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第3回:ゼミ議事録【近藤史一ゲーム研究会】

「近藤史一ゲーム研究会」では、毎週土曜日にゼミを開催しています。当noteでは、ゼミの議事録を掲載しています。


【開催日時】2020年6月13日(土) 22:30~24:00
【テーマ】
(1)ゲームプレイでお金を稼ぐ
(2)連絡事項と次回のテーマ

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(1)ゲームプレイでお金を稼ぐ

質問:視聴者として、一番好きなプラットフォームはどこですか?
・ Twitch、Youtube が多い。OPENREC も。
・プラットフォーム自体ではなく配信する人についていっている。
・ディスりディスられながらも進んでいく感じはニコニコが一番楽しかった。今は消費している感じ。
⇒開拓期の楽しさがあった。
・ストリーミングを見る、動画を見る、というように目的によってプラットフォームは異なる。
・配信する側も目的によってプラットフォームが違う。Twitchは音楽配信も多い。
例:DJ 界隈は Twitch。理由は音質とストリーミング放送のやりやすさ。
  MOGRA秋葉原 Twitch:https://www.twitch.tv/mogra


1)e スポーツ
現状:経済産業省が主導して取り組んでいる。

e スポーツの現状と課題
研究サイドから:ポテンシャルもあり展開していくべきもの。ただ課題も多くその課題についての知見もた まっているが、課題解決に取り組む姿勢が見られない。
意見①:ゲームごとに先に村が出来てしまっていてまとめられていない。
意見②:アスリート本位ではない。周辺が消費している。
意見③:今の日本ではプロゲーマーとして稼ぐのではなくストリーマーとして稼ぐことが主流。
⇒スプラトゥーンのように日本が強いゲームもあるが、リーグオブレジェンドや FPS 系は個人は強くてもチ ームは弱い(アジア予選では良い成績でも世界大会には出れないレベル)。
⇒ゲーマーとして魅力よりストリーマーとしての魅力が大きくなっている。
意見④:スポンサーもゲーマーに勝たせるための支援ではない。
⇒食事管理をするスポンサーがついているチームも少数はあるが・・・。
⇒ゲーマーに自社製品をつかってもらいそれをゲーマー志望の人間に買ってもらうための宣伝。
例:格闘ゲームのプロはコントローラーのメーカーや配信サービスがスポンサーになり、メーカーの T シ ャツやアーケードコントローラーを使っている。
意見⑤:スポンサーとの契約はストリーマーと同じような契約内容なのではないか?
意見⑥:e スポーツをスポーツと考えるのなら必要なケアがない。ゲーマーを支える存在がいない
⇒例としてはスポーツ医はいるが e スポーツ医はいない。
⇒メンタルケアや心身のケアの必要性を話すと、水をさすな、と言われる。
意見⑦:ゲーマーをサポートする人間を育てる場所もない。
意見⑧:e スポーツとスポーツの違い。スポーツは普段は練習、e スポーツは普段から試合。
意見⑨:麻雀や囲碁、将棋と同じように考えていくと良いかも。
意見⑩:選手にお金が入る仕組みが必要。
⇒お金がないのでチームの代表がお金の事しか考えられなくなってしまうことも。
意見⑪:ライセンス制度と景品表示法上の賞金額限度額の問題
参考:「JeSUプロライセンス辞退のももち選手、CPT アジアプレミア優勝賞金は 10 万円相当に」
(「格ゲーチェッカー」より) https://kakuge-checker.com/topic/view/06644/


2)ストリーマー

ストリーマーのお金の稼ぎ方。

参考:「ゲーム系ストリーマーの契約を加速するものは何か?」(gamesindustry.biz より) https://jp.gamesindustry.biz/article/2004/20043002/

参考:「ゲーム実況のふるさと」の記事一覧(リアルサウンドテックより) https://realsound.jp/tag/%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0%e5%ae%9f%e6%b3%81%e3%81%ae%e3%81%b5%e3%82%8b%e3%81%95%e3%81%a8

参考:「プロゲーマーの収入項目をリスト化してみた」(但木一真氏 note より) https://note.com/ktadaki/n/n911933fb295c
・チアー等の投げ銭。
・サブスクライブ。月額会員。
⇒有名ストリーマーの中には、サブスクライバー限定チャットなどが中心となっているストリーマーも。
・ポスターや CM 等の広告媒体。
・出演料
ストリーマーをした結果としてお金を稼げることもあるが現状はあくまで結果論。よほどその人やコンテン ツに魅力がない限り人を増やすのは難しい。

〇論点:視聴者はゲームプレイの「何を」楽しみにしているのか?

