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「健康の民主化への架け橋を」~巨大産業へ立ち向かう二人の想い~

株式会社FiT2023年8月に合計6億円の資金調達を完了し、フィットネス事業のさらなる拡大に向けて動き出しています。
そこでこのたび、当社代表取締役社長の加藤とCOO取締役副社長の小林による対談を実施。
「健康の民主化」への考え方や今後のFiTの展望などについて伺いました。

■代表取締役プロフィール
加藤 恵多(かとう・けいた)
1999年生まれ。
京都大学医学部在学時の2020年12月株式会社FiTを設立、代表取締役に就任。2022年2月にLifeFitをリリースした。
2023年にはアジアを代表する30歳以下の起業家 Forbes Asia Under 30にも選出されている。


■取締役COO副社長プロフィール
小林 幸平 (こばやし・こうへい)
1990年生まれ。
京都大学大学院医学研究科を卒業後、新卒でロレアルに入社。
日本でプロダクトマーケティング、デジタル、イーコマースを経験したのち、上海でアジア地域統括を担当。
その後、2021年2月にラクスル株式会社 / ノバセル株式会社に入社し、執行役員として同社事業を牽引。
2022年から株式会社FiTの外部顧問、2024年から同社COOに就任。


「収入に捉われず、みんなが健康でいられる世界」

—まず、株式会社FiTの事業内容について教えてください

加藤:FiTでは、次世代型フィットネスジム「LifeFit」を運営しております。LifeFitは、アプリで最短1分で会員登録後すぐにジムの利用が開始でき、24時間いつでも利用可能です。リーズナブルな料金体系で、チケットを購入するだけですぐに利用できる次世代型フィットネスジムです。

初期費用や登録手数料などは一切不要。
今までジムに通えなかった、または継続できなかった方々も利用しやすいシステムと料金体系で、気軽にご利用いただけます。

https://note.com/fitinc/n/n8c1285b69de5

— なぜフィットネス事業をしようとしたのですか?

加藤自分がフィットネスを通じて人生が変わったことが原点です。
もともと高校までは色白でガリガリ。体重は50kgしかなく、そこにとてもコンプレックスを感じていました。
しかし、高校でラグビーを始めたことをきっかけに筋トレをするようになると、一気に身体が変わり、体重も80kgまで増えました。

健康的な体を手に入れることによって、自然と自分に自信が持てるようになったんです。
初めて、「健康的な体の大切さ」に気づくことができました。

このことをきっかけに、少子高齢化が進む日本で、病気をなくし、健康で長生きな人生を送れる人を増やしたいと考えるようになりました。

そして、高校卒業後は京都大学医学部人間健康科学科に進学しました。
しかし、学んでいくうちに、健康に対する機会は不平等であること、医学の観点で自分にできることはほんのわずかであると現実を目の当たりにし、
少しずつ自分のやりたいこととのギャップを感じ始めたんです。

研究をすることに対して、もちろんリスペクトはあります。
ただ、皆さんもご存知の通り、研究成果が出るまでにかなりの時間が要するので、個人的に手触り感がなくなっていってしまったんです。
また、最新の医療を施してもらうには、医療費もかなりかかります。
救える人は救えますが、一部の人に限られてしまうことをヒシヒシと感じたんです。
健康な体を維持し続けるには、かなり費用が莫大に跳ね上がってしまう現実を目の当たりにしました。

皆さんも病院に行った時のことを思い出して欲しいのですが、
比率的にご年配の方がかなり多いと思います。
学生時代は健康だった体が、年齢を重ねることによって、
病院で診察を受ける機会が格段に増えていきます。
病気になる前に健康な体づくりをしっかりと行わなければ、
日本の健康寿命を引き上げることができないと思いました。

かなり考えた結果、
「自分の人生を変えてくれたフィットネスの領域で事業にチャレンジをしたい」と考え、FiTという会社で運動の民主化を始めました。


小林:僕は日本に帰国した際、中国との違いに衝撃を受けたことはかなり大きいですね。
中国って日本よりジムがかなり発達しているんです。
中国語が話せなくても問題なく使用でき、自由に入退場もできるので、とてもわかりやすいシステムになっているかつ、縛りや登録も全然なかったんです。
しかも、日本で例えると六本木的な立地にあるにもかかわらず、2時間のレッスンが1500円で受講できるんです。

