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8月読んだもの見たもの

7月に『去年マリエンバートで』『ラ・ジュテ』『インディアソング』を観たのに入れ忘れてた…。と言いつつ、早稲田松竹で見ながらかなり寝たので、半分くらい見てないに等しい。全部ちょっとループっぽさのあるSF風味で、起きても自分が物語のどこにいるのかよくわからず、寝たり起きたりを繰り返して不思議な気分になった。映画館で寝るのって気持ちいいんだよなぁ……(松竹は椅子がある時から変わって、めちゃ寝心地が良くなった)。

吉野朔実『恋愛的瞬間』
漫画。絵がすごく好き。
青柳美帆子さんがオススメしてたので、読んだ。絶妙。男女の間に友情は成立しますかの答えが良かったので、わたしもこれからこれを答えにしようと思った。

濱野ちひろ『聖なるズー』
書籍。すごく面白かった。
ゆったりとした言葉でゆっくり分け入っていく本だった。面白くて読むのがやめられなかったのでいっぺんに読んだ。

山本芳美『イレズミの世界』
書籍。講談で、江戸時代に刑罰としてイレズミが用いられたというのを小耳に挟んで、イレズミとかちょっと興味あるな、と思って読んでみた。日本の歴史と沖縄、台湾での規制の歴史があるんだけれど、両方面白かった。
第三世界へのフェミニズムというのは、植民地主義的になる恐れがある、という話で、女性割礼を白人フェミニストが、やめさせようとするのはあまりよくない、とあり、たしかに言われてみればそうだな……と思っていたけど、沖縄・台湾で同化政策としてイレズミが規制されて行った歴史と、それによって文化に恥のレッテルが張られる経緯を見ていって、より理解が深まった。

マツコデラックス『デラックスじゃない』
エッセイ。こういう人だと思ってはいたけどそれにしてもほんとこういう人なんだな、底がないな、という気分になった。

『肉食の哲学』
書籍。倫理的に動物が可愛そうだからベジタリアンしよう、という考えに異を唱える本。ベジタリアンの歴史とかもわかっていいなと思うんだけど、ちょっと作者の悪意を感じる部分もある。

チェコ・デザイン100年の旅
神奈川県立近代美術館(葉山にあるやつ)で観た。何も決めずにぬるっと入ったけどかなりよかった。バウハウス行かないとね、みたいな気持ちになったり、お皿が可愛くてほしーってなったりした。
地下の図書館で全然関係ない美術展の図録を見て寛ぐ。

『来る』
映画。ただのどんちゃん騒ぎホラーかと思ったら、普通にテーマがめちゃ硬派だった。
でも妖怪あるあるなのかな…?という気もしつつ、有識者に教えて欲しい。
普通に儀式楽しみました。

伊集院光『のはなし』
エッセイ集。寝言の話がすごくよかった。寝言でクイズを出していることがよくある、って書いてあってゲラゲラ笑った。
「5歳児にとって隣町とはなんぞや」も名言だった(はじめてのおつかいのはなし)。
伊集院光について、ほとんど何も知らなかったので、なんとなくこういう人なんだなぁというのがわかった。

澤村伊智『ぼぎわんが、来る』
小説。読んだら映画化うまーいになった。小説もめっちゃおもしろい。フィルマークスに雑記書いた。
映画が原作から変更した部分について基本納得だし、一番大きななぜぼぎわんが来るのか、という原因の部分の違いを中心に全て違いがあるので、うまーい。映画の方が原因の作り方が邪悪なのでみてる人がみんな苦しくなりやすいスタイル。
映画の方にも野崎がブラウニー作って持ってくるシーン入れればよかったのにな(わたしが見逃してるだけで、あったっけ)。

『欲望会議 「超」ポリコレ宣言』
書籍。自分の考えと違うが納得できること、とか、自分の考えを見直す考えに出会うことはすごく新鮮なのだけれど、この本はそれだった。『デッドライン』を読んでから、ずっと千葉雅也さんのことが気になっているので、他の書籍もどちゃどちゃ読むべきだなと思う。他のやつ読まねば。

