない。
どこを強調したいか、埋もれないようにするか、主張しすぎないようにするか、作成者の意図や技術を読み取ろうとすること自体が娯楽として成立してるんじゃないかと思うわけですよ。ヤバくないですか。

もちろん中には状況にそぐわないフォントが使われていたり、読みにくかったり、明らかに選択ミス感の強い創英角ポップ体が使われているようなものも目にするわけですが(近所のホームセンターで実際に……)、それも含めて面白いし飽きないなと。

欧文フォントであればセリフ体とサンセリフ体の違いを意識してみても面白いですね。文字の先っぽに足みたいな部分があるかないか。
「SONY」のロゴがサンセリフ体だと台無しになるだろうなーとか。

あとはここでいつも目にする「note」のロゴも非常にシンプルですが、細かい部分まで計算されたデザイナーさんの仕事の賜物であることがよくわかります。
スゲェ世界としか言いようがない。

技術どころか超初歩的な知識しか持ち合わせてない身ではありますが、この知識や興味の広がりによる面白さの拡大をリアルタイムで味わっている真っ最中なので、とにかくその勢いのままに書かせていただきました。伝われ!!


ちなみに興味を持って手を出したこちらの書籍もついでに紹介。
絶版になってプレミアがついてるみたいですが、電子版なら問題なく定価で買えます。
文字とはなんぞやという超基本的なところから始まり、フォントの種類や機能、文字組みのテクニック、レイアウトの見本帳、さらにはフォントやロゴを自作するための解説までが詰まった読み応え満載の一冊でした。

毎ページに渡って補足的なコラムがガンガン掲載されていたり、欄外に小さくフォントの見本を載せていたりと、拘りと愛の溢れ方が半端じゃなかった。

ネット上で様々な情報を得ることのできる昨今ではありますが、まとまった知識を得るならやっぱり専門書だなぁということも改めて実感。

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