9月24日(火):「中年太り」の原因は・・・
先般の日経Goodayには「中年太り、原因は「代謝」にあらず 座りすぎやめ筋トレを」と題した記事がありましたので、本日はこれに関連した話を少しばかり。
同記事の冒頭で触れていたのが「20代半ばから60歳までの代謝はほとんど変化しない」という2021年に科学雑誌『サイエンス』で発表され、世界的に注目された研究結果です。(※60代以降は低下していく)
これまで「代謝(総代謝量)は、年齢とともに低下していく」というのが通説でしたが、中年太りの主たる原因はそこではなく、「ほんの少しの食べ過ぎ」「あまり動かない生活」「筋肉の質が劣化」「褐色脂肪細胞の減少」の4つの観点から説明がなされていました。
とりわけフォーカスをしていたのは「あまり動かない生活」で、具体的に次のような点があげられています。
・デスクワーク中心の仕事をしている30代男性の場合、1日の総エネルギー消費量は約2800キロカロリーだったところ、テレワークになって約2400キロカロリーまで低下しているとの研究報告がある
・豪シドニー大学が行った「世界20カ国における平日の総座位時間」調査(2002〜2004年にかけて20カ国、18〜65歳の成人4万9493人を対象に平日の座位時間に対して調べたもの)で、座位時間が最も長かったのは日本とサウジアラビアで、その平均値は1日当たり420分(7時間)だった
以前にもこちらのnoteの記事にアップをしたことがありますが、厚生労働省が策定した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、はじめて座位行動という概念が盛り込まれ、それを減らすように推奨し始めました。
こちらは機械化・自動化の進展や移動手段の発達など社会情勢が変化していることから、デスクワークや、座ったり寝転んだりした状態でテレビやスマートフォンを視聴する行為を「座位行動」として新たに設定した形です。
そのうえで「座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する」と明記し、「座りすぎを避け、今より少しでも多く身体を動かす」ことを示唆しました。
「座りすぎ」についてはWHO(世界保健機構)でも問題提起をしており、世界中で毎年約320万件の死亡を引き起こしていると指摘し、予防できる死亡原因の第4位にランク付けしています。
実際に座りすぎが身体へマイナス影響を及ぼすことを示す研究は数多く出ている通りですね。
また前述した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、単に身体を動かすだけではなく、「筋力トレーニング」の推奨が明示されました。
筋トレをすると健康長寿に明らかなメリットがあるというエビデンスが蓄積された結果のアップデートなので、ウォーキングなどの有酸素運動も大切ですが、それに加えて筋力トレーニングをする習慣が大事になってきます。
40代や50代の中年太りは、その後の生活習慣病にも深く関係していくので、「座り過ぎのケア」と「筋トレ」で中年太りを遠ざけるのが得策です。
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