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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論525」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第14号(2004.9.25発行)「売るべきサービス(商業アドバイザー小柳剛照)」2~※名称等は当時、一部文章省略

おからを売る

このように良心的な豆腐づくりを理念とする椿き家にも、解決のたいへん困難な課題がありました。
おからの処理です。
豆腐の元となる豆乳を製造する際、大量のおからが発生します。
かつてはおからは多くの家庭で利用されていましたが、食生活が豊かになるにしたがい、食感が悪いために、消費量は激減。
その結果、おからは無用の長物になり、最悪の場合、産業廃棄物として処理される、豆腐メーカーのお荷物になっていました。

でも、消費者が見向きもしなくなったおからも、元は大豆です。
貴重な食糧をムダにするのは、良心的な食品メーカーなら、企業理念に反するものです。
椿き家は、そこに豆腐にかける企業としての使命を感じ、1999年、本当に
おいしいおからづくりをスタートさせました。
大豆の種皮と芽の部分を取り除く。
子葉部分の繊維だけを取り出し、粒子を揃える。
そこに豆乳を加える。
こうして、ようやくおいしいおからは完成しました。

ただし、味をよくしたとしても、おからはそんなに大量に売れるものではありません。
手間暇をかけた分、余分な経費がかかってしまいます。
いわば、手間ばかりかかる、もうからない商品を作ったことになります。
でも顧客は、「こんなにおいしいおからを作るのだから、豆腐はすごくおいしいに決まっている。これならずっと安心してつきあっていける。」と思ってくれるでしょう。
つまりは信頼をぐんと高める、新しい手段を得たことになります。
それが、おからという「売るべき商品」づくりに挑戦した効果です。

サービスと読み替えると

そこで、商品力をサービスと読み替えて、売れているサービス、売れると思うサービス、売りたいサービス、そして売るべきサービスを考えてみてはどうでしょう。
その視点での分析が、すぐれたプログラムづくりにも役立つのではないでしょうか。
特に、未来に向かっての展望を切り開こうと考えるなら、「売るべきサービス」の構築が、差異化を図る上でのオンリーワン戦略になりそうです。

~ここまで~

前回の「売りたい商品」に続く、「売るべき商品」の観点もとても首肯できます。

当社クラブでは、真の健康を促すために、サプリメント販売も行っていますが、扱っているプロテインなどの商品は必ずしも飲みやすくはなっておりませんし、金額的にも安い商品はそれこそドラッグストアにたくさんあります。

ただ、当社のポリシーとして添加物をできるだけ使っていないもの、精製過程で不純物が入りにくいものなど安全性・効果性を重視したサプリメントに限定するという考えがありますので、それに則った結果、上記のラインナップになったということです。

お客様の中には、味が苦手で購入されなかったり、金額面で見向きもしない方も一定数いらっしゃるでしょうが、全体としては「本当に健康のことを考えているクラブ」だという信用を得ることで、小型クラブとしては異例の販売額に繋がっているように思えます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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