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広告はなくなる。時代に合わせ昔作った言葉の再定義を。広告はステータスからスタンスの表明をfrom【#DMCxマケスタ】WEEK6

どうも、fkdです。

毎週参加している【#DMCxマケスタ】ですが、WEEK6「広告がなくなる日」 も神回。 #DMCxマケスタ 、毎回神回すぎて無料でいいの?っていう感じです。本当にありがとうございます。おすそ分けしなきゃなので、noteに内容をまとめました。

テーマは「広告がなくなる日」。登壇者は【広告がなくなる日】そのものの著者、株式会社カラスCEO 牧野圭太さん@MAKINO1121)、Tapistaの参議院広告など社会課題を切り口にした広告を得意とする株式会社arcaCEO 辻愛沙子さん(@ai_1124at_)。"広告"について改めて考える珠玉の1時間でした。

長いのですが重要なことが満載なので、まとめを先に書きました。まとめだけでも参考になると思いますが、時間ある方はお二人の講演内容も起こしているのでぜひご覧ください。

【五つのまとめ】

①【考え方を変える】
企業のスタンスが伝わるいいクリエイティブを作ること自体にコミットしていく。いいものは勝手に広がる
②【表現を工夫する】
スタンスを出すときにブランドジャーナリズム(社会への疑問)を出すか、クリエイティブアクティビズム(個人としての表現)をうまく活用、伝えにくいことも表現手法を工夫して社会に課題や解決策を伝え、貢献する
③【企画の根元】
昔からあるラベリングを色々な視点から疑う。課題の解像度を高め再定義し文脈を作って届ける
④【それぞれのスタンス】
担当は熱意を。クリエイターは社会課題と事業貢献のマッチングを、消費者は社会課題の自分ごと化を。(クリエイターも消費者も事業成果を意識
⑤【広告の再定義】
広告はステータスからスタンスへ。
従来型の広告は無くなり境目は曖昧になる覚悟と決意を

以下、詳細になります。六個の見出しに分けてまとめています。どうぞどうぞ。

広告がなくなる日とは

まず、本ウェビナーのタイトルにもなっていて、牧野さんを語る上で欠かせないこのnoteの話から。ご本人の方から聴けるのは貴重で、本当に参考になりました。

牧野さん:正確には広告は無くなってもいいということではなく、いいものができたら勝手にSNSで広がっていく、つまりいいものを作ること自体にコミットしていったほうがいいということ。

辻さん:企業は発信力がないとか、いいものを発信したいという悩みがあるが、そもそもいいものの定義が曖昧なことが多い。何を伝えたいのか曖昧。機能性だけでない『感覚的なところ』に訴えかけるようにすべき。

牧野さん:だからこそ、クリエイティブディレクターの役割は広告を作る人ではなく、コミュニケーションを作る人になるべき。メディア依存ではなくいろいろなものに広げていかなくてはならないから。

辻さん:広告が必要無くなっているのではなく、広告というものの線引きが曖昧になり、範囲が広がり、越境していっている。もはやそれは広告と呼ぶものなのか。SNSで広がっている広告は、まさに広告ではない。プロモツイートをするのではなく、いいものを作ってツイートしてもらうというアプローチ。広告は企業や商品を伝えるものではなく、ブランドや企業の意思・何を大事にして作っているのかを伝えることが大事。

【所感】
僕自身の note(https://note.com/fkd89/n/nc56f2a7737c3)で『アドも消費者に役立つ情報配信、コンテンツ化を』という内容でまとめてますが、企業のスタンスが伝わる、いいクリエイティブを作ること自体にコミットしていくべきというのは企業として今後絶対に必要な姿勢です。

『ブランドジャーナリズム』と『クリエイティブアクティズム』

次に、お二人がプロモーションをするときに大事にしているスタンスについてお話しされました。

牧野さん:企業に必要なのは、ブランドジャーナリズムという考え。ブランドが世の中に対し批評的なアクションを起こすことで、ブランドの姿勢をしっかり出すこと。

辻さん:主語が我々になるとクリエイティブアクティビズム。アクティビストはさまざまな業界にいるが、例えばサッカー選手のミーガン・ラピノーがLGBTのことを話した。クリエイターも自身が表現者となっていくことが必要。

伝えにくいことも、ユーモアを交える、コピーにして情緒的に伝える、ハッシュタグ化するなど、クリエイティビティで表現手法を変えて社会に伝えて貢献することがクリエイティブアクティビズム。

大企業であればあるほどブランドジャーナリズム、シャープなメッセージは言いにくい。それをクリエイティブアクティビズムで解決したり、他のアクティビニストに賛同することで間接的に伝えることができる。そういう意味では自社でやるのか他でやるのかの線引きをしなくてもよくなってきた。

