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キッチンカー製作時に気になる、販売窓口の大きさは、売上に影響は及ぼさない理由


フードトラック

僕たちが製作に関わってから、販売窓口をトラック荷台間口一杯に欲しいというオーナーの依頼がほぼ100%を占めています。

販売間口が広い方が売上につながると考えてのことだと思いますが、本当に販売間口の大きさ=売上高につながるのでしょうか?

僕たちが考えるのは、キッチンカーでの売上に直結するのは、商品としての魅力(ブランド力)と集客力(マーケティング力)、最後に回転率以外にないということです。

この部分を向上させるために必要なのは、販売窓口を大きくすることではありません。
大切なのは、マーケティング力を磨き、商品開発に力を入れ、回転率を向上させるための施策をしっかりと計画することです。

キッチンカーの開口

売上を左右するのは香りと視覚情報

イベント出店時でも必ず集客は頭を悩ます部分となります。ここで注意しなければいけないことが、たとえイベントで人が殺到しようが集客力がないと売上には繋がらないということです。

顧客を計画的に集められて初めてビジネスとして、キッチンカーを機能させることが可能となります。

キッチンカーでのビジネスの場合、集客方法は視覚情報と嗅覚情報によって、人間の3大欲求である「食欲」を上手く刺激することで集客力は向上します。

なぜ販売窓口を大きくしたくなるのか。

販売窓口が大きいからという理由で、顧客の購買欲が掻き立てられることはまずありません。

間口から炎などが噴き出るような中華的な演出ができるなら別ですがまあ危ないですね。

香りの情報

戦略的に香りをどう演出できるかは、集客に多大な影響を与えます。
考えてみてください。

にんにくの香ばしい香りが当たり一面に伝われば、自ずと顧客の視線は香りを辿り発生源を突き止めようと必死になります。

香りはキッチンカーでの集客ウエイトは非常重く、集客装置として役割を十分に果たす秘策となります。
販売間口が大きい方が香りがたくさん出るのでは?と考えることもできますが、換気扇からの強制排気の方がより攻撃的に香りを演出することができるのですね。

こういった場合でもできる限り開口部を小さくし、換気扇の能力を最大限に引き出す必要があります。
なぜかというと、換気能力は機密性に比例するからです。

住宅業界では住宅の機密性を高め、計画的に換気をできる状態にすることで、住環境が整います。計画的に換気をするには機密性が必要なのです。

はっきりいってここまではできませんが、開口部(販売窓口)を小さくし、換気扇をうまく利用した方が香りはより遠くまで強制的に発生させることができます。

視覚情報

視覚情報は飲食業界に限らず、とても重要なマーケティング要素を備えています。

例えば、イベントで小腹が空いたので何かを購入したいと考えた時、どんなキッチンカーがあるのかを確認します。

香りの方向を辿ったり、視覚に飛び込んでくる情報を見ますよね。
宣材写真、タペストリー情報、トラックのカラー、デザイン性…..

検索モードに入った顧客の脳内は、商品情報、単価情報などを無意識に確認していきます。

あそこのお店にはホットドックが350円
あそこの店はラーメンが800円

無意識に判断を下し、脳内で今日の昼ごはんのリサーチをし始め、自分の好みに合ったものを購入します。

重要なのは、価格帯や何を売っているのかが一目でわかることです。

この一目見て顧客側が認識できる。この状態を構築しているから、お昼ご飯に選ばれるハードル下げることに繋がります。

購入に一歩近づくわけです。

キッチンカーのような顧客が流れていくビジネス形態では、商品は何を売っていて、その商品は一体いくらなのか、そしてそれはどういった風に食べれるのかを一目でわかる必要があります。

また、顧客は購入に対してのストレスを嫌います。これも無意識に判断しています。

ほんの少しのストレスが、購入意欲を引き下げることを、販売側が認識していない場合が多すぎるのです。

写真による訴求効果

宣材写真の効果は計り知れません。

なぜ写真を車いっぱいに載せないのでしょうか。
写真による訴求効果は、イラストや文字で表現するよりも大きいことは、マーケティング上では定説となっています。

写真だけで何を提供でき、どんな風に食べるのかを表現できていれば、顧客はストレスなく購入行動に移行できます。

大切なのは購入に対してのストレスになるであろう障害を取り除いていくことです。

多くのキッチンカーがデザイン性を求め始めていますが、何より大切なのは、顧客が何をどうすればストレスなく、あなたの提供する商品に辿り着けるか。
顧客起点で考えることではないしょうか。

