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3月4日(土):脳には「環境富化」の生活習慣を!

昨日は運動が脳にもたらす効用の話で「BDNF(脳由来神経栄養因子)」を中心にして、記憶や認知が向上していくメカニズムに触れました。

本日はこれに関した補足をもう少しだけ。

年齢を重ねていくとBDNFをはじめ、IGF-1(インスリン様成長因子)、VEGF(血管内皮成長因子)、FGF-2(繊維芽細胞成長因子)の成長因子の生産量も次第に減り、それに伴ってニューロン新生も少なくなります。

でも運動によってこれらを増やすことができるから、運動はやらないよりもやったほうが良いという程度ではなく、やらないと勿体ないというほうが適切な気がしますね。

ただ運動することでBDNFと3つの成長因子の生産量が増えますが、それだけで記憶などが勝手に向上していくわけではありません。

もし、そうであるならいつも長距離を走っているランナーはみんな博覧強記になっていてもおかしくないですから。

運動とあわせて必要な事柄は新しい経験としての感覚刺激や社会的刺激です。

BDNFは情報を取り込み、処理し、結び付けて、記憶し、つながりをもたせることに寄与しますが、そもそもの取り込むべき情報を欠いていては、記憶されるものも増えてはいきません。

この領域では「環境富化(環境負荷ではない)」との表現が用いられますが学習、運動、社会との接触という環境の刺激に富んだ状況が脳にとっては最適である点が示唆されています。

子どもであれば文武両道が望ましいし、大人も仕事と運動、あるいは趣味と運動などの両面を持ちながら、人とのつながりのなかで生活をしていくのが良いでしょうね。

コロナの制限解除とともに運動とあわせた「環境富化」の生活習慣を推奨します。

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