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期待はあらゆる苦悩のもと


2023年2月17日(金)朝の6:00になりました。

何ごとも期待せぬこと。それが肝心。

どうも、高倉大希です。




期待するということは、他者に変化を求めるということです。

それは「成長」という意味の変化かもしれませんし、「俺にとって都合のよい人になれ」という意味の変化かもしれません。

いずれにせよ、他者に期待する人は「変化したあとの相手」を見据えています。


だからこそ、期待した瞬間から減点方式による採点がはじまります。

期待したとおりの道筋を辿らない。期待したとおりの変化が見られない。

こうして期待する人は、相手に「ダメな人」というスタンプを押していきます。


ここで必要なのは、生きる意味についての問いを百八十度方向転換することだ。わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ、ということを学び、絶望している人間に伝えねばならない。
ヴィクトール・E・フランクル(2002)『夜と霧』みすず書房


教育心理学の分野に「ピグマリオン効果」と呼ばれる心理効果があります。

他者からの期待を受けることで、学習成績が向上したり、仕事での成果が上がったりする現象のことです。

「あの人が期待してくれている」が、ほどよい外圧となり、結果に表れるということなのでしょう。


逆に、周囲から期待されなかったらパフォーマンスが低下するという実験結果も出ています。

こちらは「ピグマリオン効果」に対して「ゴーレム効果」と呼ばれています。


あなたは他者の期待を満たすために生きているのではないし、わたしも他者の期待を満たすために生きているのではない。他者の期待など、満たす必要はないのです。
古賀史健(2013)「嫌われる勇気」ダイヤモンド社


「期待」は、あくまでもひとつの手段です。

ピグマリオン効果を生むために「期待」を言葉で伝えるのであって、コントロールできない他者を本当の意味で期待してはなりません。


勝手に期待して、勝手に裏切られた気になって。

相手からすれば、たまったもんじゃありません。


「誰か」や「何か」に頼りたくなる気持ちは、僕も同じ人間なんでわからなくもないです。でもその心の弱さに負けちゃいけないんです。 
瀧本哲史(2020)「2020年6月30日にまたここで会おう」星海社


他者からの期待をどう活かすのかも、他者への期待をどう扱うのかも、すべては自分が決めることです。

コントロールできないものをコントロールしようとする。

そんな「期待」はあらゆる苦悩のもとになってしまいます。





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