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4月16日(火):サービスは終わりなき改善の積み重ね

このところは私がカフェで遭遇した店舗内の状況をもとにサービスマネジメント、顧客体験に関連したことを記していますが、本日あたりで一区切りの予定です。

事の経緯は一昨日のnoteに記した通りですが、サービスのマネジメントとして基本的な対応ができていないがゆえ、たった1人のマナーの悪い利用者のために場が不穏、不快になってしまいました。

これに付随して書籍「顧客体験の教科書」(ジョン・グッドマン著)を取り上げながら、顧客が期待をしているのは「感動」ではなく、「当たり前のこと」である点に言及し、昨日は「CXをつくる4つの視点」に触れました。

本日は、この事象をサービスマーケティングの視点から捉えてみようと思います。

サービスマーケティングの8Pは以下の通りです。

1、サービスプロダクト
2、場所と時間
3、価格とその他コスト
4、プロモーションと教育
5、サービスプロセス
6、物理的環境
7、人
8、生産性とサービス品質

このなかで今回のケースで深く関与しているのは「3」や「5」、そして「6」、「8」といったところでしょうか。

「3」の「価格とその他コスト」でのポイントはサービス利用者にとっての総コストを考える点で、顧客はサービスを受けるにあたって料金以外のコストも負担しているからです。

その他コストの例としては以下のような要素があげられます。

・時間的コスト(待ち時間、受付時間)
・身体的コスト(疲労、煩雑な操作など)
・心理的コスト(不満、苦痛)
・感覚的コスト(うるさい、臭い、寒暖など)
・必要な追加サービスのコスト(時間延長、サポートなど)
・問題解決のコスト(トラブル対応)

今回のケースなら騒がしさからくる「感覚的コスト」、それによって不快、不満が募ることでの「心理的コスト」、そして店舗スタッフが適切に対応しないがゆえに他の利用者が注意をするように申し出なければならなかった「問題解決コスト」などが発生していたことになります。

続く「5」の「サービスプロセス」の観点では、利用者はサービスを享受するにあたり、店舗内の共有空間において一定の時間を過ごすことでそれを得ます。

最終的に利用者が得られた結果はもちろんのこと、その過程であるプロセスもまた満足度を左右する要因で、結果と過程が等価的価値を持つのがサービスの特性であり、難しさでもあります。

関連して「6」の物理的環境は利用者がサービスを受ける環境を指し、五感を通じて与えられる要素を整えることが求められます。

とりわけ昨日に触れた「衛生要因」を損なう点があれば利用者の不満足が生じるため、それをケアすることが必要です。

そして「8」の「生産性とサービス品質」については昨日に触れた「CXをつくる4つの視点」の実践や、利用者の満足度の見える化などを図り、サービス品質を継続的に向上させることがポイントになります。

こうやって見ていくとサービスとは実に多岐に渡るものが密接に関係しあっているから、本当に難しいものだなと感じますね。

加えて一時的に良い状態にサービスを改善しても、それがモノのように安定して保たれるわけではなく、良い状態を保つためには絶えず注意を払いながらマネジメントを続けるしかありません。

その意味でサービスに終わりはないので、私たちもサービス事業者として絶えざる改善を重ねていかなければと思っています。

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