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12月20日(水):本日発売の認知症薬「レカネマブ」、知っておきたい副作用など

日本の製薬大手「エーザイ」がアメリカの「バイオジェン」と共同で開発した、認知症薬「レカネマブ」が12月20日から発売となるため、昨日はそれに関連したことに触れましたが、その続きをもう少しばかり。

昨日にも記したようにレカネマブは保険適用になったものの、投与の対象が限られており認知症を広くカバーするには至りません。

レカネマブはアルツハイマー病の原因物質「アミロイドβ」に直接働きかけ、それを取り除くための薬なので、認知症の中でもアルツハイマー病による認知症が対象です。

また認知症の程度によっても薬の投与対象が規定されており、「軽度認知障害」と「軽度の認知症」の方に限られます。

そのため諸々の条件を考慮したときに実質の対象になる方は認知症患者全体の1割未満と推定されています。

こうした投与の対象とあわせた注意点として理解をしておくべきなのが副作用です。

製薬会社の治験結果によれば、およそ10人に1人の割合で脳がむくんだ状態になったり、脳内でわずかな出血が起きる副作用が確認、指摘されています。

10人に1人という割合は小さくないですから、リスクの把握は不可欠でしょう。

そのようなリスクもあることから、副作用を早く見つけるために脳の画像診断などの検査ができる医療機関で治療が行われることになっており、対応できる医療機関は限られるといいます。

その他、レカネマブは点滴で投与する薬であるため、一度治療を始めると患者は2週間に1度、原則1年半の間、点滴を受ける必要が出てきます。

こういった患者側での通院の負担も大きく、リスクがあることや投与対象が限られることを考慮すると、現行の認知症薬が広がっていくのは限定的になりそうな気がします。

認知症への薬物療法は今回の新薬で歩を進めたところですが、それだけで今後の社会課題である認知症をケアしていくことは難しいので、セットで考えるべきは非薬物療法だろうと思います。

明日も関連の話を続けます。

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