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2月8日(木):良いチームは「弱さを隠さず協力し合う」

昨日は先週の日経ビジネスの特集「エンゲージメント崩壊」を取り上げながら、そこで触れられていた社員の力を引き出す3原則のことなどを記しましたが、本日も関連した話をもう少しばかり。

先ほどの3原則は「任せる(権限移譲)」「伝える(フィードバック)」「認め合う(心理的安全性)」で、いずれも社員個々に良いパフォーマンスを発揮してもらうためには大切なことだと思います。

昨日にも記載をしましたがドラッカーの著書「明日を支配するもの」では、「管理の力や賃金の魅力、能力競争によって社員を働かせる企業の時代はすでに終わった」との見解が今から25年ほど前に示されています。

そして「これからは社員が自らの自由な意志で喜びをもって働いていこうとする、より文化的な企業環境を生み出せる企業が伸びていく時代」である旨に触れていました。

自分たちの組織が現時点でそれらをすべて具現化できているかと問われれば、必ずしもそうではないでしょう。

ただ、それでも問題意識を持ちながら自分自身や企業文化をより良く変えていこうとする姿勢は持ち続けています。

現在の環境下でハイパフォーマンスを発揮する組織には、やはり良好な企業文化があるのは間違いなく、それをリーダー含めた皆でつくっていく必要があります。

企業文化に触れた書籍のひとつに「THE CULTURE CODE―カルチャーコード― 最強チームをつくる方法」(ダニエル・コイル著)が挙げられます。

「最強チーム」という名前からは、要求水準の高さやハードワーク、規律といったイメージを受けるかもしれませんが、本書が説く最強チームは「弱さを隠さず協力し合う」姿です。

そうしたチームを作るために必要な要件として提示されているのは以下の3つになります。

・安全な環境
・弱さを見せる
・共通の目標

1つ目の安全な環境とは文字通り、そこが安全な場所で否定や阻害を受けることがない状態で、同じ場に属してつながっている感覚が得られることです。

そのためには帰属のシグナルとして安全なつながりをつくるためのメッセージを発したり、そのための仕草や笑顔、物理的な距離が大切になります。

続く2つ目は自分を良く見せようと必要以上に飾り立てたり、上に立とうとしてマウントを取るようなことをせず、あえて弱さも含めたありのままの自分を見せることです。

互いに弱さとしての率直な自分を見せられるような「弱さのループ」があることで、不信や警戒、それに対する防御の姿勢を持たずに本音で向き合うことから生まれる信頼とチーム内の協力につながっていく旨を記しています。

そして3つ目の共通の目標は同じ方向に進むための道標で、その共通理解のもとで各自が自分の働く意味を見出していくことが大切になる、との考え方です。

なお「弱さを見せる」ことについて補足をしておくと、こちらは自分を偽らないということであって、例えば怠惰な自分を肯定したり、未来永劫そこから変わらなくても良いことではありません。

仮に怠惰でやるべきことができていない自分がいたとしたら、飾ることなく自分を見せると同時に、自分と向き合って怠惰の根っこにある自分の弱さを認識していくことがスタートです。

そのうえで周囲の助言やサポートを受けながら現在の自分を起点に、そこからより良く変わっていこうとする姿勢を持ち合わせておくことが大切でしょう。

この点は自分らしさを貫くオーセンティック・リーダーシップとつながるところもあるでしょうか。

そのあたりは、また明日に続ける予定です。

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