それに加え、健康的な食事を取れる機会がとても多いんです。
日本でいうコンビニのような感覚で、サラダ屋さんがたくさんあるんですよね。
中国なら健康な体になれると思いました。
ちなみに当時は体脂肪8%と過去最高に体は仕上がっていたと思います。

しかし、日本に帰国した途端に一変しました。
国内のフィットネスジムは初期費用がかかり、
入会後半年の契約が必須、月会費8000円くらいのところがほとんどです。
「お金がないと健康な体になれないという事実」を目の当たりにしました。

しかも、ファーストフードの誘惑が毎日至る所にあります。
当時は本当に「健康な体になった!」と思いましたが、
やはりファーストフードは美味しくて、食べてばかりいるとすぐに体脂肪25%くらいにすぐ戻りました。

やはり、相当意識が高くないと、日本は痩せれないと思いましたね。
環境ってかなり大事だとも気付かされました。

パーソナルジムだと痩せれる人も多いですが、費用はかなりかかりますし、
中国にたくさんあったサラダ屋さんも
日本だと健康に付加価値がつき、ランチで2000円くらいして、
かなり高価な食事になっています。
物価の高い都内とかでないと商売として成り立ちません。
結局お金がないひとはファーストフードを食い漁ることになります。

お金があるかないかで健康な体を作ることができるかどうかが決まるって
どうなんだともどかしさを感じました。

今の日本の現状だとしっかり運動するには、かなりお金がかかります。
貧富の差のような環境要因に囚われず、まずは健康になりたい人がお金をかけずに健康になれる」
この世界線を生み出したいと思ったのがきっかけです。

— 小林さんはなぜFiTにジョインしたのでしょうか?

小林:先ほどもお伝えした通り、元々フィットネス事業には興味があり、
健康の民主化」をしたいとずっと思っていたんです。
健康の民主化については、後から詳しくお話ししますね。

実は、僕と加藤の出会いは、本当に加藤が創業したての頃です。
自分が生み出したいサービスを思案しながら、競合調査をしていると、
母校である京都大学の近くに新しいジムとしてLifeFit 1号店である一乗寺店が誕生していました。
興味が湧き、直接店舗へ足を運ぶと、真冬に半袖でビラを配る加藤がいたんですよね。

加藤:ちなみに小林も半袖だったので、側から見たら季節感のなさすぎる2人の出会いがこの時です。
小林と話していると、まさかの同じ大学の同じ学部ということが発覚して、
そこからさらに話が盛り上がりました。


小林:加藤とフィットネス業界のあり方やサービスについて様々な角度で話していると、
「自分が生み出したいサービスはまさにFiTが目指す未来の形だ!」
と思いました。

一方で昔から海外で働くという夢も持ち合わせていたんですよね。
海外で働くという夢とフィットネス事業に携わる夢、どちらを先に叶えるか悩んだ結果、
自分のキャリアとしては、海外で働く夢を叶えてから、フィットネス事業に携わることを決めました。

海外に行ってからも、加藤とは「いつか一緒にビジネスをしたいね」
と話していたこともあり、創業当初から定期的に連絡は取っていましたね。

自分自身も海外で活躍する夢も叶え、
次のキャリアを考え始めたタイミングに真っ先に加藤に連絡し、
改めて、FiTのこれからの展望について聞かせてもらいました。

すると、当初から掲げていた目標である
「収入に捉われず、みんなが健康でいられる世界観を作り出す」ために
一切ブレずに戦い続けていたんです。
核となる目標をブラさずに戦い続けることって、実はかなり難しいんです。

それを平然と成し遂げている加藤のブレない姿勢に感銘を受け、
「今がフィットネス事業にチャレンジする時だ!」と思い、
「ぜひ一緒にフィットネス事業に革新を巻き起こそう!」とお伝えして、
FiTに参画しました。

昔の話で盛り上がる加藤と小林


─FiTは低価格帯ジムの第一線として立ち上がりましたが、店舗が増えていく様子を間近で見てきて、どう感じますか?

