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2月6日(日):ファンベースの前に気をつけること

昨日は今週号の日経ビジネスでの特集「ファンづくりの極意」から、記事内で触れていた「ファンベースマーケティング」や「いま、ファンを大切にしなければならない4つの理由」について記しました。

そこで触れているものはいずれも的を射て大切だと思う一方、ここで陥りがちなのが目的と手段の倒錯だと思っています。

以前のブログではジム・コリンズ氏のインタビュー記事をもとにパーパスと利益の関係について記したことがありましたが、そこに通じる話です。


ジム・コリンズ氏の提言は「パーパス実現のために利益があり、その逆ではない。」、「パーパスは利益を増やす手段だと思っているなら、大きな誤解だ」との指摘でした。

高収益企業はパーパスが明確になっている、だからそれにならってパーパスの策定を、といった論理展開ではパーパスが単なる手段になり下がり、お題目で終わってしまうパターンですね。

パーパスとは存在意義であり、果たしたいことでもあるから、本来的には企業やそこにいるリーダー、メンバーの内側から出てくるものです。

ファンベースに関しても、私はこれと同じことが言える気がします。

「多様化や成熟のなかで新規の顧客創造が難しくなるから」「既存顧客の維持より新規の顧客創造に要する費用のほうが5~10倍も高いから」「ファンは売上に寄与してくれるから」など、こうした数字の面からみて既存顧客にフォーカスしたほうが合理的だからそれをするべき、といった論理ではファンベースも上手く機能しないと思っています。

根底の部分で自分たちがお客様のことをどう捉えているのか、お客様との関係をどのように育んでいきたいのか、そういったことが本来は先にあるものだと考えてます。

そうした土台の部分での考え方、文化のないところには、残念ながら手法だけを持ち込んだところで、それが根付いていくことはないからです。

以前にも触れたように成功企業の研究や帰納的な考察、ベストプラクティスに学ぶアプローチからすると先のように考えたくなるのもわからないでもないですが、もっともらしく聞こえるアプローチにも落とし穴はあるから、そうした時ほど原点や本質に照らし合わせて考えるのが大事になります。

明日はこのような前提があってのフィットネスクラブにおける「ファンづくり」に触れたいと思います。



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