おひとりさまブレインストーミング#19苦労や工夫を可視化する(2)

私の職場では、本業務のほかに、別の税金の減免申請を受け付けています
4月、5月というのは、1年分減免できる期間で、たくさんの方が来庁し、申請手続きをしています

ときにはお叱りの声をいただきます
「手続きに必要な書類が、なぜこんなにたくさんあるんだ」
「状況が変わらないのにどうして毎年申請しないといけないんだ」
そういったお叱りの声に誠実に対応していると、1時間くらいはあっという間です

行政機関では、通常業務と異なる業務・・・
交渉や、お叱りの声に対応したとき・・・
給与とは別に支給される手当の対象になります
私の職場では、そういった場面に対応した手当の申請を行っていませんでした
思いつく理由としては以下があります 
・本業務と違うから申請できないという誤解
・手当の存在は知っているけど、実際の場面と結びつかなかった

課長に提案すると、「おお・・・(その手があったか・・・)」と
もっと上の上司に掛け合ってくれ、「申請していい」という判断をいただきました。
今回、お叱りの声に対応したのは私の部下でしたので
説明し申請してもらうことにしました

すると、恥ずかしそうに
「私はただ、座ってお話を聞いていただけなので、何にもしてないです」
というので私から
「じゃあ、何もしてないからって、来庁者を残して自席に戻るって、できたの?」
と質問すると
「・・・無理でしたね」
と苦笑しながら手当を申請してくれました
その後の彼女の窓口対応が、ほんのり柔らかくなったのを、私は見逃していません
お金じゃないです。
苦労を承認してもらえることが、モチベーションにつながるのです。

きゅうくつな制度は、現場の職員の時間と心を奪い
最終利益受益者である申請者の時間と心も奪います
状況に合わせて変化していない制度やしくみが悪いのです

翻っていえば、制度やしくみが変化していないのは
現場で起こっていることを可視化して、届けていないからだと思います
窓口が「自分の力の証明の場」になると
最大のパフォーマンスを発揮して乗り切ってしまいます

その連鎖が「現場はうまく回ってるんでしょ」という判断をさせてしまう

この負の連鎖をなんとか断ち切りたい
私の小さな挑戦は、日々続いているのです。

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