小林:率直にすごいと思っています。
まさに自分が求めていたジムだと思いました。

実は無理してジム通っている人が周りに多かったんです。
高額なお金を払ってジムに行く同僚・親戚を見てきましたが、
みんなジムに行くために何かを犠牲にしているんです。

ジム代を捻出するために、飲み会を一切断ったり、買いたいものを我慢したりと節約をしていました。

加藤健康を保とうとすると維持コストが本当に高いし、
さらにそれをサブスクで払い続けるとかなりの痛手ですよね。
贅沢な支出になると思いますし、日本の平均年収からしたら高いと思います。

小林:低価格帯のジムは今まさにブームだと思います。
LifeFitの良さをしっかり生かして、新しい顧客体験をもたらすサービスとしてとんでもなく大きな挑戦をこれからしていきたいと思います。


FiTが運営するLifeFitの外観


FiTが運営するLifeFitの内観


共に、「健康の民主化への架け橋」を

—「健康の民主化」とは一体どういうことですか?

加藤:冒頭からたびたび出ている「健康の民主化」についてですが、
テクノロジーと仕組み化で、健康コストを適正価格にするという
「LifeFitの進化」のことを指します。


今後はこれからお話しする3つの民主化の融合により「健康の民主化」
生み出そうとしています。

1つ目の観点は、「運動機会の民主化」です。
まずは、今取り組んでいる事業のLifeFitの店舗の拡大です。
心身の健康には、運動を気軽にできる環境が必要ですが、
日本には通いやすいフィットネスジムの数があまりにも少なすぎます。
やはり、ジムを作るには、時間もお金もかかるので、あまり皆さんやりたがりません。

しかし、「運動機会の民主化」を進めていくことに対しては、かなり手応えがあるんです。
それは、同じ想いを持ったオーナー様に加盟いただき、一緒に広げていただくことができているからです。
現在は、京都を中心に40店舗運営しており、年内に300店舗を目指しています。
そして、全国各地に出店し、業界No.1・社会の常識にすることで、
高品質なジムが2,980円で通い放題という「運動機会の民主化」の実現します。


2つ目の観点は、「健康知識の民主化」です。
従来高価だったパーソナルトレーニングを、オンラインコーチングで実現します。

みなさんは、一緒に時間を共有することによって、集中力が上がったり、効率よく物事が進んだ経験はありませんか?

また、どの情報が正しいか、どの情報が自分に合っているかを大量の情報の中から取捨選択するのは難しいと感じたことはありませんか?

例えば、ダイエットをする時の情報として、「炭水物抜きダイエット」がいいのかそれとも「脂質抜きダイエット」がいいのか意見が分かれ、答えがはっきりしていないケースもあります。
健康的な体づくりは、適切な情報を基にしっかり基礎を作ることが大切です。側で伝えてくれるアドバイザーがいるだけで、結果は大きく変わってくると考えております。

「健康知識の民主化」は情報だけにコストを取られることを避け、オンラインという手軽なフォーマットで、パーソナルでご自身に合っている情報提供とコミュニケーションを行い、一緒にトレーニングを継続できるような施策や食事提案などをしていきます。

3つ目の観点は、「モチベーションの民主化」です。
いわゆる運動をいかに継続して行えるかどうかです。

プロテインやトレーニングウェア・サポートグッズを作成し、
フィットネスをより身近に感じてもらえるプロジェクト
も進めています。

みなさんは、オンラインビジネスで健康食品が展開されている理由をご存知ですか?
理由は健康食品は「原価が安くて高く売れる」からです。
なので、FiTは原価を安く、さらに販売価格もユーザ目線に合わせて売ろうと思っています。

UNIQLOはファッション業界の常識を覆しました。
FiTは健康食品業界でも同じことができると考えているわけです。
顧客データ・IDを持っているからこそ、
お客様に異常な負担をかけたいのではなく、民主化された金額で実施することができます。
原価開示等も行えるぐらいお客様に寄り添った商品作りを行う予定です。

