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【ライブレポ】Billlie[the interlude of 11]

 韓国の7人組ガールズグループBilllie(ビリー)デビュー1周年を迎えた11月11日、初のコンサート[the interlude of 11]をWeverseにて開催しました。

XR形式とは?

 こちらは無観客事前収録されたもので、かつXR形式のコンサートになっています。

XR(クロスリアリティ)とは
現実世界と仮想世界を融合して、現実世界にはない新しい体験を作り出す技術の総称。

 このコンサートの制作には2021年のMAMADreamcatcherのオンラインコンサートなど、数々のXRコンテンツを手掛けている韓国の企業AMBERINが携わっています。

 彼女たちといえば『the Billage of perception』と『the collective soul and unconscious』という2つのシリーズから楽曲を交互に発表しており、今回は「現実世界」と、11回の鐘が鳴った時だけ扉が開いて行く事のできる「非現実の場所」を行き来して、それぞれのシリーズから楽曲を披露するという構成になっていました。それでは簡単ではありますがコンサートの様子をお届けします。

 「現実世界」から幕を開け、デビューアルバムより今回初パフォーマンスとなるeverybody's got a $ECRETと衝撃的だったタイトル曲RING X RINGを続けて披露。一気にBilllieの世界に引き込まれます。特に金平糖の踊りがサンプリングされた「everybody's got a $ECRET」はションのバレエのステップから始まり、スポとして公開された↓の動画の時点から注目を集めました。

  flipp!ng a coinでのパワフルなダンスパフォーマンスに魅了されていると、次第に彼女たちの周りが「非現実的な世界」との狭間のような不思議な空間へと変わっていきます。その後現れた扉を恐る恐るメンバーたちが開け、非現実な領域である「無意識(unconscious)の世界」へと進んでいきます。

 ここではM◐◑N palaceoverlap (1/1)と「the collective soul and unconscious」の作品が続けて披露されます。まるでこのアルバムのジャケットのような鮮やかで不思議な世界が画面上にどこまでも広がっていきます。

 「無意識の世界」の屋根裏がコンセプトの空間に移動した彼女たちは、ムンスアとスヒョンの進行にてちょっとしたゲームコーナーをスタート。お題に合わせたポーズを全員で揃えるゲームや、「一緒に部屋を使いたいメンバーは?」「一番少食なメンバーは?」という質問にそれぞれ答えるゲームを開催し、メンバーの知られざる一面が暴かれたりもしました。ムンスアとスヒョンの進行もスムーズで流石でした。

 そのまま屋根裏でa sign ~ anonymousを披露。次第に屋根が取っ払われ、開けた世界はまるで宇宙のように美しい映像でした。

 「非現実な世界」を経験した彼女たちが長い道を歩きながら「現実世界」へと戻ってきます。彼女たちを一躍有名にしたGingaMingaYo (the strange world)が直後に披露されましたが、2つの領域を行き来した彼女たちが混乱している感情をそのままこの曲に乗せているような印象を受けました。

 その後はステージをいっぱい活用したthe rumorのパフォーマンス、そして最新アルバムから児童書『マチルダは小さな大天才』をモチーフにしたR&BナンバーB'rave ~ a song for Matildaと、多彩なジャンルをアルバムに取り入れてきた彼女たちの魅力が光ります。そしてこのセクションでは最後に最新アルバムのタイトル曲RING ma Bell (what a wonderful world)を披露。

 今回は1周年を記念したコンサートでもあるため、ここからは彼女たちがファンのためにリリースした楽曲B@ck 2 where we Belongbelieveを可愛い制服姿で歌います。蝶や鳥が飛び交う庭園の中で、花いっぱいのスタンドマイクで披露された7人の顔もどこか晴れやかに見えました。

 その後はファンからのサプライズメッセージが空中に映し出され(ここもXRコンサートらしいポイント)、メンバーそれぞれからも1年間の感謝の思いとこれからの決意が語られました。日本人メンバー・ツキからも「日本での活動も楽しみにしていてください!」との今後がさらに楽しみになるコメントがありました。

 最後はまさにこの日にぴったりのthe eleventh dayを披露し約1時間半のコンサートが終了しました。1年目のグループにも関わらず自分達の曲だけで13曲も披露できるのは、1年間一生懸命に突き進んできた彼女たちの活動の証明のようでした。

今XR形式のコンサートを行う意味

 さて、今回はXR形式のオンラインコンサートでしたが、彼女たちの口からも今後オフラインでのコンサートと今回のようなXR形式のオンラインのコンサートを並行して行っていくとのコメントがありました。世界的にパンデミックが収束しつつあり、これまでオフラインの代替として使用されていたオンラインコンサートのあり方も徐々に変わっている今、彼女たちが紡いできた独自の世界観を具現化するためという、これまでとは一味違う価値をオンラインでのコンサートに見出し、今後もXR形式のコンサートを並行して行っていくことは彼女たちにしかできない強みになっていくのではないかと感じました。

 そして彼女たちは今年グローバル・ファンダムライフ・プラットフォームであるWeverseに加入し、今回の配信もWeverseにてされましたが、Weverseを擁するHYBEは先日YouTubeで公開された会社説明会(2022 HYBE BRIEFING WITH THE COMMUNITY)の中でWeverseにおけるオンラインストリーミングの今後のあり方について「代替よりも共生」を目指すと紹介されていました。今回のBilllieのコンサートのエンドロールにもクリエイティブディレクションにHYBE JAPANがクレジットされていたこともあり、そう考えるとWeverseにおいても今回のXRコンサートは、ただ単にBilllieに配信する場所を提供するというだけでなく、これからのWeverseが目指すオンラインストリーミングの新たな存在価値における実験的な役割を担っていたのかもしれず、私が思っていた以上に彼女たちがWeverseに加入するということは意味のあることだったのだなと感じました。

 あっという間の1時間半ではありましたが、これまで他のグループの配信では観たことのない世界が広がっていて、お金を払って観た甲斐のある充実したコンサートでした。デビュー1周年をこのような彼女たちらしい独自のスタイルで一緒にお祝いできたこと嬉しく思います。2年目に突入した彼女たちの今後の活躍にも期待しています。

 今回のセットリストでまとめたSpotifyのプレイリストを載せますのでよかったらご活用ください。最後まで読んでくださりありがとうございました!

(2023/01/03追記)
 Weverse Magazineにてレビューが公開されました。Billlie本人はもちろん、制作したAMBERINのコメントも多く掲載されているのでこちらもぜひご覧ください!


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