見出し画像

7月読んだものみたもの

写真は友達がうちに持ってきてくれたピザにしか使えない板とピザ(わざわざ河童橋で買ってきてくれた、ウケた)。

森崎和江『まっくら』
 書籍。炭坑で働いていた女の人たちの話がまとめられている。炭坑では女性もすごくたくさん働いていたのだということや、それをその女性たちがどう捉えていたのかとか、そこでの人間関係とか知らないことばかりで、それらが実際の経験者の口から語られる形式で面白かった。女性たちは自分たちが単行で働いて稼いでいるということに誇りを持っている人が多くて、また、男も女も変わらないというか女の方がよく働く、と言っている人が多くて、実際なんとなくその空気感のイメージがついた。戦前から戦後にかけて、炭坑で女性が働くことは禁じられ始めたため、働きたかった、という女の人の多さも印象的だった。解説にその流れが細かく書いてあり、『男は仕事、女は家庭』の性分業が広く浸透するのは高度経済成長期以降、とあり、そのタイミングを割と勘違いしていた。
 あまりにも命懸けであることや、坑夫が暴力を受けることがたくさんあること、それらが炭坑の日常としては当たり前であったことなんかは、時代もあるのだろうなというのと、そこから今の世代になっていくまでにすごいスピードであらゆる常識が変わっていったのだろうな、と思わされた。
 あと炭坑夫っていうのはリスクは高いけどお金はもらえる、という仕事なのかと思っていたらそれは資本家が丸々儲かっているだけで働き手は夫婦二人で働いてもカツカツというような塩梅でいよいよ働くことができなくなってお金がないから農家から坑夫になる、とか、今の山で借金が溜まってきてしまったら夜逃げのようにして他の山に移るとか、そういうのが実情だったんだな、ということを知った。

『オーランドー』
 舞台。小説の舞台化は、むずかしいな〜って思ったけど、原作読んでないからわからないけど〜う〜ん〜なんとなく舞台化する必要があったのかわからないのと、小説をこの時代に舞台化するということによっての陳腐化が起きていないか?という疑問に包まれた。

東京都知事選
 畠山さんの記事が良かった。結果のことや現実的な政治については、どこかまた別のところで書くとして、一度横に置き、今回の選挙戦で何が印象的だったか、というと一つは選挙制度や民主主義というものを改めて考えた、というのが一つ大きなポイントだった。もう一つはアキノリ将軍未満を通して外山恒一の存在を知り直したということで、そこから戦後左翼史の入り口に立っているところ。

いしいひさいち『ROCA』
 漫画。朝日新聞の四コマ漫画「ののちゃん」の作者が書いている漫画。ののちゃんの作風のような雰囲気を感じながらも、そうじゃないというのが良くて、あらすじだけをいうとドラマチックだけど、それがさらりと描かれていることにちょっと置いて行かれた感じがして、その寂しさが読むことの体験をとてもよくしていた。よかった。

いしいひさいち『花の雨が降る ROCAエピソード集』
 漫画。その名の通りROCAのおまけ的なエピソード集。結構あっさりROCAが終わってしまって悲しかったので、これがあって嬉しかった。

都知事選ナンデス
 阿佐ヶ谷の地下にて。畠山さんをゲストにプチ鹿島さんと、ダースレイダーさんが話すイベント。かなり長くてお尻がめちゃめちゃ痛かったけど、色々聞けて面白かった。今回の選挙、結局のところ色々考えたが、民主主義ということにもっと主体的に取り組んでいこうね、ということだな、と思った。投票だけが民主主義的な行動ではなくて、選んだ首長や議員たちのことをら監視し、代表として非難されるべきという行動があった場合は選挙でない場でも避難して監視するというのが民主主義ということなのだなと理解した。
 あとは、選挙制度の供託金の話も面白くて、都知事選は300万円なんだけど、諸外国はそんなに高くないらしくて、まじかよー!って思った。むしろないということもあるらしくて、その代わりに推薦を一定数集めないといけない、というルールもあるらしい。

