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記事一覧
8月観たもの読んだもの
八王子車人形西川古柳座 芥川
人形劇。アメリカのアーティストと車人形がコラボレーションした作品。基本的に人形の動きをつけているのは古柳座の人たちで、声などをつけているのがアメリカのアーティスト。芥川の作品を一つずつ上演しつつも、芥川の存在も舞台上で示されており、芥川の執筆、その短編の上演、と交互に繰り返され、河童がキーの作品として、芥川の混乱が描かれるというような流れ。
もともと北米で上演して
6月観たもの読んだもの
新宿末廣亭6月1日夜席
寄席。末廣亭は舞台が高くて見やすいな&お酒はまだ解禁じゃないんだな、だった。
主任の喬太郎を楽しみに、やってきたが、隅田川馬石と柳家小ゑん、林家しん平でゲラゲラ笑った。楽しかった。喬太郎もめちゃくちゃ面白かった。稲葉さん、と言った瞬間にかなり人が笑っていて、なんだなんだ?と思ったら柳家さん喬の本名だった。あとから、さん喬のことを想像しながらあの落語を聞くとまた違う面白さ
7月読んだものみたもの
写真は友達がうちに持ってきてくれたピザにしか使えない板とピザ(わざわざ河童橋で買ってきてくれた、ウケた)。
森崎和江『まっくら』
書籍。炭坑で働いていた女の人たちの話がまとめられている。炭坑では女性もすごくたくさん働いていたのだということや、それをその女性たちがどう捉えていたのかとか、そこでの人間関係とか知らないことばかりで、それらが実際の経験者の口から語られる形式で面白かった。女性たちは自分
4月読んだもの観たもの
エミール・クストリッツァ『黒猫・白猫』
映画。かなりよかった。読書会で話題に上がって『アンダーグラウンド』が気になっていたんだけど、それより前から『黒猫・白猫』をクリップしてたので、なんとなく観てみようよ〜と観てみたらかなり面白かった。ユーモアの感覚がものすごくいい。結末もかなりいいし、ヒロイン役の女の人もよかった。
エミール・クストリッツァ『世界で一番貧しい大統領』
映画。ウルグアイの大統
5月読んだもの観たもの
チェーホフ『かもめ・ワーニャ伯父さん』
戯曲。演劇観るので読み直し。かもめは幕間に重要なことが起きていて、観客の前で行われているのはただ会話だというのがやっぱりおもしろいなと思う。
オザケンのライブ
スチャダラを生で観たい気持ち強かったので、スチャダラだ!!という喜びがあった。オザケンの顔は被り物で全く見えなかった。
ジブリパーク
ジブリパーク、倉庫は割と楽しかった。三鷹の森みたいで。コ
2月読んだものみたもの
谷川道子『ハイナーミュラーマシーン』
書籍。読書会でハイナーミュラーの戯曲を読むことになったが、実際に戯曲を読んでみてもちっとも足掛かりがなく、組み手をしてからだったらいくらでも頑張れるが組み手の組み方すらわからん……となっていたけれど、この本のおかげで糸口が掴めてきた。めちゃくちゃポストモダンな作品なので、大学くらいから大学卒業してからの間にすごく好きだったテーマかも、と思いつつ、演劇はポスト
3月読んだもの観たもの
トルストイ『アンナ・カレーニナ』中巻
小説。散髪しに行くから本一冊だけ持って!って引っ掴んできたら、まだ上巻の半分も読んでいない状態で中巻を持ってきてしまっており(ちょうど家人が家で読んでたので部屋に転がっていたのを間違えた)、しかし他に読むものもないのでまぁいっか、と思って読み始めた。
冒頭がいつも農村にいる弟リョーヴィンと労働者階級ではなくたまに農村に遊びに来る兄コズヌイシェフの話で、意外
1月読んだもの観たもの
マリオ・バルガス・ジョサ『ガルシア・マルケス論 神殺しの物語』
批評。昨年、熱い経緯で翻訳に至った寺尾先生翻訳のジョサによるマルケス批評。とてもとても面白かった。ジョサとマルケスのパンチ事件以降、ジョサがこの本の翻訳を許していなかったのが、ついに寺尾先生の働きにより翻訳に至ったというのは、寺尾先生に感謝しても仕切れない。
ジョサの、作家のオブセッションを称して言った「悪魔」の話は、漏れ聞こえて
12月読んだもの観たもの
宇野重規『民主主義とは何か』
書籍。11月の続き。
全部読むと、読む前には民主主義に対して極めてぼんやりしたイメージしかなかったのが(というか、一般市民はどのように政治参加できるのかとか、どういう役割を果たすのかがすごいのっぺりしたイメージだった)、もっと複雑で色々な可能性のあり方を考えることができた。古代ギリシアの民主主義と、現在の日本のことしか念頭になかったけれどその間の文脈を埋めてくれる
11月読んだもの観たもの
ガルシア・マルケス『愛その他の悪霊について』
小説。旦敬介さんの訳で読む。神保町の著名な訳者や研究者などが、自分でセレクトした本を売ってみる店に置いてあって、寝かせていたのを読んだ。
初めて読んだマルケスがこれだったのだが、その頃の自分にはギリギリ読めているか読めていないかのラインだったのではないかとおもう。
修道院の小部屋のイメージがすごく強く、かろうじて残っている記憶はそれと狂犬病で暴れ
10月読んだものみたもの
古事記(岩波)
書き下し文の古事記と、レ点付きの漢文の古事記が載っている。訳註に頼ってギリギリ読めるか読めないかのラインだった。町田康と角川クラシックとを参照しながら読んだ。
ある程度天皇の威光を強める方向の話もあるんだけど、なぜこの変なエピソードがここに?みたいなのもあり、日本書紀と読み比べるとそこらへんが色々違うのかもと思った。あと、研究書読んだら面白そうだった。
町田康『口訳古事記』
3月読んだもの観たもの
アントニオ・タブッキ『インド夜想曲』
小説。須賀敦子訳で気になっていたので読んだ。読み心地として面白い部分もありつつ、めっちゃ最高?と聞かれると、うーん、となる部分もあり。
カラクリみたいなものはあまり面白がれなくて、どちらかといえばその傾向の作家じゃないかなという感じがしたのでしばらく読まない感じがする。
山本直樹『RED』1〜4巻
漫画。連合赤軍の山岳ベース事件から浅間山荘に至るまでの話。東
2月読んだもの観たもの
エドゥアルド・メンドサ『グルブ消息不明』
小説。チューロ食べ過ぎ宇宙人ちゃんだった。ラブレターがおもしろい。ひひ。
(たぶんでもこれは、リアルタイムでバルセロナに住んで読んでたらめちゃくちゃ面白いのだと思う)
滝口悠生『長い一日』
小説。エッセイから小説に滑り込んでいく瞬間がよくわかる。小説に滑り込んでいくと、夫と妻、とその名が呼称されるようになり、三人称で神の視点での語りになるのだが、しかし夫
9月読んだもの観たもの
カート・ヴォネガット・ジュニア『タイタンの幼女』
小説。『スローターハウス5』の後に読んで、ヴォネガットの持つ決定論的な感覚は他の作品にも共通している感覚なのだというのがわかり、これが作家の中心的なテーマで、作品としていろんなバリエーションで描かれているのは、かなり気になる、と思った。決定論を描き続けるニヒリスティックな面がありつつ、眼差しは温かいタイプだと感じているので、それが物語としてどんなふ