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6月21日(金):町内会費のアプリ決済で考えること

先般の日経新聞には「PayPay、町内会費集金に対応 高齢者の需要開拓へ」と題した記事がありましたので、本日はこれに関連した話を少しばかり。

記事の見出しにある通り、スマートフォン決済大手のPayPayは町内会費の集金の際に、自社の決済サービスを利用できるようにして、全国に約30万あるとされる自治会・町内会の需要を取り込みたい意向です。

現在のPayPay利用者は6400万人超とされており、今後は町内会での活用を通じて高齢者層にもスマホ決済の利用拡大を図る形ですね。

自治会費については私の住む自治会もそうですが、現状だと各家庭を回って現金で町内会費の集金をするのが一般的だと思います。

これをアプリ経由での支払いにすることで集金のための時間や負担を軽減できるほか、集金率の向上につながると目されています。

アプリの利用者拡大というビジネスにおける成長、機会の創出、顧客創造の観点では、先のように利便性向上をうたってアプローチをしていくのは妥当です。

一方で自治会の性質に目を向けると、利便性だけを重視すれば良いものとも限りません。

家族が自治会の組長や班長などをしている様子を見聞きするなか、自治会費の集金や回覧板などは隣三軒両隣よりもう少し広い範囲の方々とのコミュニケーションや高齢世帯、独居世帯の見守りの機能を担っている面もあるからです。

PayPayはこれまでに様々な自治体と契約を結んで住民税や自動車税などをスマホ決済で支払えるようにしていますが、これら個人における税金の支払いとは少し性質が異なります。

税金は誰しもが仕方なく支払う類で、そこに支払者と受け取り手の間に固有の関係性は存在しない作業的な行為なので、簡素化できるならそれに越したことはありません。

利便性を高めるのは悪いことではないですが、なんでもスマホやアプリで完結していくように集約すると、その分だけ確実に人を介する機会は減っていきます。

そこは別途、なんらかの形で補完していくものを考えないと、その先で別な問題につながっていくので決済の利便性だけではなく、それもセットで検討していくことが大事だろうと思います。

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