現代思想 森崎和江
 森崎和江の追悼号。現代思想、買ってつまみ読みして、最後まで読まないことが多々あるが、これは結構全部読んじゃうかもしれない。読書会で森崎和江を読むので、せっせと彼女のことについて書かれた文章や、彼女の文章を読んでいるが、なんかすごく気になるという気持ちが掻き立てられていて、そのことがあらゆる人の目から見た森崎和江を知りたいという気持ちを作っている。

大畑凛『闘争のインターセクショナリティ』
 書籍。うまく説明できないのだが、ものすごく面白い。森崎和江自身がかなり面白いのだが、森崎自身は
 あとは、森崎の足取りを追うことでさまざまな運動史と出会うことができるというのも面白い。とりあえず途中まで進む。

「都知事選2024ここだけの話!」
 畠山さんと宮原さんのトークライブ。ここだけの話なので書けないことばかりだが、河合ゆうすけとAIメイヤーの話が面白かった。畠山さん、悪気なくAIメイヤーの名前呼びがちだけど、そういう事だったのか〜〜って思った。
 これは小池百合子の話でここだけの話ではないのだが、小池百合子の批判されるポイントがいくつかある中で、メディアの締め出しの話が毎回えげつなくてびっくりする。基本的にはいいことを言ってくれるようにメディアを最大限活用しつつ、自分の弱みを刺されないように自分にとって害のない人で周りを固め、批判してくる人を会見の場などから遠ざける、という戦法をとっていて、情報操作としてイービルすぎるな、と思う。公開討論会も出なきゃ街頭演説もあまり出ず、公務の記者会見でメディア露出だけはする、というやり方とか、都議会でも自分に不利な質問をすると回答拒否ばかりしているとのことなので、マジ為政者として嫌な人だ……と落ち込んだ。

スズキトモ『「新しい資本主義」のアカウンティング』
 書籍。経済系の本をまとめてどちゃーと読んだだけの浅い知識で考えると、左翼が唱える法人からお金をたくさんとることによる再分配は経済成長を阻害するので良くないってことなのかな〜、と理解しており、じゃあどうすればええんや〜〜というところに意外ときちんと応えられていたな、と思った。
 『景気ってなんだろう』で、結局企業による設備投資があるかないかが割と景気に影響を及ぼすよ(額がでかい)という話があって、それがデフレスパイラルに入ることにより、企業が設備投資に及び腰になって、その結果景気がさらに悪くなるという状況だよという話があり、アベノミクスでは1本目の矢である日銀による金融政策によって長期的に金利が下がる安心感を企業に与え、お金を借りて設備投資をしてもらおうとしたよ、ということだったと理解しているが、そこから結局トリクルダウンが起きなかった・給料は上がらないので好景気の実感がない、となっていた。そこで、企業の設備投資が起きないのは株主に配当しすぎてて長期投資がなされないから、それを会計からアプローチして是正しようという話だった。
 わりと前職の時に、経営陣は株主から色々言われてて、それを聞かないわけにはいかない・発言力結構ある(上場していない会社だったが)んだな、というのをぼんやり思っていたのと、個人的には出資者が会社の経営にあれこれ言えるというのがあんまりしっくりこなくて、資本主義ってこういうところが最悪だな〜(会社自体の問題というよりかは資本主義の気持ち悪さとして捉えていた)と思っていたのだけれど、こういう経緯があって投資する人にとって有利な形になっていたんだ〜〜としれたのがよかった。割と働いていて、利益を出さねばならないという目標(プレッシャー)がある中で、そんなに予算が出ないけど、目標は高くなって、個人が身を張るという、予算のなさの皺寄せが従業員に来ている感覚があって、無から稼げと言われても稼げないよ〜、投資がないこと自体が長期的な視点から見れば無駄なのでは、とか思うなどしていたけれど、こういう形で解決するんだ〜と思った。
 ただ、この方法で実現されるのは、手取りが増えないこともありますね…という方法ではあるので、手取り増やさないのか〜みたいな残念さも感じた。
 でも、実際に迅速に導入できるのかどうかということにかなりこだわられていたことや、そのための調査がなされていたのがかなりよかった。