ケリングがエマワトソンを取締役にしたが、エマワトソン自身がジェンダーフリー、サステナビリティを重要にしている人だから、よりケリングが社会的に信用できるという評判になった。話題作りだけではなく、思想・スタンスをうまく企業にマッチングさせている。

【所感】
ブランドジャーナリズムはたしかに大企業になればなるほど難しいですが、クリエイティブで表現を変えて社会に示す、他に賛同という形で間接的に伝えるクリエイティブアクティビズムの活用というのはできる気がします。この二つの言葉は覚えておくといいでしょう。

文脈をうまく出すことの重要性

次に、お二人の実績やツイートを元に具体的にどう作り上げていくのかの話でした。ここもめちゃくちゃ重要。

辻さん:ミルボン「女子力ってなんだろう」は、商品ではなく、企業メッセージの表現、美容とは何かといった大きなところからのアプローチをした。女性力をGirls Powerと言い換えると力強さが増す。女性の数だけ力がある。当たり前のことなのに固定概念の再清算になってしまうので、再定義をアイデアのきっかけにした。

再定義には、文脈(ストーリー)を作り表現することが大事。それには、企業と作り手の想いを一番話せる人が話したほうがいい。企画の説明を企画者自身がするというのにチャレンジした。

【所感】
作り手・企業の想いを自ら話してしまうというのは勇気がいりますが、ウェブライダー松尾さんが話す『透明性、正直』というところがまさにこれだなと。個人的にも今年チャレンジしたいことで、口を酸っぱくして最近言いまくってます。

ラベリングを疑え。再定義しろ

続いて、こちらのツイートを元に議論。このパートが個人的には一番刺さりました。

牧野さん:〇〇女子というラベリングへの違和感から企画するときのラベリングの重要性を感じた。受け取り手の解像度(課題認識)が高くなってきたからこそ、昔作った言葉の再定義は非常に重要。(言葉の定義が)間違っていると思うという課題感と、それをクリエイティブで具体化することが重要。

辻さん:ジェンダーの話をするときも、女性だから女性のことがわかっているわけではない。人の数だけ視点の数は変わる。自分の視点がすべてだと思わないことが親切さにつながる。コピーも、全く違う視点を持っているひとがいるという前提で書く。意見が偏ったらその逆を想像する。

牧野さん:いま、議論したり学んだり批判することが少ない。それが勉強になる。普段の解像度(課題解釈)のレベルをあげる。Twitterをみているといろいろな視点があるなって思う。

【所感】
時代に合わせ、昔からあったラベリングをそのままにしないこと。やってしまいがちというか、普通に企画しているとそこに疑問を持つことすらしません。特に今の時代だからこそ必要だと思います。

企業が現代社会でブランドパーパスを押し通すことの難しさ

そして、企業にクリエイティブの重要さをどう説得していくのかというテーマで話しが進みました。

牧野さん:なかなか難しいが、実現するには担当者がすごい情熱をもっていること、思想を通すための思想をもっていることが重要。

辻さん:クリエイター側の責任もある。なんでこの会社がやるべきなのかを考えていない。もともともっていない課題をいきなりやってもダメ。社会課題をどこまで企業に還元できるのかを、どこまで突き詰められるのか。

牧野さん:KPIは売り上げにいつか辿り着くということはあるが、なかなか示しにくい。そういうときは事例を交えて説明する。

辻さん:日本はみんな様子見している。競合がやってないからと足踏みするのではなく、企業は一歩踏み出す勇気をもつという責任がある。

また、消費者側もしっかり企業のスタンスを理解し、自身が社会に貢献できるからその商品を選ぶとか、それをTwitterで発信するといったことがもっとできれば、企業にもっと成果が見えるようになり取り組見やすくなるという事はあると思う。

【所感】
企業、クリエイター、消費者それぞれに課題があるというのは初めての視点で、大変参考になりました。特にクリエイターと消費者の課題はあまり語られないのでめちゃくちゃ参考になりますよね。

広告はステータスからスタンスへ

最後に、お二方からメッセージ。

牧野さん:広告はステータスからスタンスへ。意思をきちんと考えて、きちんと表明する。

辻さん:すべての人にハッピーは難しい。企業とクリエイター、企業と消費者のマッチングが大事。ターゲティングではなく、どういう思想の人とつながりたいのかというのが重要。
また、仕事をするうえで、自分が担当者だったら想いを強く持つこと、それを社内でキャラ付けしていくことが大事。問題提起する勇気の根底にあるのは、問題提起することで人々が変わってきたから。自分のアイデンティティをしっかり押し出し、それに賛同して仕事を頼んでくれるようになった。スタンスの表明がマッチングを呼ぶ。


発見と勉強だらけのウェビナーで、本当に一マーケターとして視点が広がり成長できました。

ちなみに、文章中少し触れてますがウェブライダー松尾さんの神回をまとめたのがこちら。

それでは、んちゃ。

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