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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論763」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第32号(2007.9.25発行)「減る入会者数、成長には優れたスタッフとソフト力が必須」4~※名称等は当時、一部文章省略

「企業トップ調査」
※調査に協力した70社のプロフィールは、単独店経営企業4割・チェーン店経営企業6割(うち店舗数1店4割、同2~9店4割、同10店以上2割)。
クラブのプロフィールはフィットネスクラブ業態166軒・スクール併設業態404軒・スクール業態214軒である。

・求められる、スタッフのサービス意識の向上
今後高まる消費者ニーズや業界への要請についての考えを聞いた問いでは、高い順に「スタッフのサービス意識の向上が求められる」「高齢者の対応に一層の配慮が求められる」「インストラクター、指導者のより高い専門性が求められる」「オペレーションなどソフト面・システム面の充実が求められる」が挙げられていた。
これらは前出の「経営課題として認識している項目」とラップしている。

・ニーズやトレンド反映した商品づくりを意識
今後の商品づくりについて意識していることを聞いた問いでは、回答企業の8割を越える40社から、「ソフト」に関する意見が出されていた。
特に各会員の個人的ニーズや社会的なトレンドに対応した商品づくり、プログラムに込められた商品コンセプトの提案といった内容が多く挙げられていた。
また、ターゲットやクラブコンセプト&ハードに関する内容も少なくなかった。
ターゲットでは「中高年」を意識している企業トップが多かった。
クラブコンセプト&ハードでは、「快適空間」や「地域密着」を意識している企業トップが多かった。

・目指すは、顧客価値と企業価値の向上
中長期の経営ビジョンを聞いた問いでは、ハード・ソフト両面でのサービス向上、顧客創造、顧客満足度向上などに関する回答が多く挙げられていた。
また、コンセプトの明確化や競争力の強化等による企業価値向上を挙げる企業トップも少なくなかった。
さらに経営目標を具体的に挙げる企業トップもいた。
例えば出店数や売上・利益率、新業態展開を含む多角化、ドミナント展開、指定管理者制度やPFIへの取り組みなどといった目標である。

・小型新業態に対策打つ企業も
女性専用サーキットトレーニングジムなどの小型新業態に対する認識は、「期待し歓迎する」という主旨の回答が最も多く、回答企業の約5割にあたる30社がこのような見解を示していた。
一方、「事業性自体に疑問」があるため「いずれ衰退する」業態であり、自社への「影響はない」という回答も一定の割合を占めた。
各社の対応策としては、総合クラブとしてのメリット、魅力を高めるためにプログラムの豊富さ、サービスレベルの高さ、スタッフの専門性の高さをさらに極めたり、類似形態のプログラムや業態に取り組んだりすることが挙げられていた。

~ここまで~

記事当時、大型総合クラブの経営にどっぷり浸かっていた身として、自戒も込め振り返りますと、各社トップが挙げられている項目は、どれももっともな回答と言えるものの、結果として多くの企業がそれらの課題を克服、目標達成できなかったから、パンデミック以降の状態があると考えるべきです。

この間に、スタッフサービスは果たして向上したのだろうか、各会員の個人的ニーズに応えらえるようになったのだろうか、コンセプトの明確化や競争力の強化は達成できたのだろうか等できるだけ客観的に評価をしてみると必ずしもそうとは言えないことを各社感じるはずです。

当時はアバター近藤も会員数・売上・利益において突出した成果を挙げることに執心しており(結果が出たことは良いことですが)、パンデミックのようなゲームチェンジに耐え得る思考は持っていなかったように思えます。

今でこそ小型クラブの本質的価値に気付き、軌道修正できておりますが、多くの企業トップがまだ過去の栄光にすがっている様子を見るにつけ、いよいよその厳しさは増していくと予想しております。

お読みいただきありがとうございました。

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