幹線道路沿いの唐揚げ店

僕が知っているからあげ弁当店は、販売窓口が幅1m程度、開口高さ900mm程度で売上を伸ばしています。幹線道路沿いでの定着をあえて選択しています。

定着している場所が幹線道路沿いということでトラックが多く、購買のための転回場所の確保もできています。

そうなると重要なのは、販売間口の大きさではなく、トラックや車が通るたびに目に入るようにする視覚情報としてのブランド認識です。

幹線道路沿いでの定着営業の場合、固定客が確保できるまでに時間を要します。
こういったケースではデザイン性より、何より大切なのは視覚情報です。

ここでは唐揚げ弁当がこの値段でこのボリュームで買える。ということをドライバーに認識させなければ購入には至りません。

販売窓口が大きいからといって売上が顕著に向上することはありません。

ですが、売上を向上させるために戦略的に回転率を上げるために販売窓口を大きくするなら話は別です。

集客効果を高める、あえて開口部を大きする例外的販売戦略


あえて開口部を大きくすることで集客効果が高まることはあります。

例えばです。

「肉」を売りにする場合、演出は重要な要素を含みます。肉がガラス越しに回転しながら焼き上がっていきます。すごく美味しそうですね。

焼きあがった肉は絶妙なローストビーフです。
秘伝のタレをかけられたローストビーフを山盛りパンに挟み提供完了です。

スライスなのでかさ張って山盛りに見える効果をうまく利用しています。
これも演出の一つですよね。

上記のお話は、僕が実際に見たキッチンカーでの演出です。
こういった演出をすると、顧客の認識価値は高くなり、プライシング(価格)に対しても付加価値が付与されます。(高い値段でも顧客の認識している価値が高いので売れます)

演出も重要だが、必要なの顧客起点に立つこと


顧客は「肉」が商品化されるプロセスにストーリーを感じ、欲を抑えきれなくなります。

例えば、スーパーの野菜売り場ではよく農家さん(出荷主)のブランドストーリーをパッケージに印字し、共感マーケティングが展開されています。

例えばです、「土にこだわった大根」なんていう大根が売っているとします。
大根の旨みは土で決まる。そのために私たちは土づくりから始めることにしました。試行錯誤の結果、今の土に2年かけてたどり着くことができました。

土にこだわった大根、本物の大根の旨みをぜひ味わってください。

簡単ではありますが、これがブランドストリーです。ストーリーがなく、ただ陳列されている野菜より、認識価値は上がり、購入欲が湧いてくる感じがします。

どんな味がするのか?煮込んだらどうなるんだろう?
ここに大根のレシピ集などを追加しておけば、さらに購買意欲に拍車をかけることにつながります。

上記のお肉の場合、この後どんなことが起きるのか。のワクワク感が次から次へと追加されていきます。このワクワクが顧客の想像を掻き立て、自分自身でストーリーを組み立てていきます。
この後は絶対にタレにちょっとだけつけるんじゃない?なんて具合にです。

商品づくりに参加しちゃうのです。

逆に、その期待を大きく裏切るのも戦略ですよね。

このように演出を「狙って商品の一部として組み込む」ことでブランド価値は向上していきます。

ただ、誤解しているのが調理風景を見せたいという「願望」です。
願望は演出をのような効果を生み出せません。

顧客がどうすれば購入に至るのか顧客起点に立っていなからです。
ただ、こういった願望を抱いているキッチンカーオーナーが多いのが現実です。

顧客は価格と、何を売っているのか、どんな風に食べるのかを主体に購入先を選別していきます。

演出にこだわるのも重要ですが、このビジネス形態で成否を分けるのは、集客力と回転率だということを、忘れてはいけません。

間口の大きさによる回転率


  1. 何を提供しているのか。

  2. 価格はいくらなのか。

  3. どうやって食べるのか。

何度も言いますが、こういった情報を一目見て認識できることが重要なことです。
その結果、顧客はストレスなくあなたのお店で商品を購入します。

このフローが出来上がると次に回転率が求められます。
商品回転は、シンプルな提供商品、シンプルな提供までのプロセス管理などが求められます。

販売窓口が大きい場合、間口いっぱいに顧客がばらけますが、提供する間口が狭ければ顧客のばらけは改善されます。

開口部が大きいから回転率が上がると考えてはいけません。
提供するスタイルをよく考えて、提供するプロセスを管理することで回転率は向上するのです。

今回は、キッチンカーの制作段階でよくある、開口部の大きさが売上に直結はしないよ。
大切なのは、顧客の購入時のストレスをいかに取り払うかが大切なことだ。
ということを書いてきました。
キッチンカー市場でビジネスは参入障壁が低く(補助金活用等での低資本で開業可能なことなど)新規参入が非常に用意にできてしまいます。

ですが、その分廃業率も高くなっているのが現状です。
いかに、集客力を高め、ブランド認知を向上させ、ストレスなく購入というコンバージョンを手に入れるのかを、しっかりと計画することが大切なことです。

FIVE DESIGNSではあなたの戦略に合ったキッチンカー制作や、開業支援、マーケティング支援、ブランディング支援を行っています。

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