見出し画像

2ヶ月20本のセミナーで得たマーケターに必要な【5つの共通項】

どうも、fkdことふくだです。

在宅勤務が増えセミナーも"ウェビナー"になったのとで今までよりたくさん参加でき、2か月で20本以上参加しました。仕事&育児しながらのマーケターでは最多なのではと思います。笑

今回、たくさんのウェビナーに参加することで見えてきた"共通項"がありますので、ぜひ皆さんに伝えたいと思いnoteを書きました。数十時間のセミナー受講を濃縮したので長文ですが、渾身です。読むだけでもみなさんもセミナーで得られる“体験“が得られますので『セミナー20本受けたんだぜ』とぜひ自慢してください。

時代の変化、コンテンツマーケティング、SEO、SNS、LPO、WEB広告、SDGsなど様々なカテゴリのウェビナーでしたが、大事なメッセージは以下の5つに集約できました。

1.寄り添う。攻略ではない【考え方】
2.本物であるために、社会や顧客のためのことを
実践せよ。そして正直であれ【スタンス】
3.ブランドパーパスと顧客の悩みや想いを同期させる【伝え方】
4.絆を深めるコミュニケーションを。出会いや縁をKPIにしよう【コミュニケーション】
5.時代の変化スピードに合わせて決断と実践もスピーディーに【タイミング】

どのチャネルや施策担当においても、事業主・ベンダー・代理店どの立場でも、この5つのまとめは参考になると思います。

ちなみに、全部ではないですが以下のエントリーにウェビナー個別でまとめていますのでご覧ください。

それでは、一つずつまとめます。どうぞどうぞ。

1.寄り添う。攻略ではない

すべてのセミナーで言われていた『考え方を更新する話』で最重要なテーマです。特にウェブライダー松尾さんのセミナーの内容がわかりやすかったのでまずはじめに引用します。

人を「理解しよう」とするのではなく「寄り添う」ことが大事。人は理解はできないけど、寄り添える。

デジタルマーケティングでは『最適化』という便利な言葉で、ついつい使ってしまいがち。ホームページやらバナーやらを見やすくして訴求が強くなるようにし申込や利用を促進、CTR・CVR・CPAとかの数字との勝負。つまり『顧客や各種媒体や検索エンジンを理解し攻略すること』として使われています。しかし「寄り添って顧客の"経験"を最適化する」という発想に変えなければなりません。

カラビナハート吉田さん、Legoliss加藤さんの「データ×SNS」のウェビナーでは、

どうサービスを売るかではなく、どう一緒に盛り上がれるか。ファンは何に盛り上がるのかの分析のためにデータを使おう。

というコメントが印象的でした。データ分析をするときは、数字だけで語らない。ファンになって顧客と同じ気持ちでになってデータを生かすことが重要。SEOのウェビナーではアイレップの渡辺氏もこう語ります。

SEOはユーザーファースト。検索者のエクスペリエンス(体験)を推し測ったコンテンツ制作や、デジタルマーケティングの中の一部としてのSEOという認識をしよう。

ウェブライダー松尾さんも全く同じことを話しています。また、Advertising Week JAPAC 2020では複数のセッションで明確な言及されていました。

企業は顧客とエンゲージメントを目的としているのに広告自体がその目的と離れてきた。アドではなくコンテンツを作るという意識を。事業主は広告をコンテンツも有益なものだと認識させないといけない。
ユーザーにとって本来は広告は有益な情報であるもの。その在り方に戻るべき。

アクティブ合同会社・青山商事 リブランディング推進室 藤原氏、電通青木氏、Outbrain三上氏が口をそろえて『アドはコンテンツ化を』と話しました。

今までの話をそれぞれの施策に落とし込んでみます。

・SEO=検索"体験"最適化。検索結果画面で顧客の悩みを解決
・LPO=LPEO。ランディングページ"体験"最適化。知りたい情報が知りたいタイミングで
・SNS=サービスやブランドを売るのではなく顧客と一緒に盛り上がる
・WEB広告=WEBコンテンツ配信。アドではなく有益な情報を
・インフルエンサーマーケティング=Trusted Curators。感性に寄り添った信頼できる情報を提供

どれも、企業のメッセージを伝える→徹底的に顧客の気持ちになり顧客が欲しい情報を欲しいタイミングで伝える、という思考のチェンジが必要です。コロナだからというわけではないのですが、コロナがあったからこそよりこの変化は顕著になったとも言えるでしょう。