フジロック
 二回目のフジロック。昨年は普通のキャンプサイトで、今年はムーンキャラバンでオートキャンプ場で参加した。やっぱり基本的には過酷なんだけれど、新たなテントを購入して臨むなどしたおかげで去年よりかなり快適だった。ただ、運転できる人が少なくて、運転者にめちゃくちゃ負担がかかったので、自分が運転できるようになって運転者と交代できる状態になってないと、ムーンキャラバンリピートはちょっと自分の気持ち的には難しいかもと思った。とにかくどういうイベントごとでも、旅行でも、何するにしても運転できることに越したことはないなと思うので、運転できるようになるぞ!
一日目
CHIP WICKAMAN
 後ろの方で座ってぼーっと見た。きちっとした感じだったで、もっとラフな感じの音楽の方が楽しくて好きだな〜と思いながら観た。カッコ良くはあった。
GHOST-NOTE
 真ん中あたりで立って観た。フロントマンの人がサービス精神旺盛だった。楽しかったけど、同ジャンルだと去年のコリー・ヘンリーが良すぎてああいう胸ぐらを掴まれるような良さはないな〜と思った。改めてコリー・ヘンリーの凄さを感じる。
HIROKO YAMAMURA
 めちゃくちゃよかった。広々したところで爆音で聴くとこんなにいいんだ〜!!って興奮した。
 FLOATING POINTSへ行く道中でつまみ食いをしただけだったので、最初と最後は観られていないが、かなりよかった。キャンセルの代打で出ていて、本チャンの枠は翌日にあったので、後ろ髪をひかれながら移動。結果的に、個人的にはFLOATING POINTSより好きだったので、HIROKO YAMAMURAの方残ればよかったかもしれない。
FLOATING POINTS
 タイトでシャープな感じだった。かっこいい。ちょっと後ろの方から観る。テクノ好きだけど意外とグッとこないのが不思議だった。シャープだけどタイトではないので、この方向性ならもっとタイトな方が好きかもしれない、またはもっと遊びがある方。
電気グルーヴ
 今回、一番楽しみだったかもしれない。始まる前に一番聴いていたしかなりたのしかった!
 前から5列目くらいで、ピエール瀧の身体の強さ(腕組みをして立っているだけでなぜか様になる)を観たり、後ろから出てくる石野卓球を見たり、生成AIで作ったみたいなVJを見たり、よかった〜。ずっと踊っていた。
 全然関係ないけど、AIの作ったちょっと気持ち悪い画像って、超現実的な絵画とかに近くて、コラージュとかの違和感とか(ダダみたいな)と近いな〜面白いな〜と思った。不気味の谷みたい。
二日目
GLASS BEAMS

