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柿の種

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#文章

まとまっていないんですけど

2024年6月14日(金)朝の6:00になりました。 いいジョークは、何度も言わない方がいい。 どうも、高倉大希です。 言うまでもないことは、言わない。 書く上で、大切にしていることのひとつです。 たとえば、「まとまっていないんですけど」という枕詞はつかいません。 なぜなら、まとまっていることの方が珍しいと思うからです。 たとえば、「自戒を込めて」という枕詞もつかいません。 なぜなら、発信なんてぜんぶ自戒が込められているものだろうと思うからです。 会議で最初

毎日投稿は間違いの記録

2024年6月3日(月)朝の6:00になりました。 間違いや失敗をしたことのない者だけは、信用してはならない。 どうも、高倉大希です。 テレビに映るアイドルの真似をして、小さな子どもが一生懸命に踊っている。 先日スマホを眺めていると、このような動画が流れてきました。 単純に可愛らしくてほっこりしたのですが、同時にとある事実に気がつきました。 その小さなダンサーは、自分が踊れていないことに気がついていないのです。 むしろ、完璧に踊れていると言わんばかりの顔つきをし

書く人なんて暗くて当然

2024年5月21日(火)朝の6:00になりました。 だいせんじがけだらなよさ、さかさに読むとあの人がおしえてくれた歌になる。 どうも、高倉大希です。 ペンを握って、ひとり黙々と何千字。 画面に向かって、ひとり黙々と何千字。 書くときは、いつだって孤独です。 こんな人間が、暗くないわけがありません。 書かずに済むのなら、それに越したことはないのかもしれない。 毎日書いていると、時々こんな気持ちになります。 「書くってね、自分と対話することなんだよ」 まさに

書く人が通る道

2024年5月15日(水)朝の6:00になりました。 孤独な者よ、君は創造者の道を行く。 どうも、高倉大希です。 毎朝投稿をはじめて、今日でちょうど501日目になりました。 レギュラーストレートの、デニムと同じ数字です。 note をはじめる前は、べつの媒体で毎朝投稿をしていました。 そのときは、400日くらい継続したかと思います。 これだけ書いていると、文体も変わります。 昔の文章を読み返すと、とても恥ずかしい気持ちになります。 ものを書く人は大抵、ちょっ

文章を寝かせる

2024年5月11日(土)朝の6:00になりました。 文字が、ここへ連れてきた。 どうも、高倉大希です。 深夜に稲妻が走り、すかさずメモを残します。 翌朝目覚めて確認すれば、稲妻がゴミと化しています。 昨晩の時点では、とんでもない閃きだったはずなのに。 時間が経てば、その効力が失われている。 こんなことが、よくあります。 瞬間の衝撃は、疑ってかからなければなりません。 熱が冷めたときに、残っているものはなんだろう。 上記の事実に気づいてからは、こう考えるよ

読み終わったときに書き手と話がしたくなる文章

2024年5月1日(水)朝の6:00になりました。 僕は耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になろうと考えた。 どうも、高倉大希です。 J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』。 好きな小説を聞かれときは、この作品を答えるようにしています。 はじめて読んだのはたしか、高校生のころでした。 思春期真っ只中の青年に、ホールデンの言葉が見事に突き刺さったわけです。 好きな場面はいくらでもあるのですが、とくにこの一節が印象に残っています。 今でもこのページには、青い付箋

書くと決めているから考える

2024年4月24日(水)朝の6:00になりました。 あなたの運命を決めるのは、帆であって風ではありません。 どうも、高倉大希です。 文章を書いて、毎朝6:00に投稿する。 決めていることは、これだけです。 考えていることがあるから、書くのではありません。 書くと決めているから、考えます。 書くことが前提にあれば、普段の生活がほんの少しだけ違って見えます。 あれもこれも、すべては書く材料になりえます。 カメラを持って、散歩する。 決めていることは、これだけ

