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5月26日(木):「不便益」による顧客創造②

昨日は日経ビジネスの特集記事から「不便益」による顧客創造について記しましたが、本日もその続きをもう少しばかり。

不便益はそこでも触れたように不便によって得られる益を指すものですが、それを顧客創造に活かすために京都先端科学大の川上教授と博報堂は共同で企業向けのスキームを開発したようです。

前述の特集記事ではその一端として益の出やすい不便と、その不便から得られる益をそれぞれ7つに類型化したものが明示されていました。

参考までにこれらのフレームを持っておくのは悪くないと思いますね。

「益の出やすい不便」
・操作数を多くせよ

・操作量を多くせよ

・情報減らせ

・限定せよ

・劣化させよ

・無秩序にせよ

・アナログにせよ

「不便から得られる益」
・やる気が湧く

・安心できる、信頼できる

・自分を肯定できる

・俺だけ感がある

・私に合う

・嬉しい

・楽しい

ざっとこんな感じですね。

少し補足をすると昨日に取り上げたピーチ(LCC)の「ペア旅くじ」のガチャであれば、行き先が決められたクーポンだから「限定せよ」の不便や、何がでるか分からない点からすれば「情報を減らせ」の要素を含んでおり、その結果としての「楽しい」要素が付加された形と見て取ることができます。

また、あえて家でのひと手間の調理が必要な食品を開発してのヒット商品では、「操作数を多くせよ」「操作量を多くせよ」の不便によって、出来合いのものを買うよりも「自分を肯定できる」や「嬉しい」といったプラスを生み出すものになっているでしょうか。

一般的には利便性を向上させることでネックを解消して顧客創造につなげていますが、あえてそれと逆行するように何かを限定したり、減らしたり、増やしたり、といった「不便」の側へのアプローチも顧客創造になりえるので、先のようなフレームをもっておくのもひとつだと思います。


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