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人生の秘密はあたたかい

ここ半年ほどは目まぐるしい変化に追われ、しばらく長い文章を書いていなかった。こんなに文章を書かない期間も久しぶりだったと思う。そのくらい、思考や気持ちが短い文章(長くて140文字)で断片的に散らばっていて宙ぶらりん、しっかりと足をつけて立つ地面を失っていた。 何年もの間、ずっと不安にまみれて一歩も動けなかったのに、自分が癒えていることを自覚する暇もなく、気づいたら走り出していた。私は意外と頭ではなく肉体のほうで先に理解していたのかもしれない。 数ヶ月前までは、ほとんど鳴らな

    • さよなら、2021 【2021年振りかえり・前編】

      60%くらいの出力で、ゆるーく去年を振り返ってみました。 しかも前編のみ。7月から12月にかけては、原稿は書いたけれど推敲はできていないのでまた今度。 きちんと一年を振り返るのは、随分と久しい気がする。 ここ数年は、一年どころか数ヶ月前ですら振り返って直視することができなかった。何もかもが怖く、開けてしまったらもう終わりだと思っていた。 もちろん、開けたところで何も変わらなかった。自分の中に作り出したゴーストと戦っていたんだなと思う。開けてみて、よかった。 2021年は、

      • 好きな人のばか

        ある条件を理由に彼を好きになったのであれば、きっとその条件が満たされなくなったときが、その恋の終わり。 例えば、彼の優しいところを好きになったとする。するとその恋は、彼が優しくなくなったときに終わるのかもしれない。 でも、理由や条件で好きになったわけでなく、気づいたら本能的に惹かれていて、時間を経ても会うたびに強くなってゆく恋というものは、それはつまり終わりが来ないってことで。これはかなりの生き地獄なのです。 数日前に大好きな人と会ってから、ぽやぽやと色んなことを考えては

        • 「武器よさらば」 を読んで

          ひとり夏の読書月間🎐ということで、7月は「武器よさらば」「心は孤独な狩人」「金閣寺」の3冊を読もう(後者二作品は以前途中まで読んで挫折)と意気込んでいた。 しかし読むことができたのは「武器よさらば」の1冊のみ、という状況で8月に突入してしまった。 アーネスト・ヘミングウェイの「武器よさらば」。 この本を読むときには、雨が降っていてほしい。だから、いつかの日に遠い国で降っていた雨音の動画をパソコンで流しながら、「戦場に降り注いだ雨というものは、今と変わらないのだろうか」などと

        人生の秘密はあたたかい

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          藍色の、

          あじさいの咲く季節になると、ある人を思い出す。昔からずっと好きな人。 「少しの間だけ、わたしの好きな人がお兄さんになる季節だ」。 そう思って、君の誕生日と、わたしの誕生日の間の一ヶ月ちょっとを過ごす。 お誕生日おめでとう。 色んな理由で、色んな人たちがひっそりといなくなってしまう世界で、わたしたち二人とも、今日まで生き抜いたんだね。そう考えると、なんだか切ないような痛いような、甘くてあたたかい気持ちになる。 今年は、思い切って手紙を書いてみたよ。 君は「なげーわ!」とか心

          藍色の、

          おにぎりを食べながら

          お腹が空いて、眠れない。 部屋が熱くて、眠れない。 やり残したことがあって、眠れない。 寂しい気持ちを持て余して、眠れない。 ここ数日、Twitterと少し距離をとっている。 タイムラインを眺めていると、なんだか苦しくなって、ドクドクと黒い液体が身体の内側を満たしていくような感覚に囚われる。そんな日々が続いていた。雑多に流れてくる大量の情報に疲れつつも、知らなくちゃいけない情報や誰かの声が毎日湧いて出てくる気がして、どうしても吸い寄せられてしまう。 「見なくちゃ」「確認しな

          おにぎりを食べながら

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          Chet Baker Quartet - Summertime

          夏だねぇ

          Chet Baker Quartet - Summertime

          再生

          https://j.ktamura.com/archives/this-is-water

          https://j.ktamura.com/archives/this-is-water

          絆創膏と救急箱と花束(と蜜柑)

          こんばんは。あなたに向けたお手紙2通目です。 今日はクリスマスイヴですね。ケーキ、食べましたか? あなたの撮ったイルミネーションの写真、とても綺麗でした。そして、あなたの想いを読んで、胸が苦しくなりました。そんなあなたのことを想うと同時に、自分の幼いころの寂しさも思い出しました。 きっとあなたも、今まで生きてきた年齢の数だけ、クリスマスやお誕生日をやり過ごしてきたんじゃないだろうかと思います。お誕生日といえば、あなたはどの季節に生れたのだろう。個人的なイメージですが、あなた

          絆創膏と救急箱と花束(と蜜柑)

          翼をやすめて

          もしかしたらまだ言葉には力があって、届くこともあるんだ、受け取ってくれる人がいるんだってことに、じりじり焼けつくみたいに心が熱くなるというか、これは感動してるんだと思います。 あなたに救われています、とても。 丁寧に言葉を使って伝えようとしてくれる優しさに、何度もあなたの言葉を読み返しています。こちらこそ、いつも本当にありがとう。会ったことのない人とSNSで関わらせていただいて、こんなにうれしく思ったのは初めてです。こういう気持ちにさせてくれて、ありがとう。 これは置き

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