 よかった! 期待していたよりもものすごく良くて、意表を突かれた。もっと洒落た感じかなと思ったらもっとぶりぶりな感じで、かなりのれた。気持ちのいいフレーズも多くて、ベースとドラムのかっこよさもすごい。特に最後の二曲がどちらかというと打ち込みじゃなくて生演奏でテクノを志向するみたいな演奏で、めちゃくちゃカッコよかった。ドラムの正確さに痺れた。
 オーストラリアのアーティストなので、また来日してワンマンやってくれるといいな〜と思ったり、最後の二曲の方向性好きだったのでこれからも楽しみだな〜と思ったりした。
KITTY LIV
 座って後ろの方からぽやぽやみた。座ってのんびり聴くのがちょうど良くて、割と楽しく休憩できた。
KING FISH
 二〜三曲くらい聴いて移動しちゃったけどめちゃくちゃよかった。ちゃんと生でブルース聴いたことがなかったので、こんな風なんだ〜カッコよ〜と思った。ギターはとても小さく見えた。
KRAFTWERK
 ほぼ最前(三列目くらい)で観た。よかった! 同行者の熱が強めでかなり早くから待機をしていたのだけれどそんなに楽しめるかわからず不安だったので、ドキドキしていたが、結果的に前で観たのは正解だったと思う。後ろの方で見ていた友人が、音が小さかったと言っていたが、最前はかなりずしっとくる音で聴けて、おっきい音で聴いたらこんなにカッコええんや〜〜という喜びがあった。あとは、VJが間抜けで面白く、本人たちはぴくりともしない、というイメージからふざけたりしていないと思いきや、めちゃくちゃユーモアを持って楽曲を作っているということがわかり、生の演奏を観て楽曲の理解が深まるという良いライブ体験だった。
 ライブによりKRAFTWERKが志向している方向がよりわかって、それが結構好きな部類だという実感があったので、一つ一つのアルバムをじっくり聴きたいなと思った。
2manydjs
 こちらも事前に楽しみだな〜〜とワクワクしていた。ユーモアというか明るさの捻くれ具合がいいな〜と思う。事前に観たVJが超良くて楽しみだったけど、ちょっとそれとは趣向の違うVJだったのが残念。
 KRAFTWERKでへとへと&ぺこぺこになっちゃっていたのと、その後のHIROKO YAMAMURAに向けて少し休みたかったので、ひとしきり踊った後は食べたり飲んだりしながら観た。
HIROKO YAMAMURA
 夜ヴァージョンはまた違うぜ〜〜というのを見せつけられた。めちゃくちゃ強くて踊らないことを許さないパワフルなDJだった。あと、それをやっているのが自分よりまぁまぁ年上の女性だというのも良くて、かっっけ〜〜!!!って嬉しくなった。
 しかし本当にもうへとへとだったので、途中もう踊れないよう〜〜となって途中から座って観ていた(泣く泣く、石野卓球のDJは諦めて寝る)。
三日目
アトミック・カフェトーク

 津田大介が司会で、玉城デニー、斎藤幸平、ジョー横溝による対談。テーマは民主主義と自治だった。フジロックでアトミックカフェトークをやってるのは知ってたけどまさか話を聞きに行くことになるなんて〜とか思いつつ、玉城デニーの話が聞いてみたくて行った。
 玉城デニーの話すことをもっとたっぷり聞きたかったなと思いつつ、自分が知らないことを知らないこととして自覚する機会になったし、しっかり重たく自分の中に落ちていったものはあって、満足できた。当事者ではなく共事者として関わること、ということを持ち帰るという流れが記憶に残る締めくくりだった。割と都知事選で民主主義について考えることも多くて、その答え合わせもできた。
いとうせいこう is the poet with 町田康
 高円寺で三ヶ月に一回町田康を観ているのに、フジロックにきてもまた町田康を観に行くのである。しかしめちゃめちゃよかった。高円寺のジロキチとはまた違う町田康で、それが嬉しかった。いとうせいこうのパフォーマンスを生で見たのも初めてだったので、それもよかった。通常のいとうせいこうのイメージにプラスして、なんとなくわたしの中では、安田登とドミニク先生と一緒に何かしたりしている、というイメージが強めにあったので、和歌なのも納得だ〜〜と思った。ちなみに、いとうせいこう is the poetのダブに乗せて詩を詠むという形態は、そもそも、ダブ・ポエトリーというジャンルがあるらしい。ブラックパンサー党員が始めたもので、社会問題への言及や政治批判もあるものらしくて、その文脈を組んでのこの形態なのだと合点が行った。
 ちょうど森崎和江の本を読み出して、サークル村とかに興味が出ているタイミングだったので、石牟礼道子の詩の引用も熱かったし、聞こえてくる言葉に集中して言葉を拾いつつも、椅子の上でリラックスして体を揺らすのはとても楽しかった。
 最後の曲だか、最後の曲だったか、死んでいるものは多いが生きているものも多いというフレーズがあった気がしていて、聞いたことがある気がするのに何のことだったかがわからず、終わった後もしばらくずっともやもや考えていた。改めて調べてみたけどわからず。
YINYIN
 仲良しボーイズだった。楽しく踊ったけれど、疲労もあってかびっちりとはハマれなかった。トイレに行きがけにメンバーが写真撮影に応じているのを見かけたので、こりゃ、と思い、YINYINにしっかりハマって興奮していた家人にしらせ、家人はツーショを撮ってもらっていた(わたしは、ハマりきらなかったな〜と思ってるのに写真撮ってもらうのは違うか、と思って撮らなかった)。
CELEBRATION OF THE METERS
 めちゃくちゃ最高だった。温度が少しずつ上がっていくのがわかって、最後の最後に耐え切れないくらいまでに盛り上がるという最高の尻上りなライブだった。メインディッシュの締めくくりとして最高だった。
光風トリオ
 フジロックも終わりだぜ〜と思って、ノエルを後に音漏れ聞きながら風呂に行ったが、風呂上がりにピラミッドガーデンでご飯を食べている時にパフォーマンスしていて、よかったので聴いて帰った。一息ついた後の本当の締めくくりにぴったりだった。フジから帰って翌日、家人はレゲエについて色々調べていて、しばらく我が家はレゲエの予感。

