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世界のマーケットを視野にいれた地方創生を-サミット登壇者紹介⑨

三陸水産イノベーションサミット2021の登壇者紹介、9人目の登壇者はDAY3イノベータートークセッション⑤『水産業×地方創生』に登壇する株式会社 ヤマナカ 代表取締役 髙田慎司 氏です。

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ヤマナカは宮城県石巻市で2008年創業の水産ベンチャーです。三陸で養殖されたホヤ、カキ、ホタテの加工、そして国内外への販売を行なっています。
髙田氏は元々外資系保険会社に勤めていましたが、2006年に金融ビッグバンで混迷する保険業界に見切りをつけ、「やるなら地元石巻の海産物の素晴らしさを広められる仕事をしたい」と起業を決意しました。但し、水産業への新規参入は難しく、最初は奥さんと軽トラ1台でホヤ漁師さんのところを一軒一軒回って、ホヤを買わせて欲しいとお願いするところから始まりました。
創業から3年、やっとホヤの販売が軌道に乗り始めたころ、2011年にあの大震災が起きてしまいました。自社工場は半壊し、取引先の漁師達の養殖施設は壊滅状態でした。しかし髙田氏は被災後1カ月で会社を再開させます。『今ここで自分たちが漁師達を支えなければ、三陸から石巻から水産業はなくなってしまう』。その思いから、手に入る原料を必死に集め加工販売を始めました。

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現在では震災前を大きく上回る売上を上げ、国内のみならずアジア、中東、ロシアにまで販売先を広げています。
『三陸は親潮と黒潮がぶつかる栄養が豊富な海であることに加え、リアス式海岸という独特な地形により山のミネラルが漁場に降り注いでいます。ここで育てられたカキは世界一だと思っています。しかし現在日本では垂下式と呼ばれる養殖方法が主流であり、剥き身にするにはとてもよいのですが、海外で需要がある活きた状態での殻付き出荷には向いていません。』
そこで、髙田氏は宮城県塩釜市浦戸諸島の生産者とともに、欧米で浅瀬や干潟で行われている「潮間帯養殖」という方法で海外ニーズに合わせたカキの養殖に着手しました。特筆すべきはこのプロジェクトは単なる海外向けカキの養殖プロジェクトに留まっていないことです。このプロジェクトは「松島湾オイスターリゾートプロジェクト」として、担い手育成・新産業創造による離島振興、松島湾の観光振興も兼ね備えています。

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『欧米ではカキ養殖場がリゾート地になり、収穫したカキをその場でワインと食べるということが盛んに行われています。今はコロナでインバウンド客は止まっていますが、コロナが空ける頃にはオイスターリゾートとして浦戸諸島に世界中から観光客を集めます。まずは11月に香港、シンガポール、ロシアに初輸出する計画です』
養殖と観光を融合した新産業が生まれればそこにヒト(移住者、事業者、観光客)やカネ(投資、観光消費)も集まります。これが里海資本論的な新しい地方創生の形です。
当サミットでは、髙田氏の考える水産業×地方創生という新しい考えや、震災を乗り越えての苦労そして今後の展望などを聞いていきたいと思っています。

■登壇情報
DAY3 10/23(土)18:05~19:05
三陸水産イノベータートークセッション⑤『水産業×地方創生』
登壇者①:㈱ヤマナカ 代表取締役 髙田慎司 氏
登壇者➁:㈱北三陸ファクトリー 代表取締役 下苧坪之典 氏


■株式会社 ヤマナカ
https://www.yamanaka.co/

■三陸水産イノベーションサミット2021
https://sanrikusuisan-innovation.go.jp/summit/

■視聴申込み
https://forms.gle/zemPDwewS6QAHpj26

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