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自分にしかできないことには、体調というリスクと寿命という期限がある


2023年2月6日(月)朝の6:00になりました。

パラダイムシフトとは、「世代交代」である。

どうも、高倉大希です。




自分にしかできないことには、体調というリスクと寿命という期限があります。

どんなにすばらしい能力をもっていたとしても、死んだらそこでおしまいです。


そう考えると、他者の「できること」を増やせる人って、実はとんでもなくすごいのかもしれません。

「できる」までの要素を分解して、再現可能なプロセスを構築し、苦労の跡がどこにも見当たらない形で他者に提供します。



「個の時代」だなんて言われることも相まって、ずっと「自分にしかできないこと」にこそ価値があると思ってきました。

上記のような考えをもつようになったのは、組織の中に身を置くようになってからです。


コトをもっとも前に進めるのは、きっとヒトの成長です。

そして、そんなヒトの成長を促すものは、コトに紐づく再現性です。


早く行きたければ、ひとりで進め。
遠くまで行きたければ、みんなで進め。

アフリカのことわざ


表舞台で輝く実力者が、唐突に引退を発表するという事例がよくあります。

ファンの中には多くの疑問が残るわけですが、継承という観点から見れば、それももはや必然なのかもしれません。


表舞台で輝く「自分にしかできないこと」には、体調というリスクと寿命という期限がつきものです。

舞台に立てなくなるその前に、次の世代へと伝えなければ、長い時間をかけて蓄積してきた知見は、自分という個人と共に失われてしまいます。


この世に偶然にして生まれてきた私たちは、その奇跡的な命を次の世代へと繋ぐために死ぬのです。命のたすきを次に委ねて「利他的に死ぬ」というわけです。

小林武彦(2021)「生物はなぜ死ぬのか」講談社


能を芸術の域にまで高めたとされる世阿弥は「命には終わりあり、能には果てあるべからず」という言葉をのこしています。

自分の命よりも長くつづくものごとなんて、この世の中にはごまんとあります。

逆に言えば、ひとつの命でできることなんて、たかだか知れています。


今日の社会では、依然として「個」の思想が強すぎるのだ。決して全体主義に陥ることなく、わたしたち個々の人間が、個体としてだけではなく、同時に「種」としての時間を生きる認識が生まれるのにはどうすればいいのだろうか。

ドミニク・チェン(2022)「未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために」新潮社


だからこそ、うかうかなんてしていられません。

いまを生きるわたしたちに残された時間は、驚くほどに短いのです。





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