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12月10日(土):惨状の根っこにあるのは組織のカルチャー

最近のニュースで連日のように報じられている事柄のひとつに静岡県裾野市の保育園で起きた園児への虐待事件があります。

直接的に関与した保育士3名は暴行の疑いで逮捕に至り、全容の把握に向けては現在進行形での取り調べに委ねられますが、現状で表に出てきている事柄を聞いただけでも、その惨状は耳を疑うようなものばかりです。

普通に考えれば「ありえない」と思うような事柄が実際に起きてしまった問題性に加え、今回のケースの異常性はそこに複数人が関与して常態化していたことだと感じます。

直接的に問題行為をしていた当事者はもちろんですが、そうしたことが行われているのを知りながら、見て見ぬふりをしてしまった周囲の保育士を含め、組織全体でまったく自浄作用が働かない点も常態化やエスカレートをさせた要因でしょう。

そのような状況を招いてしまった要因を一言で表現すれば組織のカルチャーだと思っています。

企業文化や組織のカルチャーの重要性はこのnoteでも繰り返し触れてきたし、私は自社内でも全員が集まる場では必ずと言ってよいほどそこに言及します。

なぜなら、人は自分が身を置く環境によって必ず左右される面があるからです。

そこに流れているカルチャーは本人が好むと好まざるとにかかわらず、組織に属する全員に対して大なり小なり何らかの影響を及ぼします。

それが良いカルチャーであれば全員に対してプラスの作用をもたらすし、反対に悪しきカルチャーであればマイナスの影響が広がるのは不可避です。

今回の保育園でのケースは残念ながら悪しきカルチャーの代表例のようなものです。

職業倫理の欠落、心理的安全性の欠如、マネジメント不在、組織内のコミュニケーション不備など、問題点は枚挙に暇がありません。

こうしたカルチャーが支配するなかに身を置いていると、社会一般からは逸脱したような行為が行われていても、これらをおかしいとも感じなくなったり、それを指摘することすら憚られる空気感に覆われてしまいます。

これがカルチャーの性質であり、空気の怖さでもあります。

ただ、こうした悪しきカルチャーも決して一夜でそれが出来上がったわけではないはずです。

それまでの様々な積み重ねによってカルチャーが蝕まれてしまったのであって、もっと早いタイミングで適切に対応をしていればこうはなっていなかったと思います。

「組織風土の病は『死に至る病』である」というのは遠藤功さんの著書「『カルチャー』を経営のど真ん中に据える」に出てくる言葉です。

悪しきカルチャーが蔓延してからでは手遅れなので、日頃から良いカルチャーを築くことに力を注ぐ必要性を再確認できました。

明日も関連の話題を続けます。


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