 もちろん楽しかったけど、去年よりグッとくるアクトが少なかったこともあり、音楽がどちらかといえば好き、くらいの温度感で、好きなジャンルがある程度狭めで、となるとフジロックってあんまり合わないんだな〜〜というのを実感する年でもあった。世界中から様々なジャンルの粋が集まってそれらをいっぱい頬張れるというのがフジロックの良さだしめちゃくちゃいいフェスだとは思うんだけど、好みのジャンルが全体のアーティストの四分の一から五分の一くらいの割合で、さらにその中で「絶対」聴きたいな〜と思うアーティストもそんなに多くないので、過酷さとの釣り合いがちょっと取りにくいというのが難しいな〜〜と思った。ただ、レジェンド級の人が来てくれるのはフジロックさすがだしありがとうと思う。
 ジャンル絞ったステージ数の少ない小規模なフェスの方が好みに近いよな〜という気がしており、その場合キャンプ泊の対策法も割とわかってきたし、フジロックよりは過酷じゃないし、ずっと自分が楽しめるというフェスがもっとたくさんあるよな、と思う。去年友人と行ったテクノのフェスの方が雰囲気も肌にはあっていた。

シャーリイ・ジャクスン『くじ』
 短篇集。すっごい。めちゃくちゃ切れ味があってかっこいい。シンプルで切れ味があって、一部の作風はカーヴァーのゾッとする傾向の強い作品ににているのだけれど、そこに人への愛というよりは侮蔑や嫌悪感があって、その辺りに冷たく強く怖い女のオーラを感じる。本の裏表紙にあるあらすじ欄に「鬼才ジャクスンが本書で描くのは一見ありふれた日々の営み。そしてふと顔を覗かせる人間の悪意、嫉妬、嘲笑、絶望ーー容赦ない筆によって引き出された黒い感情の数々が、あなたの心に爪を立てる」とあって、めちゃくちゃ的確なジャクスン評だ、と思った。『塩の柱』と『歯』は精神的不安の脅迫という雰囲気が強くカーヴァーとかよりも、ポーとかの読み心地に近かった。『塩の柱』なんて、物語内の時間の過ぎ方がだんだん早くなっていくことが正確に表現されていて、募ってくる不安がそこにのってきて、読み心地がすごく悪いのが最高だった。
 こんなに短篇が上手いのに、長篇作品をまぁまぁ出していて、いったいどんなものを書いているのだ……ということが気になって仕方がない。むかし桜庭一樹が読書日記でジャクスンの『ずっとお城で暮らしてる』が面白い、という話をしていたので、次はそれを読もうかなと思う。桜庭一樹がシャーリイ・ジャクスン好きなの、めっちゃわかるな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?