前提としてそもそも価値観は人それぞれ。
・同じゲームでもやっている人によって見る見ないがある。
⇒その人がゲームをやっている雰囲気やその場の空気感が面白い。
例:地球防衛軍4で何度ゲームオーバーになってもあきらめない姿。ゲーム外の会話等。
・昔ほどプレイスキルがうまいからと言ってみるわけではない。
⇒ノーコンティニュー、ノーダメージクリア配信は見るか?
⇒見る、見ないは人はそれぞれ。「チャレンジ」する動画なら見る、という意見も。
・うまいプレイを見る需要もある。
・最初に見て楽しければ次の配信も見る。
・ゲーム実況はデパ地下の食品街ようなものではないか。
⇒そこに行くと色々な料理が取り揃えらえている。基本的にはどれも美味しい。何を手に取るかはランダム。 自分が手に取ったものが美味しければリピーターになる。そこが新しいものをだせば食べる。 ⇒配信者に触れるファーストコンタクトの機会はランダム。例:特番やプラットフォームのサジェスト
そこにあるものはどれも楽しい。楽しければリピーターとなる。そのストリーマーが次に何をやっても見る
⇒視聴を継続するかどうかは配信している人による。
・配信についてはコンテンツ側は多様なので、何をきっかけで見たのかが重要なのではないか?
⇒配信の分類は整理されているのか?


【RTAを例に「なぜそれを好きなのか」について考えて見る】
・ RTA専門チャンネルがあるように RTAストリーマーが視聴数を稼げる理由は??
⇒配信の個性は何によって作られているのか?
・チャレンジする姿や RTAを達成するまでの過程を見たい、RTAを達成した場面にいたい。
・好きなタイトルだと見る。
・うまいから見る、という需要もあるのではないか。
・リレー RTAも人気。
・同じ RTAでも動画とストリーミングでは見る目的が違うのではないか。
  動画:RTAの解説が載っている。その人の 100%のポテンシャルを見ることができる。
  ストリーミング:一発勝負の面白さ。突発的なハプニング。
  ⇒RTAそのものというより、ライブ配信の雰囲気を見るという需要もあるのではないか。
  参考:RTAinJAPAN

③配信の分類
・根岸氏の分類
大分類としてタレント系、紹介系、企画系など。
大分類から分かれた枝葉として、競技性が強いか弱いか。競技性の強さの分類から分かれて対戦、RTA、ノ ーダメ・ノーコンなどの分類。
また大分類から分かれる他の枝葉として、競技性だけではなく放送としてゲームプレイを流すだけという分類も。ゲームプレイを流すだけの場合、初見か周回プレイかトロコンか、といった分類も出てくる。 ⇒概ねカバーできそうだが、こぼれるものもあるだろう。

・ゲーム実況をマッピングできないか? 分類の評価軸をどこにおくか?
意見①:分類の仕方でいえば、例えば入り口として金銭を得ているかどうかの分類が出来る。
⇒お金になっている側の分類は最低限の質が必要なので整理出来るだろう。
⇒お金になっていない側の分類は、なぜゲームをやるのか、という個人の動機や趣味と重なるので難しい (配信としてはこちらが多数)
意見②:まずはお金になっている側の分類をやってみたい。


(2)連絡事項と次回のテーマ 

・ゼミ終了後、二次会を Discord の談話室で行います。
・次回は 6 月 27 日 22 時半から 24 時(予定)
・来週のテーマ 「ゲームグラフィックの進化」
・来週までの課題:「授業アンケート#1 から#3 までのゼミの感想」をお願いします。


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