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産業医が教える、年末年始の「夜更かし」「寝正月」でも体調を崩さないための3つのタイミング

今年はコロナ禍による働き方の変化で従業員の健康管理が今まで以上に注目されました。
年末年始のお休みも外出が積極的に出来ないような状況が予想されますので、従業員の生活リズムの乱れによる体調不良を心配されている人事担当者様も多いのではないでしょうか。

今回は年末年始の体調管理のポイントをお伝えいたします。社内でご活用いただければ幸いです。

大晦日やお正月になると、テレビを遅くまで見たり親戚と連絡をとったりと、遅くまで起きていることも多いかと思います。
また、「初日の出を見よう!」といつもよりかなり早く起きたりすることもあるかもしれません(なお、初日の出の時間はおおよそ6時45分~7時25分のようです)。

一方で、”寝正月”という言葉があるように、日中も含めてずっと寝ている、という方も多いのではないでしょうか。
このように、年末年始は
・夜更かし
・早起き
・寝正月
などと、睡眠リズムが狂いやすい温床ともみることができます。

体調を壊さないようにするためには、どのようにすればよいのでしょうか?3つのポイントをお伝えします。

ポイント① 食事のタイミング


”体内時計”という言葉がありますが、実際に人間の体は”時計”のようなものを感じながら過ごしています。この時計、実はとても狂いやすい時計で、暗いところで何もしないと1日1時間遅れる(1日=25時間のようにふるまっている)ことが知られています。人は、その時計を毎日調整してあげないと、どんどんと体内時計が狂い続けてしまいます。
その時計、どこにあるかと言うと、脳と肝臓(消化管)にあるのです。
一番大きい影響を及ぼすのは②で解説する光なのですが、もう一つ重要な因子として、食事の影響が知られています。朝食を食べると、あがった血糖を下げるためにインスリンというホルモンが出るのですが、このインスリンには肝臓の体内時計をリセットさせる効果が報告されています。つまり、朝食で糖質とタンパク質をとることにより体内時計を調整できる効果が期待できます。一方で、夜遅い時間の食事をとると、体内時計が乱れるとされているため、食事のタイミングは非常に重要になります。

ちなみに、朝食を毎日食べる子供は、毎日食べない子供よりも学力や体力に優れているという研究があり、規則正しい食生活や明暗サイクルの調節によって体内時計を調整することは、心身両面でプラスにはたらくことが期待できます。

ポイント② 光を浴びるタイミング


光を浴びることも、体内時計を調整できる大きなポイントになります。
光が目に入ると、その光の情報は脳に送られます。この送られる先が”視交叉上核”という部分で、ここが体内時計の中枢になります。
私達が朝起きて、カーテンを開け、日光を浴びることにより「眩しい!」という感覚は、実は脳の中での体内時計をガラッとリセットする大きなキューになっています。
このことから、「寝正月」といえどもしっかり朝に起きてカーテンを開けることは、非常に重要なポイントと言えます。

ポイント③ 起きるタイミング


「昨日の夜は、ついつい携帯やTVを見て遅くなってしまった。今日は一日寝ていよう。」と思われる場合もあるかもしれません。
本来は夜更しは体内時計を大きく狂わせるのですが、それでもそうなってしまった場合、昼間にどう睡眠をとるのかがポイントになります。
一番良くないのは、「夜起きて、昼間はずっと寝ている」というパターンです。まず、朝起きないのでポイント②の体内時計のリセットができなくなってしまいます。さらに、日中ずっと寝ていると、夜寝られなくなってしまい、、、、という昼夜逆転パターンの出来上がりになります。
これを防ぐため、
・夜遅くなっても、一度朝起きる
・起きる時間はいつもと同じ時間にする
・その後の昼寝も、午前中、もしくは午後の早い時間にとどめる
ように心がけていただくことがポイントです。


このような注意を行いながら、年末年始であっても、体調を壊さず健康的な時間を過ごしていただければと思います。


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