12月27日(水):アスリート部門受賞の「スポーツを止めるな『1252プロジェクト』」
昨日はスポーツの力を活用して社会貢献活動を行うアスリートやチーム、企業を表彰する「HEROs AWARD 2023」のことを取り上げましたが、本日もこれに関連した話をもう少しばかり。
HEROs AWARDには企業部門、スポーツ団体部門、アーティスト部門、アスリート部門など複数の部門が設けられています。
いずれの受賞者も意義ある取り組みをされていますが、とりわけ活動の趣旨として今までになかったものが、アスリート部門の受賞者の一人である伊藤華英さんの「スポーツを止めるな『1252プロジェクト』」です。
ご存知の方も多いでしょうが、伊藤さんは背泳ぎや自由形でオリンピックに出場されていたスイマーです。
そんな伊藤さんが現在進行形で取り組んでいる「1252プロジェクト」では、これまでほとんどメディアや対外的には語られてこなかった女性アスリートの生理のことに真正面から切り込んでいます。
プロジェクト名になっている「1252」の数字は年間52週間のなかで、女性は計12週間にわたって生理の期間があることを表したものです。
伊藤さん自身も現役時代には生理による体調の変化、それによるパフォーマンスの変化、大事な大会に向けた調整で悩んだといいます。
ただ、それについて「誰に聞いていいのかわからない」、「そうしたことを相談していいのかもわからない」とのことでした。
そのような点は伊藤さんだけに限ったことではなく、本プロジェクトに協力していた各競技のトップで活躍した女性アスリートも自身の同様な経験などを語っていました。
そのため生理のことを必要以上にタブー視したり、曖昧な理解のまま単に我慢をするのではなく、コンディショニングの観点で生理をとらえ、身体のことを正しく知ることでパフォーマンスが上げていけるように、との趣旨です。
このプロジェクトでは主にスポーツをする女子学生を支援する目的で起ち上げられ、学生や指導者に正しい理解をしてもらうための出張講座などを重ねています。
それらを通じてまずは本人が生理への理解を深め、そして指導者や親、またスポーツ現場以外では上司といった大人たちがそのことへの理解を深めていくことが大事だと語られていました。
いつまでもタブー視したり、難しいと言っているだけでは変わらない、との想いから自身の経験をオープンに語り、種々の取り組みを進めている様は本当に勇気ある姿に映りますし、それを通じて勇気をもらった女性アスリートも多いことでしょう。
HEROs AWARDがなければ、こうした意義ある取り組みを知る機会もなかったと思うので、やはり取り組みが正当に評価され、そして発信される場があるのは大事なことだと感じました。
今後もHEROs AWARDを媒介にして、スポーツと社会課題の解決が結びついていけば良いなと思った次第です。
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