「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論346」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第5号(2003.3.25発行)「新世界秩序ー世界のクラブマーケット」1~※名称等は当時、一部文章省略
オーストラリアから南アフリカまで、世界のクラブは新たな機会を求めて課題に挑戦し、世界のフィットネス業界を前進させている。
「クラブビジネスインターナショナル」はこのたび世界各国の業界リーダーに、それぞれの国での自身のビジネス、業界概況、将来的にビジネスを成長させ続けるための課題と機会などについて訊いた。
オーストラリアー女性専用クラブが非常な強さを見せる(D・W氏)
ファーンウッド・ヘルスクラブグループは1989年に創業し、13年間で国内最大のチェーン企業となりました。
1993年に積極的な店舗展開に乗り出し、大手チェーンになるべく、組織体制や商品を整えてきました。
これまで店舗展開に成功することができたのは、オリエンテーションサービスに強みを持っていたことが奏功したと感じています。
1998年以来、当社はオーストラリア国内の成長率トップ100社に入り続けており、現在も業績は拡大を続けています。
ファーンウッドは現在45クラブを持ち、さらに6店舗の出店が決まっています。
今年中旬には51店舗体制になる予定です。
施設概要は延床面積が112~562坪で、価格は高めに設定し、高級感のあるサービスを提供しています。
そのため高い利益率を得ることができています。
小さいクラブでも年間40万ドル(4,800万円)ほどの最終利益を上げています。
収益性は年々高まっていますが、これはビジネスモデルをより洗練させ、ファーンウッドブランドを強力にマーケティングし、常にベンチマークやスタッフ教育をし続けていることによるものだと思います。
会費収入以外にも、パーソナルトレーニングサービスやシンプルな減量プログラムなどのプロフィットセンターも好調です。
ファーンウッドは女性専用チェーンであることから、直接的に他クラブと競合することはありません。
ほとんどのクラブがただ同然の価格で男女共用クラブを運営しているため、その市場の中で、新たな選択肢を提供することができるのです。
最近、我々を真似たクラブも出てきていますが、そうしたクラブも我々の存在を引き立たせてくれるものになると感じています。
オーストラリアの人口は1,190万人で、人口は比較的散在しています。
主要都市では人口に対するクラブ数の比率が高まっており、こうした市場には多くのタイプのクラブが存在します。
小規模のパーソナルトレーニングスタジオから大規模の先進多目的施設まで様々です。
しかしながら、オーストラリアには10万人都市が少ししかないことから、ファーンウッドとしては、今後海外市場への進出も視野に入れ始めたところです。
~ここまで~
米国以外のフィットネス事情については、あまり触れる機会がなく、当時のオーストラリアのトップ企業の記事は興味深いものがあります。
まず女性専用の小型・中型高級クラブが、業界トップというのが意外でした。
人口密度が低い国で、もしクラブを造るとしたら、駐車場を多く備えた大型施設にして、広域から集客できるようなリーズナブルクラブを考えそうなものですが、そうではない路線でトップになれたことは特筆すべきものです。
日本でも始めからこの路線の企業が多く存在していたら、業界はどのようになっていただろうかと考えさせる記事だと思います。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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