真剣に話しているからといって、真剣に聞いてくれるとは限らない

2024年4月2日(火)朝の6:00になりました。 真剣に考えるべきことを学んだら、残りは笑い飛ばせばいい。 どうも、高倉大希です。 真剣に話しているのに、どうして聞いてくれないの? 小学校で学級担任を務めていたころ、こう思うことがよくありました。 子どもたちは、とても正直です。 こいつの話は聞くに値するのかを、よく見て判断しています。 真剣に話しているのだから、真剣に聞いてほしい。 これは話し手の願いであって、聞き手からすれば知ったこっちゃありません。 S

体現することで生まれる説得力

2024年3月28日(木)朝の6:00になりました。 やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ。 どうも、高倉大希です。 文章の下手な人が文章の書き方を語っても、説得力はありません。 お金のない人がお金持ちになる方法を語っても、説得力はありません。 もしかしたら、ハッタリをかますことはできるのかもしれません。 テクニック次第では、ないものをあるかのように見せることもできるのでしょう。 ただいずれにせよ、体現することによって説得力が増すこと

文化的落ち葉そうじ

2024年3月21日(木)朝の6:00になりました。 葉が落ちれば、僕はそれを効率よく道端に退かせた。 どうも、高倉大希です。 本屋さんに行くと、ほんのすこしだけ寂しくなります。 生きているうちに読める本なんて、たかが知れているのだろうなと思うからです。 この空間に集まる知識の数%も理解しないままに、死を迎えることになります。 どうしようもないことはわかっているのですが、なんだか寂しくなるのです。 それと同時に、当然うれしくも思います。 たった数%であれ、その

言わない言葉がどれだけあるか

2024年3月16日(土)朝の6:00になりました。 やさしさのない人とは、相手ができないことを求める人です。 どうも、高倉大希です。 思ったことを、すべて伝えればよいというわけではない。 教育業界で仕事をしていると、こう感じることが多々あります。 全部を説明して「さあやるぞ」と言ったところで、子どもたちは動けません。 情報量が多すぎて、混乱してしまうのです。 いちどに全部を説明したときは、大抵あとからたくさんの質問が発生します。 いちど伝えたことをもういちど

だいたい勇気

2024年3月12日(火)朝の6:00になりました。 おお主よ、我に力と勇気を与えたまえ。 どうも、高倉大希です。 ざんぎり頭を叩いてみれば、文明開化の音がする。 明治のはじめに、一世を風靡した歌の一節です。 かつては、立派なチョンマゲを結うことがよしとされていました。 それが今となっては、ジョークグッズのひとつです。 よいという価値観は、時代と共に変わります。 今どれだけよいと思っていても、数年後には笑われているかもしれません。 わたしたちは、よいと信じて

俺の癖を味わってくれ

2024年3月9日(土)朝の6:00になりました。 きみの癖を知りたいが、引かれそうで悩むのだ。 どうも、高倉大希です。 みんなの考えを尊重するなら、つくる意味がない。 ほぼ日の代表である、糸井重里さんの言葉です。 何かを表現する限り、誰かを否定することになる。 この考え方と、よく似ているなと思います。 書くということは、きっとこういうことです。 誰も傷つけたくないのなら、はじめから書くべきではありません。 そもそもを言えば、否定が悪いというわけでもありませ

頑張れば必ず誰かが見てくれている?

2024年2月23日(金)朝の6:00になりました。 えぐられし心のその先に、豊かな何かが溢れてるのに。 どうも、高倉大希です。 頑張れば、必ず誰かが見てくれている。 この言葉に、ずっと違和感がありました。 これはあくまでも、見る側が努力することです。 見られる側が、前提に置くことではありません。 せっかく頑張ったのなら、自ら見せなければなりません。 見えない努力が、評価されるわけがないのです。 頑張ったのに、評価されない。 これは頑張る上で、できるだけ避