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ああ日本海側【その12】

皆さんは兵庫県に遊びに来たことはありますか?兵庫といえば神戸で異国情緒ただよう港町の観光、阪神甲子園球場で野球観戦、戦国時代の史跡が残る姫路周辺の散策などいろいろあります。ただ、これらの観光地はいずれも瀬戸内海側の地域で、日本海にも面している兵庫県はまだまだ見どころがあります。東は京都府京丹後市から西は鳥取県まで広がるジオパークは、日本海の形成に伴う多様な地形や人々の暮らしをみることができます。豊岡市にある玄武洞はまさにジオそのものです。他にも城崎温泉や新温泉町など温泉街も有名です。

新温泉町へ

今回は兵庫県の北部にある新温泉町に行ってきたのですが、当然温泉を楽しむわけではなく魚を買いに行きました。この新温泉町の漁港は、『浜坂港』『諸寄港』『居組港』と3つあり、毎朝せりでにぎわっています。中でも、浜坂港は『松葉がに』『ほたるいか』の水揚げ量が日本一で、冬になると観光客がカニを目当てに訪れます。それ以外にも、瀬戸内海側にはいない魚がたくさん水揚げされており、浜坂で採集された魚の標本が京都大学の倉庫にあるそうです。

近くの道の駅でも商品が売られています。

今回、魚を買いに行ったのは山米鮮魚さんです。ここでは、メインの松葉ガニやホタルイカだけではなく、ハマチ(幼魚)やキジハタなどの魚も取り扱っています。ここでは、地魚も取り扱っていますが、2日間連続で訪問したものの台風の影響かあまり地魚が置かれていませんでした。一応、イサキ, アジ, イシダイ, カワハギを購入しました。十数匹あわせて1000円ちょっとでした。

イサキです。安いところでも1匹1000円はするのでかなりお得でした。
イシダイです。煮付けが美味しいことを今回知りました。
アジです。個人的には塩焼きが好きです。
カワハギです。今回購入したものの中で一番美味しかったです。

出てきた寄生虫は

イサキの単生類カワハギの吸虫をめあてに購入したのですが、いずれの魚からも寄生虫は出てこず、アジのエラからこれまでみたことのない単生類がでてきました。なかなか面白い形をしていて、詳しく調べてみたかったのですが、今回得られたのはこれだけでした。標本も状態がよくなかったので、今後はアジについても調べて標本を増やしてみようと思います。たぶん、Gastrocotyle属の仲間のような気がします。

とても奇妙な形でした。曰く、小学生が描き損ねた手みたいな形。

実は、この山米鮮魚の店員のおばさんに私が寄生虫を探していることを言ったところ、寄生虫がついている魚介類を教えてくれました。その時、教えてもらった魚がなかったことから、またおいでと言われた時にはちょっと気まずかったです。ちなみに、その鮮魚店の近くのスーパーマーケットの鮮魚売り場を覗いてみたのですが、寄生虫のアナウンスがなされていました。昨日、自宅の近くにある鮮魚売り場をみてみたのですが、このようなアナウンスはありませんでした。それだけ、浜坂のあたりでは新鮮な魚が出回っているのでしょうか。それとも、クレームが多かった?

私は、寄生虫がついているくらい新鮮な魚を取り扱っているのが羨ましいと思いました。

生物、特に水棲生物に興味がある方はぜひとも兵庫県北部を中心に広がるジオパークを訪れてみてください。この3年は新型ウイルスが原因で満足に訪問することができませんでしたが、それまでは10年ほど毎年生物調査を行なっていたのですが、いつも新しい発見がありました。今年もいろんなウミウシを見つけられました(私は耳抜きが苦手なので、みつけてもらったが正確ですが)。ニッコウイワナから、大量のチョウモドキを見つけたのですが、これは海ではなく川の話ですよね。

いろんなウミウシさん。
ニッコウイワナについていたチョウモドキ



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