見出し画像

12月22日(木):生活習慣病と治療費のあれこれ

先般に日経ビジネスのオンライン版で「生活習慣病に高額の治療費は不要 ビッグデータが示す真実」と題した記事を目にしたので、本日はそれに関連した話を少しばかり。

同記事では医療DXや電子カルテの運用から話が始まり、その電子カルテの診療データを分析したなかで見えてきた事柄として、生活習慣病の治療費のことが挙げられていました。

具体的には2020年のデータの分析では同じ生活習慣病患者でも1日当たり医療費が高血圧症で4.7倍、糖尿病で5.3倍の差があるといいます。

また医療機関ごとの1日当たり医療費の違いを見ると、高血圧症で最大2.1倍、糖尿病で最大2.5倍の開きがあるようです。(※比較する病院間で通院する患者の年齢や症状の重さにほとんど違いはなし)

こうした医療費の違いを生む変数としては「高い薬を使うか、安い薬を使うか」「診療間隔が長いか、短いか」の2つで、比較的高価な薬を処方して次回の再受診を早く求める病院では医療費が高くなり、反対に薬の価格が安くて診療間隔が長くなれば医療費は安くなります。

その結果として生活習慣病の同程度の病状でも医療費が3~5倍もの開きになる、という話です。

医療費が高くなった分だけ症状の改善が進めばまだ救いもありますが、診療データの分析から見えてきたのは、それとは異なる現実です。

生活習慣病を対象にした値段の高い薬と安い薬の効き目、診療間隔の面で受診頻度が高い治療と低い治療を比較したところ、重篤な病気の起こりやすさとしての「生存時間分析」にはに違いは見られなかった、とのことです。

無論、個別には患者によって高い薬が妥当な場合もあるとの注釈はしつつも、全体のデータからは生活習慣病に高額の治療費は要らないことをビッグデータは物語っている、との示唆でした。

生活習慣病の病状を緩和・改善させるために薬が寄与する面もあるでしょうが、金額の多寡が効果効能と比例するわけではない点を知っておけば、ムダに高額を支払い続けることも避けられます。

もっとも生活習慣病はその名の通り、生活習慣そのものに起因をしているのだから、薬による状況の緩和や改善を図りながらも、根本的にすべきことは生活習慣の見直しに他なりません。

その意味でいえばもっとも安価な根本治療は望ましい健康習慣をつくることです。

私たちフィットネスクラブはそうした健康習慣を支える受け皿だから、前述したような医療費の現状もクラブへ通って頂くお客様に知ってもらいつつ、日常的に行っているトレーニングの必要性を改めて理解してもらえれば良いと思っています。


宜しければサポートお願い致します!