2.本物であるために、社会や顧客のためのことを実践せよ。そして正直であれ

次に、今あるべきスタンスの話です。「ポストコロナ時代のマーケティングのあり方」において、メンバーズの原氏と、グローバルマーケターのJaM Japan Marketing大柴ひさみ氏はこう語ります。

"Belief-driven buyers"信念主導型の購入者が増加(世界で64%)。
自分の消費は「投票」しているのと同じ。コロナによる時代の変化により、購入者はブランドがどんな社会的課題に寄り添っているかを判断し「選択する」「切り替える」「避ける」といった行動をするようになった。

消費者に『自分にとって、この企業・ブランドや、この商品を必要』だと思わせる。ブランドパーパスがソーシャルイシューに沿っていない、企業の社会的理念表明がされていないと逆にオーセンティック(本物)ではない企業に見られて、投票がされないということです。

ブランドパーパスについても整理します。最近よく聞く言葉ですが、オンラインアジェンダ keynote1で横手氏は

企業にとって、自分たちでできることは何だろうという問いがそこら中に溢れている。提供できる価値の再定義こそが最初にやること。必要に応じて戦略自体も転換しないといけない。

と語っています。ブランドパーパスは伝えたいメッセージではなくブランドとして社会や顧客のために何ができるのかを徹底的に考え、それを具現化していくこと。押しつけがましくなってもいけませんし、ましてや顧客の悩みや想いにマッチしないのは問題外。そのブランドパーパスを、より時代にマッチした形に(社会的意義に)再定義していくことが必要ということです。

例えば、飲食店はお店に来てもらうのが目的ではなく、顧客においしいものを提供すること。車は、車を売るのが目的ではなく、移動手段を提供すること。こういった目的の再定義をまず行わなければなりません。

続いて、正直なことがなぜ必要かをまとめます。

ウェブライダーの松尾氏は、【透明性がありコソコソしていない】ことが大事だと話します。Googleは安心安全なコンテンツをユーザーに届けることを重要視しています。それは情報発信者、コンテンツ作成のプロセスを見える化するということ。プロセスを見せる、つまりブランドや商品の理念や想いを見せないとGoogle、その先にいる消費者には響きません

また、同じくオンラインアジェンダ keynote1においては

表現はどうしても似てくる。ブランドパーパスがしっかりしているか、実際にやっているか、それが表面化される。

と話しています。見せかけ、虚像はすぐに見破られます。SDGsやらCSVが必要だと言われていますが、それを本気を出して具体的にやっているのか、というのが重要。言うのはだれにでもできます。SDGsのxx番に取り組もうとしています、と言うだけなのですから。それでは全く心には響きません。

例えば、Dysonはエンジニア育成のための学校の授業料免除をしています。

自社のための育成ではなく、最終的に世の中のためにエンジニアが必要だという理念をもって提供しており、結果Dysonのエンジニアリングへのこだわりを間接的に示すことに成功しています。

社会貢献のケースでは自分ごとしにくいかもしれませんが、ギャプライズさんのLPOに関するウェビナーにおいては、

社内でネガティブな意見が多いものほど、ユーザー目線のテスト内容になっている可能性が高い

という話がありました。これ、個人的にはすごくわかりやすく刺さりました。本当はページでも言いたいのに会社の別部門から文句を言われそうだからとか、言ってしまうとコンバージョン率が下がりそうだから言わないなんてことはよくあります。

しかし結局顧客にはすぐバレます。むしろ素直に話し、その問題点の解決策や別の手段の提示をしたほうがいいに決まっています。

本物であるために、実践せよ。正直であれ。これもとても大事です。

3.ブランドパーパスと顧客の悩みや想いを同期させる

3つ目は、具体的な伝え方の話です。いくら寄り添う姿勢やブランドパーパスが素晴らしくとも、それが届かなかったり、届いていても響かなければ意味がありません。TwitterウェビナーでTwitter nextの藤本氏がより具体的にブランドパーパスと顧客をどう同期させるのかを話していました。

・顧客は、助言や安心/情報をもとめてリーダーや企業に頼る
・ブランドに求めているのは新しい生活にどう役立つか/ブランドの努力を表明/安心感を与えてほしい

【Same Same,But Different】とTwitterとして言語化していましたが、社会や顧客のためにやることは常に一貫しているのだけど、顧客の変わっていく状況に合わせて助言や情報提供や努力といった形で伝え方を変えていくということです。

