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育つぶ〜『息子くんとのトイレ』

曇りのち雨の天気予報と息子くんのリクエストにより
空港に遊びに行った。

息子くんと二人で出かけるときは
できるだけトイレは済ませてから出かける。

おしっこももちろんだけど、
ここで言ってるのはウ◯チの方。

数年間子育てしてきて、外出先で急に

「ウ◯チしたい」

なんてのはもう日常茶飯事なので慣れたけど、
どちらかといえば出かける前にしてもらった方が慌てずに助かる。

とはいえ、さすがにこればっかりはその時次第なので、
したくなければ無理強いはできない。


空港に着いて、展望デッキで飛び立つ飛行機に見入った後、
空港内を徘徊して遊びながら、お昼ごはんを食べるところを物色していたら

「ウ◯チ」

前触れなくいきなりきた!

しかし、ここは空港。
至るところにトイレはある。

慌てずに最寄りのトイレに駆け込んだ。
ホッと一安心の息子くんとパパ。

スッキリしたところで、
さぁお昼ごはんを食べよう。



巡回バスで第一ターミナルから第三ターミナルを経由して
第二ターミナルの展望デッキへ行こうとしたとき、
今度はパパがもよおした。

。。。あ、これはガマンできないヤツだな。

そう悟ったパパは近くのトイレに息子くんとさささっと入っていく。
空きの個室があったので一安心。

でもここで一瞬迷った。

小さい子ども、そして身内とはいえ、
誰かにウ◯チしてるのを見られるのは恥ずかしい。

でも、何か起こったら大変なので
ドアの向こうで息子くんを
待たせるわけにもいかない。

パパのウ◯チ姿を晒すしかないか。


と意を決したときに思い出した。

そうだ!
21世紀最大の文明の利器であるスマホがあるじゃないか。

YouTubeで気をそらせている間に済ませてしまおうという作戦。


息子くんには最近動画を禁止してる。
動画禁断症状だからこの作戦はイケるはず。

早速息子くんに提案。
もちろん首を縦に振る。


「なんで? ウ◯チするの見られたくないから?」


ちゃんと分かってたか…

いやいや、おっしゃる通りでございます。
残念ながらパパにはまだ恥じらいの気持ちが残っているようです。


YouTubeを再生させたスマホを息子くんに渡し、
オムツ替え用の台に横を向かせて座らせました。

素早くウ◯チ体勢に入るパパの姿を
わざと目を見開いて覗き込む息子くん。

「あーっ!」

というパパの声に半笑いで画面に戻る息子くん。

それからは画面に見入っていたので
落ち着いて事を済ませることができました。


子育てしてると、自分一人なら絶対想像もできない行動と
出会うときが多々あります。

これはそのうちの一つでしょう。


どの家庭でもあるんじゃないでしょうか。


家でこどもと二人きりのときにトイレに行きたくなって、
ドアの外で待っててもらいたいんだけど
親の姿が見えなくなるのが嫌で泣くので、
ドアを開けたまま用を足す。

というようなこと。


そういうときにかぎって、子どもはジッと見つめてくるから始末が悪い。

パパは家で息子くんと二人になる機会は少なかったので
そういう経験はないですが、
切羽詰まってるんだから恥ずかしがってる場合じゃない。

乳幼児ならリアクションがないから見られても気にならならないけど
喋ることができるようになったら恥ずかしく感じるかな。

保育園くらいのこどもなら
相手を冷やかすこともできるしね。

妻のお腹に息子くんが宿って
いくつかの育児本は読んだけど
もちろんそんなことについて書かれてるわけもなく
そんな場面に遭遇して初めて
どう行動するかを迫られる。

親になるとそんな予想だにしないことばかり。

さすがにそれは勘弁してくれ〜
みたいなことにもたくさん遭遇するでしょう。

でもそれが自分の子どもとのことだから
むげに拒否するわけにはいかない。

そういう場面をくぐり抜けると
親としてのHPが上がるのを感じます。


ウ◯チのことなんか他人に自慢できることじゃないんだけど
人知れず親は頑張ってるんです。

息子くん、キミも将来子どもをもうけたら
それが分かるときが来るんだよ。


ある父親とひとり息子の毎日を描いています。 息子の行動や発言に気づきを覚えたことをテーマに、 父親として子育てに取り組む姿を見ていただければ嬉しいです。