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12月30日(金):「個別最適な学びと協働的な学び」①

休日モードとして本日も書籍の紹介をしていきます。

本日にピックアップするのは「個別最適な学びと協働的な学び」です。

こちらは「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して(答申)」で提起された、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実は、一考のカリキュラムの中でどのように実現可能なのか、といったことに触れています。

山形県天童市立天童中部小学校での実際に具現化してきた取り組みとその背景にある考え方を説明しているのですが、そこでの観点は小学校での学びだけに留まらず様々なカテゴリー、組織における学びにも参考になる点が多いでしょう。

私は小学校の教員ではなく企業の経営ですが個別最適と協働的な学びをどう共存・両立させるのかは、自分でもこのところ考えていたテーマだったところに、書籍の帯には「有能な学び手としての子どもの姿から突きつけられたのは、『教師は何のためにいるのか」という問いでした」との一文が非常に印象的で思わず購入した次第です。

少し話は飛びますが今シーズンで引退したサッカーの中村俊輔選手についてスポーツ誌「Number」の記事では、恩師である佐熊監督(当時、桐光学園監督)が当時を述懐するものがありました。

同監督は中村選手との出会いが、その後の指導者人生に大きく影響した点に言及していて「中村俊輔『以前』と『以後』」という表現で自身の変化を語っており、サッカー観や指導のスタンスなどが今につながっているとのことでした。

中村選手の深いサッカー観、取り組み姿勢、人間性に触れて、指導者として自分がどうあるべきなのかを考えさせられ、それ以前のような型にはめるような指導から、多様性や主体性を重んじる形を模索していったといいます。

学校教育、スポーツの現場でもそうであるように、私たち民間企業の人材育成の場においても、上司や指導者は何のためにいるのか、何ができるのかは問い続けるべきことだと思います。

そのなかで個別最適と協働的な学びを共存・両立させるためのヒントを求めたわけですが、いくつもの有益な示唆が得られました。

一方で小学校は自立性や多様性のもとで多くを学び、個々の可能性を広げることがゴールだと思いますが、私たちは企業組織で自社であればフィットネスクラブ運営をしているので、広げた可能性や個々の資質を用いて組織という枠組みのなかで結果を出していくまでがゴールになります。

単に個々のやりたいことや多様性だけを尊重するならフリーランスや趣味で事足りますが、それを顧客にとっての価値と結び付けて対価を得ることが前提になる企業活動では、個別最適だけではない全体性もまた必要です。

そこをどう考え、どのように形にしていくべきなのか、ですね。

本書から感じた具体論の部分は明日に続けようと思います。

「個別最適な学びと協働的な学び」
奈須 正裕 著
東洋館出版社


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