あれだけ面白い仕掛けをした近大世耕氏も「直感力、勢い、思いつきだけではない。一貫性と、継続性が必要。伝えようとしているメッセージ(パーパス)は変わらない」と話していました。

ターゲットの文脈に合わせてコミュニケーションの仕方を変える、これは【同期(シンクロ)】と表現するのがぴったりかと。

また、1で寄り添えとまとめていますが、ここで気をつけないといけないのは、何も顧客の欲しい情報のみを与える、顧客に忖度しろということではないということ。社会や顧客のために必要なら、説教したり怒ったりすることは、信念を見せることに違いありません。

悩みや想いとの同期。すごくいい言葉だと思いませんか?伝えたい、ばかり先に行ってしまい、意外とないがしろにされている視点です。

4.絆を深めるコミュニケーションを。出会いや縁をKPIにしよう

4つ目はコミュニケーションについてです。1~3にまとめたとおり、顧客やGoogleは単純にコンテンツの中身を見るだけではなく、コンテンツの背景情報、どんなふうに社会に貢献しているのか、それは正直なのかを見ています。

ウェブライダー松尾氏は、これをエンゲージメントライティングで実現しています。なかなか検索で上位表示しなかったコンテンツの露出をカミムラナナさんにTwitter運用をお願いしたところ、SNS上で拡散しただけでなく、上位表示を開始したというエピソードです。エンゲージメントライティングは色々な要素がありますが重要な点を取り出すと

・自分の視点で他の人の良い面ことを発掘し、自分の言葉で発信する。
・強い言葉を使わない。人にやさしく温かみのある運用
・自分が携わっているコンテンツを紹介するときはプロセスや思いを伝える

という感じ。これだけでも知見が満載ですよね。また、JaM Japan Marketing大柴ひさみ氏はこう語ります。

日本はマーケティングの誤解が多い。ブランドファンを増やすことが結果的に一人一人がマーケターになってくれることを理解する。

PVを増やす、フォロワーを増やす、エンゲージメントを増やすということがゴールになってはいけません。閲覧者やフォロワーの中で、ブランドや商品を愛してくれ、言及してくれるファン=マーケターを増やすことが重要。

個人生存戦略としてのSNS徹底活用術(DMCxマケスタ)でも、以下の言葉が印象的でした。

【出会い繋がりをKPIに】フォロワー数や表示数は別に何も生まない

我々はこういう時代、SNS上でどういうコミュニケーションをとるべきか、もしくはSNS上でどういう話がされているのかということに目が行きがちです。しかし、今だからこそ、正直に背景情報をしっかり伝えて絆を深める、徹底的に顧客に向き合うコミュニケーションに力を注ぐべきです。

KPIは絆が測れる指標も必ず入れること。

5.時代の変化スピードに合わせて決断と実践もスピーディーに

最後に、タイミングの話です。近畿大学の世耕氏は以下のように語りました。

先のことを考えずに瞬間瞬間に決めることが必要。物事が決まったら即座に決められる体制だけは作っておく。例えば近大は、今回Slackで色々な意思決定をした。

近大さんはとにかく一番乗りに様々な時代に合わせた転換やPRを実施してきました。

ポカリスエットのポカリNEO 合唱は4/10くらいには流れていました。2月の後半にコンテンツを切り替えた先読みと、最終的な成果のずれのなさがすごいと評価されています。

SanSanさんの高速アプローチもまさにこれです。

ここで大事なのは、とにかく決断と実践のスピードを速めるということ。自分で主催した83,84,85年代のはざま世代を集めたセミナーで、石川氏が

普遍的に必要なものは「タイミングの見極め」だけで、大前提として必ず「元に戻る」から共感力とビジネス力が重要

と話しています。

顧客が困っているのは「今」です。今言わないといけないのに、社内で決定するのに時間がかかりすぎて機を逃すというのは本末転倒。

スピードと言っているのは速さを競うわけでは無いです。Right now、つまり顧客が困っているときにタイミングよく届けていくことが必要です。

まとめ

最後に、1~5を改めてまとめてみます。

ブランドの信念・目的を時代に合わせて再定義しよう。そして、顧客が悩んでいたり考えていることに対してはすぐ実践・正直に話そう。KPIは「絆」。

このnoteは、きっと皆さんの指針となる部分が少しはあると思います。私のここ2か月のすべての知識と経験をMAXで書きましたので、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。

それでは、んちゃ。

この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?