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オトナの恋

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なんとなく、体験らしいことを脚色しまくりで書いています。でも事実ベース
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2021年3月の記事一覧

人は恋をする、何があっても #8

人は恋をする、何があっても #8

よく幼稚園の子供の性別を揶揄するときに、「男子はゴム動力」「女子はゼンマイ仕掛け」というらしい。オトコは単純で分かりやすく、オンナは複雑で理解できない精密な部分があるということを言いたいようである。自分に言わせれば仕事に関してはオトコは最新鋭の兵器のようになるところまで進化するが、恋愛や感情はいくつになってもゴム動力のままであると思う。オンナに関しては姉妹はいないし、身近にいる妻にはもっと直球が投

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人は恋をする、何があっても #7

人は恋をする、何があっても #7

あの女性(ひと)から急にメールが来た。「ご相談に乗ってほしいことがあります。明後日、お会いできませんか」エライ急である。そんなに仕事おいこまれているのかな?こちらには下心はない。あの女性が困っているなら助け舟くらいは出してもいいかな。仕事と家庭を調整して会うことにしてメールを出した。場所は銀座の個室料理店だそうである。

当日、場所に行ってみれば、とてもしっとりした和食のお店である。あの女性は時間

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人は恋をする、何があっても #6

人は恋をする、何があっても #6

前回の会合ではあの女性(ひと)には会社のお金でゴハンをおごってもらう形になった。情報提供とまでは言えないが、一種のコンサルタントである。仕事をしているあの女性は輝いて見えた。今まではそんなに輝いて見えなかったのに。キレイな人ではあったがとびぬけてキレイなわけではない。

地アタマの良さには感心したし、会話の端々にもソツはない。以前交わした趣味の古書話はなかなか面白かった。純粋にあの女性と仕事以外の

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人は恋をする、何があっても #5

人は恋をする、何があっても #5

名刺はもらった。もらったままでのだんまりは失礼にもなろうかと思い、もらったアドレスにメールを送った。ビジネスメールだから素っ気ないもので、先日のご挨拶を重ねてお会いしますがどこいらでいつですか、位のことを書いて送った。あの女性(ひと)から返信があって、仕事の話でお知恵をお借りしたいのでこちらが指定する場所でもいいか、と返事が来たので、承諾して日時を調整して会うことになった。

場所は銀座のカップル

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人は恋をする、何があっても #4

人は恋をする、何があっても #4

また1年が経った。出会って1年後、翌年の同じミーティングにあの女性(ひと)は来ていた。ちょっと変わった感じのフェミニンな服装がとてもよく似合っていた。長い髪を結い上げ、フチなしの眼鏡。年齢不詳とはいっても若いわけではない。お上品なマダムである。お化粧もナチュラル。今回は若い部下もつれていた。

今の自分はバツイチから3年後に再婚し、子供もできた。転職もほぼ同時に行っていて、人生は完全にリセットされ

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人は恋をする、何があっても #3

人は恋をする、何があっても #3

恋と愛は違うと思うのだ。個々人がその定義を自由に定義しているわけで、価値観は関係がない。関係があるとすれば倫理感と社会常識の二つだけである。倫理観と社会常識くらい、無責任なものはない。その人の社会的地位や資産の有無によって許されること、許されないことがいくらでも変移するからである。

個人的な見解を言えば、相手に責任を負う義務が発生するのが愛であり、相手に責任を負う義務がないのが恋だろう。恋愛なん

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人は恋をする、何があっても #2

人は恋をする、何があっても #2

今回、恋という名の心理状態は忍びやかにやってきた。本人さえ気がつかないうちに。

毎年、定期的に行われているシステムに関するお祭りのようなミーティングが熱海で春に開催される。そこには電機メーカーの人、システムインテグレーターの人、公安関係の人、防衛関係の人、様々な業種、業界の人がやってくる。話題は様々だ。自分の仕事で体験したことを発表したり議論したりする。参加資格に制限はない。

バツイチになった

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人は恋をする、何があっても #1

人は恋をする、何があっても #1

人生を50年も生きてきて、妻も息子もいる。息子は小学生だ。大会社ではそれなりの地位にいる。稼ぎはそこそこあるから妻は働かない。夜の営みもそれなりに。年老いた両親が近くにいて、郊外の自宅に住む。趣味はこれと言ってない。強いて言えば読書か、家族との旅行。何の変哲もない人生になっていた、気がついたら。

バツイチ。人生の酸いも甘いも味わってきた。前妻との間に高校生の娘がいるが10年以上会っていない。離婚

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