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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論692」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第24号(2006.5.25発行)「米国のクラブ業界の最新トレンド」4~※名称等は当時、一部文章省略

その他:パーソナルトレーニングビジネスがより精緻に

フィットネスチーフの職務要件が変化
米国の先進クラブでは、もはやフィットネスの知識や指導力だけではフィットネスチーフにはなれない。
今後はクラブ内でのパーソナルトレーニングの運営で利益を確保できるビジネススキルや力がなければならなくなってきている。
米国でパーソナルトレーニングのビジネスが隆盛してから数年が経ち、先進クラブではその運営手法がより精緻になってきている。
こうしたクラブでは全会員の2割が定期的にパーソナルトレーニングを利用することを目標に置き、マネジメントやセールスの方法も進化させてきている。

マネジメントに関しては、以前はフィットネスディレクターとは別に、パーソナルトレーニングを専門でマネジメントする「パーソナルトレーニングマネジャー」といった職務を置き、パーソナルトレーニング部門の運営を任せてその売上や利益によりインセンティブが付くといった仕組みを置くクラブも少なくなかった。
だが現在では、利益率やその他の部門との連繋を考え、フィットネスディレクターがパーソナルトレーニングマネジャーの役割を兼任する形で運営される場合が多くなってきている。
また、組織的にも米国では収益部門と定着部門で組織を分けるところが多いが、フィットネスディレクターは、収益部門に位置付けられるようになり、月々の目標設定と達成のための運営管理が入会促進のセールスと同様の手法で行われるようになってきている。

パーソナルトレーナーの専属フルタイムスタッフ化
パーソナルトレーナーには資格や高い専門性が求められるため、クラブはフリーで活動しているトレーナーと契約を結び、指導を提供した時間に対して報酬を支払うという方法でパーソナルトレーニングを提供するクラブ多かった。
この場合、メンバーのニーズに応えるために、数多くのトレーナーと契約することになり、多いクラブでは50名にも上るトレーナーと契約するケースも出てきていた。

ところが、この方法の場合、パーソナルトレーニングビジネスの拡大に応じてトレーナーの管理や予約の管理も煩雑になり、各トレーナーとクラブのビジョンや目標を共有することが難しくなる。
また、そのオペレーションに掛かる手間で利益率が削がれることになる。
そこで近年は、一定時間以上、自クラブでセッションを提供しているトレーナーには福利厚生を提供したり、手厚い研修の機会を提供するなどの契約を用意して、パーソナルトレーナーをフルタイムスタッフとして雇用するクラブが増えている。
パーソナルトレーナーをフルタイム化して、1人のトレーナーにより多い時間数、自クラブで働いて貰うことにより、従来50名のトレーナーで上げていた売り上げを30名程度のトレーナーで出せるようになる。
クラブにとっては管理の手間が省けることで利益率が高まり、また、トレーナーにもクラブに対するロイヤリティを持って貰えるようになるため、生産性が高まるというメリットがある。
トレーナーにとっても1つのクラブで連続してセッションが提供できることで、より効率的に仕事ができることになる。

クラブによっては、トレーナーのクラブへのロイヤリティを高めるため、予約が入っていない時間帯にジムフロアでジムスタッフと同等の仕事をする場合は時給を出したり、その中でパッケージでのパーソナルトレーニングセッションを販売すれば、その額に応じたインセンティブを提供するなどの仕組みを取るところもある。
パーソナルトレーナーはセッションを提供することでも、セッションを売ることでも歩合給が得られることから、自身のセールス力を高めようというモチベーションが働くことになる。
これがさらにパーソナルトレーニングの売上を高めることに繋がっている。

パーソナルトレーニングとグループエクササイズの融合
パーソナルトレーニングの売上がクラブの収益源として存在感を増す中、これまでコストセンターとなっていたグループエクササイズにも、マネジメントの触手が伸び始めている。
グループエクササイズのインストラクターは多くのお客様との接点を持っているため、それをパーソナルトレーニングの販促にも活かそうとしている。
具体的には、ピラティスのインストラクターにセミパーソナルのクラスを有料で提供して貰ったり、グループエクササイズのインストラクターに、パーソナルトレーニングと組み合わせた有料プログラムの講座の一部を担当して貰ったり、グループエクササイズのインストラクターがパーソナルトレーナーとしても働けるようになるサポートをするなどの動きが見られる。

~ここまで~

日本国内においても、ここ数年でパーソナルトレーニングが一般化してきた印象をアバター近藤は持っております。
それはパーソナルトレーニングジムのチェーン展開や個人レベルでの起業、24Hジム内での提供、あるいはパンデミックの環境に適応したオンラインサービスなど様々な方法で広がってきています。

当社は基本的に極力、正社員主義を採っておりますので、記事のような契約形態を採用することはあまり考えられませんが、日本でもパーソナルトレーニングが盛んになればなるほど、雇用と契約に関わる諸問題は多くなること必然ですので、それぞれがポリシーを持って組織的に構築していく必要性は高まるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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