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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論809」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第37号(2008.7.25発行)「女性にターゲットしたフィットネスクラブ、続々誕生ーアラサー層の獲得を目指す」4~※名称等は当時、一部文章省略

アラサー層を獲得できる業態の開発

またアラサー層以上に20代の女性のハートを掴むことはさらに難しいかもしれない。
20代とアラサー層以上の間には、もしかすると想像以上の溝があるのかもしれない。
マーケティングライターのU氏は、その著書の中で、「ハピパラ世代」と呼ぶ20代女性と、30代女性の違いについて次のように語っている。
少し長いがU氏からの許可を頂いているので、引用して紹介しよう。
「一般に、30代女性はヨガスクールはアフター5の癒し空間ですとか岩盤浴で1時間ボーっとすると、嫌なことも忘れられるなど、ココロの癒しを口にする。だが、ハピパラ女性たちは違う。岩盤浴やホットヨガに求めるのはあくまでも癒しより痩せること。その効果がパッと見ですぐ実感できることを求めているのだ。最大の効果実感は汗。こんな声も多い。岩盤浴って、寝てるだけでいいし、超汗かきますよね。すっごく痩せた気がしてうれしい。つい調子に乗って、そのあと飲みに行っちゃったりするから、ヤバイんですけど(女26歳・生花店)。ホットヨガ、1回で2リットル汗かくんで、毒とか体脂肪とか、一気にダーッと出てくる感じ。ガンガン動くわけじゃなくてラクなのに、あの汗の量はハンパじゃないですよ(女24歳・フリーライター)。できるだけラクして、短時間でドッと汗をかきたい。ただし、ラクなら何でもいいとは言えない。例えば、静かなブームを呼んでいる高速振動(ブルブル)マシン。ハピパラ女性の間ではラクでいいと支持派がいる一方で、汗かかないから、効果があるのかよく分かんない(女23歳・フリーター)など、賛否が分かれる。振動という五感に訴えかける要素はあるが、やはり汗という目に見えないものがないだけに、効果実感を得にくいのだろう。とは言え、施設にあるブルブルの利用料金は、一般に10分間で500円程度。この値段は魅力的だ。岩盤浴(通常1回2000~4000円程度)に象徴されるように、実はここ数年、ハピパラ女性には値段もお手軽なものしか流行らない。ヨガもそうだ。30代女性は専門のスクールに週4日通うなど、1ヶ月に20000~30000円投じているケースも少なくないが、20代はやり方さえ覚えたら、あとはおうちでやれる(女28歳・スタイリスト)、ヨガマット4000円の出費は痛かったけど(女25歳・文具メーカー)といった具合。ある意味、実に合理的で賢い世代なのである。でも、そもそもハピパラは今が楽しければいいと考えるハッピー・パラサイトな人たち。ひと月の小遣いも決して少なくない。それなのになぜ、値段にシビアな一面があるのか。」

~ここまで~

記事で紹介されている世代は、現在アラフォーの方々となりますが、特にこの年代(1980年中盤前後生まれ)が、何か特徴的な括りで引き続き消費関連メディアで語られることはあるでしょうか。

個人的には、どの世代も最終的にライフステージにおける生活環境が影響していて、時代が変わってもそこに大きな違いはないのではと分析しております。
今とは流行ったものの違いで、異なる印象を感じるかもしれませんが、上記文章の「ヨガスクール」を「ピラティス」に、「岩盤浴」を「サウナ」に、「おうちヨガ」を「オンラインヨガ」に変えれば、最新の雑誌に載っていても違和感はありません。

また「合理的で賢い世代」「値段にシビアな一面」も「タイパ」「コスパ」に拘る現代の若者そのままです。
そう考えますと、やはり消費活動は経済的余裕・時間的余裕と密接にリンクしていることが本質であり、意図的・恣意的なラベルに振り回されないようにするのが、特に実需のフィットネス産業においては重要でないかと考えます。

お読みいただきありがとうございました。

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