—LifeFitの進化も含めて、今後もアップデートされていく未来を強くを感じますね

加藤健康の民主化は3つ揃ってこそ力を発揮すると考えています。
「健康知識の民主化」と「モチベーションの民主化」だけだと、
ただのお金稼ぎの事業にしかなりません。

一番時間もコストもかかり、大変な「運動機会の民主化」ですが、
トレーニングをする場所、プラットフォームという基盤を用意することが
かなり大事だと考えています。
「運動機会の民主化」があってこそ、「健康の民主化」になるんです。


小林FiTはファッション業界のユニクロみたいなポジションを作っていきたいと思っているんです。
ユニクロは「LifeWear」として低価格でも生活ニーズから考え抜かれた普段着の提案をされていますが、
「LifeFit」も低価格であってもクオリティーは担保されていて、
人々の生活に安心して入り込めるものにしたい。

安かろう悪かろうではない。
そのために、器具の使いやすさや館内の雰囲気、
アプリケーションとして利用開始までの滑らかな体験の作り込みなどにも
拘っています。

—FiTの目指す世界とは何ですか?

加藤日本の健康産業をこれから創っていくヘルステックカンパニーを目指します。
健康の民主化を通して、テクノロジーを活用し、健康コストを下げる事で
誰でも健康でいられる仕組みを創ることを推進していきますが、
私たちはそこで止まりません。

FiTは、「暮らしにフィットネスを」という世界観の実現に向け、
暮らしの中でフィットネスが自然なものとなり、より多くの人々が健康的なライフスタイルを手に入れることができる社会の実現に努めていきます。

小林:業界にはあらゆるフィットネスジムのプレイヤーがいますが、
私たちはジム会社の域で終わりません。

まずは利用しやすく続けやすいフィットネスジムの全国展開に拍車をかけ、フィットネス業界といえば「FiT」と想起いただけるように邁進し、
FiTが健康産業の一翼を担っていきたいと考えています。

加藤:日本国内では「価格が高い」「登録が面倒」「近くになく利便性が悪い」等、利用しやすいフィットネスジムの供給量が足りていないことが原因で、フィットネス参加率が4%ほどと、アメリカの21%と比較して低い水準にあります。
さらに、現在日本は大きな健康問題も抱えており、2025年には年間医療費60兆円、生活習慣病患者・予備軍2,000万人以上、年間死亡者数約160万人にもおよぶといわれ、社会問題にも発展しています。

また、健康問題にかかる国としてのコスト増加に伴い、社会保障給付費も増加しているのが現状です。
こうした課題に対して、フィットネスを通じて、
少しでも心身の健康を保つような取り組みが非常に重要です。

小林「何気ない日常を健やかに過ごすことや飛躍的な挑戦をすること」
すべては、心身の健康の上にこそ成り立つと考えています。
FiTはそんなフィットネス業界のあり方を再定義するために、参入しています。

FiTが走っている方向性は非常に可能性に溢れていると心から思っており、
フィットネスを起点に、どこまでも遠くに走っていけると信じています。

まずは足元の事業に向き合いつつ夢は大きく、FiTとして挑んでいきたいと思います!



—加藤さん・小林さんありがとうございました!

2人の熱い想いは伝わりましたでしょうか?

これからヘルステックカンパニーを目指す道のりは、決して平坦ではないと思います。
しかし、達成した未来を想像した時、
フィットネス業界に革新をもたらしているのだろうと思い、ワクワクしています。

日本は世界で見ると、フィットネスの普及率はまだまだです。
ですが、少しずつ、1%ずつでも、フィットネスの大切さに気づき、行動してくれる方が1人でも増えるように私たちは変革を起こし続けていきます。


<LifeFitフランチャイズ情報>
LifeFitの運営に興味がある方は下記サイトをご覧ください。

<LifeFitサービス内容>
LifeFitのサービスに興味がある方は下記サイトをご覧ください。

※文章、画像は2024年4月時点の情報になります。



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