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1月26日(金):パワハラ防止のための確認事項③

現在は労働施策総合推進法(通称、パワハラ防止法)の改正によって現在は中小企業にも組織内でパワーハラスメントの防止、対応に向けた整備が義務付けられています。

そこで先日からは確認をかねてポイントを整理しており、一昨日はパワハラの定義に、昨日は6つの行為類型に触れました。

このようにパワハラのNGゾーンなどが示されると、パワハラだと懸念を示されることがないように部下スタッフへの指導や指摘を控えたくなる上司、先輩社員も少なくないはずです。

でも人材育成においては指導と成長は表裏一体なところがあります。

パワハラにならないようにと指導や指摘を控えれば、そこに足を突っ込んでしまうリスクもありませんが、一方で部下スタッフの成長余力も乏しくなってしまいます。

関連して最近では若手社員に対する指導が緩すぎて、若手社員が「ここでは成長できない」と感じる企業もまた「ゆるブラック」と捉えられてしまう面もありますからね。

そのためパワハラの定義などを正しく理解したうえでグレーになることを怖がらず、必要な指導や指摘を行い、その後のフォローを怠らないことが大事になってくると思います。

なおパワハラについては明確な線引きができないグレーゾーンが必ず生じます。

なぜグレーゾーンができるのかといえば、パワハラ定義の3要件のうち、第2要件の「業務の適正な範囲」と、第3要件の判断基準である平均的労働者の感じ方の2つが抽象的な表現であるからです。

それだけに業務の指示や指導、指摘をする際には①業務上の必要性と業務の量と質、②言動の態様(指示・指導の仕方)に注意を払う必要があります。

とりわけ指摘をする際には以下の「叱り方5原則」に気をつけると良いでしょう。

・叱責の原因である事実に間違いはないか

・叱責の原因に対する弁明を聞いているか

・叱責の態様に行き過ぎはないか

・叱責が社員間の公平性を欠いていないか

・叱責がペナルティを伴うときに過大になっていないか

パワハラに足を突っ込むことなく、適切な指導によって部下スタッフの成長につなげていく、そんな人材育成が求められています。

なお、こうした点は企業組織だけに限ったことではありません。

昨今はスポーツ現場における指導でも、プロ、アマチュアを問わずにパワハラ事例が生じているし、教育現場でも耳を疑うような行為、言動が起きています。

そうした点をふまえれば、指導する側の立場にある人は誰であっても、パワハラやコンプライアンスへの理解をアップデートしていくことが肝要だと思います。

明日も関連の内容を続ける予定です。

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