板垣巴留『ビースターズ』18、19、20巻
漫画。最新刊が出たら買う、を守れないので、大体一緒にビースターズを読んでいる父親に促されて購入となる。まじ、ずっとずっと面白い。ほんとほんと面白い。異種族同士の関係性とか、男女差とか、設定の作り方がうまくて舌を巻くし、絵が好きだし。(今ほかに、リアタイで追っかけてるまんがあったけ?と思ったけど『北北西に曇と往け』買ってないこと思い出した。)

『赤鬼』
演劇。シアタイーストよ!!(東京芸術劇場の劇場内のトイレ真っ黒で好き。)シアターイーストに来ただけでうれしい気持ちになる。大体がいい思い出なので。
なんと整理番号が1番だったので満を持して一番前の列に座ったのだけれど、そうするとすごく目の間に透明なシートが垂れ下がっていて、ちょっと落ち着かない、と思ったのもつかの間、始まってみればそんなに気にならなかった。向こう側のシートに座っている人(舞台を囲うように座席が設置されていたので)の前に垂れているシートに反射したりしていて、それもそれでなんだかよかったし、一番最初に俳優がどどどっと舞台に入ってきて、ぐるぐると動いた風圧で私の目の前に垂れているシートがぶわりとこちらになびいたことで、わたしは今演劇を観ているのだという気持ちを高揚させるにはもってこいだった。めちゃ良かったな。身体を感じて、ぶるぶるとしたというだけでめちゃくちゃ価値のある時間だった。4チームあったから全部観にいけばよかったな、と思った。
あと、池袋は東京芸術劇場とジュンク堂と新文芸坐があって、まじ最高。久々に今度文芸坐に映画観に行こうって思った。

きもの KIMONO
東京国立博物館の展示。
楽しかった。あれもほしーこれもほしーってなる展示だった。

『コタキ兄弟と四苦八苦』
ドラマ。2020年冬ドラマですやん、というツッコミには謝らねばなるまいってくらい、録画をため込んでた。まじにまじでまじによかった(時が経ちすぎてクリーピーのアルバムが出いる。聴いてます)。
『獣になれない私たち』で、パワハラ社長が最後の大団円で外されなかったことと、一路さんがひどいことを言ってしまった後に懸命に学んで落ち込んだことは、全くもって同じことを指しているよ!と震えた。
おじさんの物語を描こうとする野木さんのそのスタンスをみて、ついていきます…という気持ちになる。

村上春樹『風の歌を聴け』
書籍。noteに評論書くために読み直していたけど、読めば読むほど村上春樹のことがわかるぞ!!!となり、自分の加齢を感じる。
これからは村上春樹の物語がよくわかる人間になるのだ、という気持ち。

渋谷西武でやってたドラァグクイーンの写真展に行った。
んー、となって帰った。とても元も子もないことを言えば、動いてるから好きだな…ドラァグクイーンは…。

伊坂幸太郎『仙台暮らし』
エッセイ。作者名の順番的に、伊集院光のエッセイのついでに借りたけれど、すごく良かった。伊坂の小説好きなのって、この人がこういう人だからだなぁ……という気持ちになる。他のエッセイも読もう。
あと、3.11の頃のことが書いてあって、徐々に忘れていっているなという記憶が蘇った。

川上弘美『此処彼処』
エッセイ。いつも、なんとなく川上弘美のことを3〜40代くらいの人と思ってしまう節があるのだけれど、実際は60くらいなので毎回ちょっと驚く。そうだわ…ってなる。
地に足がついていそうでいない度が絶妙で、これ以上地に足がついてなかったら、首元が痒くなりそうという直前で止まって、ふわふわとついていない足を楽しめる。かなり良かったから、買ってたまに読みたいなと思った。

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